コーヒーを飲むとやせられるって、本当ですか? テレビの健康番組で
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じつは、3年前、2002年9月号でも私はカフェインをとりあげました。その時も健康番組の、「基礎代謝を上げるにはカフェインが有効。3〜4時間おきにコーヒーを飲むと効果的」という内容に憤慨して執筆にあたったのをおぼえています。 「あるある〜」でいうように、コーヒーを4〜5杯飲んで痩せるのなら、アメリカが超肥満国になっているわけありません。 健康番組では、デメリットには一切ふれない健康番組に出演するときには、厳重に注意されることがあります。「〇〇はいい、△△はいい等、”いい“ことはいくら言ってもかまわないけど、“悪いこと”は一切口にするな!」ということ。つまり、体にプラスの影響力のあることについては誇張され、マイナス面や悪い影響は完全に覆い隠されるということ。これでは視聴者に正しい情報が伝わるわけありません。 確かに、少量のカフェインは基礎代謝アップに働きます。でも、たったコーヒー2杯分のカフェインは、ある種のホルモンを増やし、これが糖代謝に悪影響を与えたり、体脂肪を増加させるともいわれます。 運動前にコーヒー1杯飲めば、運動力は向上するでしょうが、ダイエットのために1日何杯もこうした刺激物質を体内に入れることがいいはずありません。 マイナス要因の多いカフェインカフェインは強力な麻薬ともいえる物質です。すぐ思考がハッキリしたり、疲労が減った感じがしたり、精神高揚効果などがあります。しかし神経や内分泌系が過剰に刺激を受けることで内臓器官も疲労してきます。高血糖症や、副腎や腎臓の負担にもなってきます。 女性は毎月生理があるため、もともと鉄分が不足しやすいところにもってきて、カフェインは鉄分の吸収を阻害してしまいます。当然貧血や冷え性の問題がでてきます。さらに、体から亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンCやB群をも奪います。このためエネルギー代謝をはじめ、多くの代謝過程で酵素反応が支障をうけることになるのです。 カフェインの過剰摂取はホルモンバランスを崩し、婦人科系の病気や異常出産の原因になるとさえいわれます。一日にコーヒーを五杯飲む人は、飲まない人にくらべ、骨粗しょう症や心臓発作を起こす可能性が五〇パーセントも高くなることも知られます。 カフェインはコーヒーばかりでなく、コーラ類や紅茶、緑茶、ココア、チョコレートなどにも含まれます。市販薬に多量のカフェインが含まれているケースもあります。多くの人は自分が思っている以上にカフェインをとっているのです。その上、さらにコーヒーを飲むようになれば、当然過剰になる可能性は高いといえます。 クロロゲン酸はリンゴにも「あるある〜」では、カフェインとクロロゲン酸の両方が含まれているのはコーヒーだけで、これが脂肪燃焼に効果があるとしていました。 クロロゲン酸はリンゴにも豊富に含まれている抗酸化物質。なにもマイナス要因がてんこ盛りのカフェインと一緒にとる必要なんてありません。 ムダな脂肪をつけずにナイスボディを維持するには、体内の酵素がしっかり働いてくれなければなりません。そのためには、重要な酵素の働きを阻害するように働くカフェインを、自分の生活から極力省くべきでしょう。ハーブ・ティー、麦茶、ミネラルウォーターなど、カフェインの入っていない健康的な飲み物を選ぶようにしましょう。 カフェインレスならいい?コーヒー好きの人によく、デカフェ(カフェインを抜いたコーヒー)ならいいですかときかれます。これは普通のコーヒーよりもっと悪いといえるかもしれない、という意見も!! 生のコーヒー豆は水かスチームで柔らかくされ、カフェインを抜くために水処理されるものもありますが、ほとんどは化学溶剤で処理され、熱を加えられ、スチーム処理されてから、乾かされます。 充分にカフェインが抜けるように、この工程は多い場合には24回もくり返されます。このとき使われる溶剤は体内で働く酵素を阻害する物質ですし、これが残留していない保証はないのです。 カフェインは、あらゆる飲み物、市販薬に…
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