インフルエンザが猛威をふるっています。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症ですが、一般の「かぜ症候群」とは分けて考えなければならない、「重症化しやすい疾患」です。全国の医療機関から報告されているインフルエンザの患者数は、例年の約3倍!しかも、2025年1月15日現在、47都道府県のうち、30の都道府県で警告レベル。あなたは、しっかりインフルエンザ対策していますか?
この記事では、インフルエンザの基本的な知識や予防法、とくに免疫力をアップして、ウイルス感染を予防、あるいは、感染しても重症化しない身体づくりのための具体的な方法をお伝えします。身近な予防策をとりいれることで、自分自身だけでなく家族や周囲の人々を守ることになります。
- インフルエンザとは?
- インフルエンザのリスクと注意点
- インフルエンザ: 日常生活での感染予防策
- 身体を守る免疫の仕組み
- 免疫力を高める栄養面からのアプローチ
- 生活習慣の改善で免疫力をサポート
- インフルエンザにかかった場合の対処
- まとめ
インフルエンザとは?
38℃以上の高熱がでたらインフルエンザを疑うべし
ふつうの風邪も、その大半はウイルスによって引きおこされますが、症状はインフルエンザに比べて軽く、一般的にくしゃみや鼻水、喉の痛みなどの軽い症状が中心です。発熱してもインフルエンザほど高熱になりませんし、重症化することなく、自然に治ることがほとんどです。
一方、インフルエンザも風邪のような症状からはじまりますが、ウイルスに感染してから1~3日後に38度以上の高熱がでて、これが3~4日間、場合によってはそれ以上つづきます。こうした突然の高熱だけではなく、気道感染ほか、全身がだるくなる、筋肉痛がおきるなど、全身症状をともなうことが一般的です。
インフルエンザは肺炎や心筋炎などの重篤な合併症をひきおこすリスクも高いといえます。とくに、高齢者や小児、ぜん息など呼吸器系の持病や腎臓に持病がある人、免疫力が低下している人は重症化しやすいので要注意です。
インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザはウイルスが原因で発症します。ウイルスは、ほかの生き物の細胞にくっついて数を増やす病原体で、ばい菌とか細菌とよばれている「菌」とは、まったく異なります。
ウイルスの種類は非常に多いのですが、そのなかで人に感染するインフルエンザウイルスは、大きく分けてA型、B型、C型の3種類があり、流行的な広がりをみせるのは、A型とB型です。
A型:
おもに季節性インフルエンザの原因となり、パンデミックをひきおこす可能性があります。ウイルス表面にある抗原(HAとNA)の組みあわせが多様で、毎年異なる株が流行します。
B型:
おもに人間に感染し、流行はA型よりも限定的です。A型に感染し、治ってから、あらたにB型に感染する可能性もあり、重症化する場合があります。
現在流行っているインフルエンザは、A型(H1pdm09)とB型(ビクトリア系統)で、A型(H1pdm09)は、A型(H1N1)亜型の一種です。
H1pdm09は、2009年にはじめて出現したH1N1型の新株で、「新型インフルエンザ」として世界的に流行したものです(「pdm」は「pandemic(パンデミック)」を意味する)。このウイルスは2009年以降、世界中で広がり、現在では季節性インフルエンザとして定着しています。
同一の亜型であっても、ウイルス遺伝子におこる突然変異の蓄積によって、HAとNAの抗原性は少しずつ変化します。インフルエンザウイルスでは、こうした変異が頻繁におこるため、毎年のように流行がくり返されることになります。
インフルエンザの感染経路と潜伏期間
インフルエンザウイルスは感染力が強く、おもに飛沫感染と接触感染によって広がります。
◆飛沫感染: 感染者が咳やくしゃみをする際に放出されるウイルスをふくむ微粒子を吸いこむことで感染します。
インフルエンザ、あるいは、風邪をひいている人が1回咳をすると10万個、くしゃみをすると200万個ものウイルスをふくむ小さな水滴(飛沫)が飛びちります。大きな飛沫は、くしゃみをする人から最大で2メートルほど飛ぶので、飛沫感染がおきるのは、通常この範囲です。
◆接触感染: インフルエンザに感染した人が咳やくしゃみを手でおさえたり、鼻水を手で触ったあとに、つり革、ドアノブや手すりなどに触れると、その触れた場所にウイルスが付着。健康な人が、その付着したウイルスに触れ、その手で目や鼻、口を触れば、粘膜・結膜などを通じてウイルスが身体のなかに入り感染することがあります。
インフルエンザウイルスは飛沫と接触の2経路からの感染で、一般的に、空気感染はしないとされています。とはいえ、特殊な状況下では、飛沫が非常に細かい粒子(エアロゾル)となり、浮遊し(30分程度、最大8m先まで)、感染を広げる可能性があることが、一部の研究で示唆されています。
インフルエンザウイルスの潜伏期間は1~3日程度で、その間にもウイルスを周囲に広げる可能性があります。とくに人が密集する場所では感染リスクが高まるため、頻繁な手洗いやマスクの着用が必須です。
インフルエンザのリスクと注意点
症状と重症化リスク
インフルエンザのおもな症状は、以下のとおりです:
・突然の高熱(38℃以上)
・強い倦怠感や疲労感
・筋肉痛、関節痛
・鼻汁・咳などの呼吸器症状
・咳や喉の痛み
・頭痛
インフルエンザは、通常の風邪とくらべて全身症状が強く、急激に悪化します。高齢者、幼児、妊婦、基礎疾患(糖尿病、心疾患、慢性呼吸器疾患など)をもつ人は、重症化しやすい傾向にあります。重症化すると肺炎や心筋炎、脳炎などの合併症が発生する可能性があり、早期の医療介入が必要です。
インフルエンザウイルスは脳への影響をおよぼすことがあります。子供は、脳を守る機能が未発達のため、幼児(0~5歳位)においては、「インフルエンザ脳炎」のリスクが高くなります。
痙攣や意識障害、幻覚を訴える、手指を噛む、異常な言動が継続的に1時間以上つづくなどがあれば、即医療機関での受診/治療が必要になります。
重症化のサインを早めにキャッチ!
持病のある人は感染すると重症化のリスクがありますが、基礎疾患がない人でも重症化する例はみられます。免疫力の低下などによりウイルスが肺全体に広がって呼吸機能を著しく低下させ、ときには死にいたるウイルス性肺炎や、小児に特有のインフルエンザ脳症に陥るなどの重症化もあるので、重症化のサインを見逃さないように、かならずチェック!
「隠れインフルエンザ」に注意!
インフルエンザウイルスに感染していても、インフルエンザの特徴である高熱がでることなく、微熱あるいは、ほとんど発熱しないこともあります。このような状態を、「隠れインフルエンザ」とよびます。
「隠れインフルエンザ」は、せき、のどの痛み、鼻水など普通の風邪と同様の症状が生じやすく、インフルエンザウイルスに感染していることを気づかぬうちに重症化してしまう可能性があるので、要注意です。
「隠れインフルエンザ」は、高齢者に多とされるので、65歳以上の人は、軽い症状でも、「インフルエンザではない」と決めつけず、念のために検査をうけるようにすると安心です。
インフルエンザ: 日常生活での感染予防策
インフルエンザ予防の第一歩は、ウイルスが体内に侵入するのを防ぐことです。ウイルスは目に見えない存在ですが、私たちの身のまわりに広がっており、適切な対策を講じないかぎり感染のリスクは避けられません。そのため、ウイルス対策と除去は、日常的に意識してとりくむべき重要な予防手段となります。
マスク・手洗い・アルコール消毒といわれるけど…?
感染経路は、おもに飛沫感染と接触感染であるため、あたりまえのことですが、マスク着用と日常生活での基本的な衛生習慣が大切です。
◆マスクの着用:
咳やくしゃみの飛沫を防ぎ、感染リスクを軽減します。
欧米では、マスクは病原体をもっている人(感染者)が第三者にうつさないために使用するもの。日本のように、健康な人が予防目的で使用するという概念はありません。
実際、インフルエンザウイルス粒子の大きさは、直径0.08~0.12㎛(1㎛は、1000分の1mm)で、市販のマスクの主流を占める不織布製のマスクで防げるのは5㎛以上の粒子。マスクをしたところで、網で煙を防ごうとしているようなものです(ウイルスをシャットアウトしたければ、N95のようなマスクが必要)。
とはいえ、咳やくしゃみで放出される飛沫は水分をふくみ、5㎛程度なので、咳やくしゃみ鼻水などがでている人がマスクをすることは、自分から他人への感染を防ぐためには不可欠で、ウイルス感染の拡大防止になります。
◆手洗いの徹底:
外出先から帰宅したら、石鹸を使用して最低20秒間手を洗い、流水でしっかりすすぐことが重要です。外出後だけでなく、食事前に習慣化しましょう。汚れを落とすだけでなく、付着している可能性のあるウイルスを除去するためです。
ただ、手洗いをしっかりしてさえいればインフルエンザ予防策は万全と思いこむのは禁物です。
洗っているつもりでも、きちんと洗えていないケースも多いですし、なによりも、手は身体の一部でしかありません。実際に露出している部分はその何倍もあります。
感染者の水分をふくんだ咳やくしゃみが一旦落下、付近のものに付着した後に水分が蒸発して2μm以下になると飛沫核として、長時間空気中を漂います。これが、衣服や髪の毛、顔などの皮膚に付着します。ウイルスが付着したと思われる「手」という、極一部を洗浄・消毒しただけでは万全の予防にならないのです。
◆消毒液の活用。でも・・・
アルコール消毒液を使用して、手や頻繁に触れるものの表面を清潔に保つようにしている人も多いでしょう。
コロナ禍発生以来、手指のアルコール消毒が推奨され、学校や公共施設はもちろん、家庭にもアルコール消毒液がおかれ、誰もが頻繁に手指をアルコールで消毒するようになりました。
その結果?手荒れのひどい大勢の子供達が皮膚科におしかけ、ハンドクリームはバカ売れ…!
アルコールはウイルスのタンパク質を壊すだけでなく、使用者の皮膚に対してもダメージをあたえます。必要な皮脂を奪って、手荒れをおこすので、かえって、緑濃菌など細菌やウイルスが侵入しやすくなってしまうのです!
また、アルコールを使う場合、その場所(あるいは手・指)が十分に乾燥していないと効果はありません。濡れた手にアルコールをシュシュやっても意味なし!
手荒れの心配がまったくなく、対象物が水分をふくんでいても、ウイルス除去に力を発揮してくれるのがHOCL水です。
HOCL水でウイルスも根こそぎカット
第4世代の次亜塩素酸(HOCL)水は、アルコールで除菌できないウイルスから最強の芽胞まで、すべてのウイルス・細菌・カビなどを瞬間除菌。超強力な作用をもちながら人体にまったく無害。肌荒れの心配も一切ない(むしろシットリする)画期的な除菌・消臭水です。
HOCL水をつくるには、フィティカルHOCLパウダーを水に溶かして使用するだけ。スプレーボトル500mlの水に溶かし、玄関に置いておき、外出先から戻るたびに全身、持ち物などにスプレーして、付着したウイルスをしっかり除菌。部屋内に菌やウイルスを持ちこまないようにするのがおすすめ。超音波噴霧器を使用すれば、広範囲にわたる室内空間に浮遊する細菌やウイルスの撃退など、オールマイティに使えます。
※HOCL水の噴霧の効果が確認されています。
HOCL水は、除菌・徐ウイルス後は瞬時に水にもどるので残留性はなく、ベタつくなど、環境を汚すこともありません。しかも、強力な瞬間消臭力もあわせもっています!(そして、めっちゃ経済的!スプレーボトル使用時で9円。噴霧用水を4ℓつくっても、わずか36円!)
適度な湿度はインフルエンザ予防に欠かせない
冬場は室内外の空気がとても乾燥しやすくなります。空気が乾燥(湿度40%以下)すると、鼻や喉の粘膜が乾燥して防御機能が低下し、ウイルスが体内に侵入しやすくなります。また、インフルエンザウイルスは低湿度の環境で長時間浮遊しやすく、感染リスクが高まります。
逆に湿度が高すぎると(60%以上)、カビやダニの発生が促進され、逆に健康を害する原因になってしまいます。そのため、湿度は適切な範囲内に保ち、粘膜の防御機能の維持をはかりましょう。
◆室内環境での湿度のポイント
・加湿器や濡れタオルを使用して、湿度を適切に保つ。
加湿器を使用する場合、超音波加湿器に、HOCLパウダーを溶かして使用すれば、防御効果はさらにアップ。
・湿度を確認するために、湿度計を活用する。
・適度な換気をおこない、空気を入れかえることで湿気がたまりすぎないようにする。
湿度を40~60%の範囲に保つことで、ウイルスの感染リスクを減らし、粘膜の防御機能を維持することができます。この環境をつくることが、インフルエンザ予防の効果的な対策の一環となります。
インフルエンザ予防の基本は、ウイルスとの接触を避けることですが、同時に高い免疫力をキープすることが、非常~に重要になります。
身体を守る免疫の仕組み
私たちのまわりの環境あちらこちらに、ウイルスや細菌、カビなどの外因性微生物が棲息しています。これらに簡単に感染する人も、しない人もいます。感染しても、すぐに快復する人も、重症に陥ってしまう人もいます。この差こそ、免疫力の違いです。
自然免疫と獲得免疫:免疫システムの働き
免疫とは、体内に侵入した異物や病原体から身体を守る防御システムです。外部の脅威に対して、私たちの身体に備わった免疫は、大きく分けて2つの働きをもっています。それは、「自然免疫」と「獲得免疫」です。
「自然免疫」は、体内に病原体が侵入した際、最初に働く防御システム。たとえば、皮膚や粘膜は物理的なバリアとして病原体の侵入を防ぎます。また、侵入したウイルスを白血球の仲間であるマクロファージや好中球といった免疫細胞が速やかに攻撃し、増殖を抑える役割を果たします。この自然免疫は、身体が生まれながらに持っているシステムで、迅速な対応が特徴です。
一方で、自然免疫が、“敵”を抑えきれなかった場合には、「獲得免疫」が働きます。獲得免疫は、ウイルスや細菌に対して特異的に反応する免疫システムで、B細胞やT細胞(これらも白血球)といった免疫細胞が中心となります。
B細胞は抗体をつくり、ウイルスを無力化します。一方、T細胞は感染した細胞を直接攻撃する役割を担います。さらに、獲得免疫には「記憶」があり、一度感染した病原体に対して次回以降迅速に対応できる特徴があります。これが、ワクチン接種による予防の原理にもつながっているのですね。
免疫システムを支える生活習慣
免疫システムが適切に機能するためには、健康的な生活習慣が大切です。
免疫力が低下すると、自然免疫の反応が鈍り、獲得免疫の形成も遅れるため、感染のリスクが高まります。たとえば、精神的なストレスはもちろん、睡眠不足や栄養素不足などは、免疫機能を弱める大きな要因となります。
インフルエンザ予防/対応においては、免疫力を高めることがウイルス対策の基盤となります。免疫の仕組みを理解し、それを支える生活習慣を心がけることが、自分自身を守る最も効果的な方法といえるでしょう。
免疫力を高める栄養面からのアプローチ
インフルエンザ感染を予防するばかりか、もし、感染してしまっても、すぐに回復するような身体をつくるには、免疫機能を整える栄養素を意識した食生活が欠かせません。
免疫力の活性化には、身体に必要な栄養素量が十分に確保されている必要があります。特定の栄養素が不足すると、免疫システムの働きが鈍り、インフルエンザウイルスに対する抵抗力も低下します。
生体がウイルスや細菌といった病原体の侵入を感知すると、体内ではさまざまな物質がつくられ、白血球が活性化するなどして、病原体に対する感染防御システムが作動します。なかでも、ウイルス感染に対する初期防御反応において重要な役割を果たすのがインターフェロンです。インターフェロンが体内で十分つくられるためには、高タンパク食と多量のビタミンCが必須です。
タンパク質
免疫細胞を構成する基盤となる栄養素です。十分なタンパク質摂取がないと、免疫系の働きが弱まり、感染症に対する抵抗力が低下します。魚、肉、卵、大豆製品など、動物性と植物性タンパク質をあわせて、日々十分にとりいれることが重要です。
1日に必要とされるタンパク質の量は1.2~1.5×体重(kg)。体重が50キロなら60~75グラムの良質タンパク質が必要です。食事から良質のタンパク質を十分に確保するのは難しいので、(植物性プロテインでなく)ホエイプロテインアイソレートを1日1回は飲むようにするといいでしょう。
消化にトラブルを抱えている人は、消化酵素サプリメントと一緒に摂取するか、フルブレンドのアミノ酸を選択してください。
ビタミンC
免疫細胞の活動をサポートする抗酸化作用をもつ栄養素です。とくに白血球の機能を高める働きがあり、感染症に対する防御力を向上させます。ビタミンCの多い柑橘類やキウイ、ブロッコリー、赤ピーマンなどの摂取はもちろんのこと、ビタミンCのサプリでもしっかり補いたいもの。
インフルエンザが流行るシーズンには、1日2000~3000㎎を分けて摂取するようにするのがおすすめ。また、のどの痛みや咳、鼻水などが出はじめたら、迷うことなく、すぐにビタミンCフラッシュを実践しましょう!
インフルエンザにかかってしまったら、1日何回かに分けて5,000~20,000mgを摂取し、週に1回は、ビタミンCフラッシュを。
高タンパク食+ビタミンCをベースに、免疫機能のサポートに重要な役割をはたす、そのほかの栄養素も忘れてはなりません。
免疫に重要な、そのほかの栄養素と食材
ビタミンA:
皮膚や粘膜など、病原体が体内に侵入するのを防ぐバリア機能を健康に保つために不可欠です。また、ビタミンAは、自然免疫の働きのサポートや、獲得免疫の機能にも関与。さらに、腸内免疫の維持や、感染症に対する抵抗力の向上にも必須。ビタミンA抜きでは免疫は語れないのです!
ビタミンAのサプリは、決して活性型を使用しないこと。直接細胞膜→細胞核に入ることができるため、副作用をひきおこします。かならず、非活性型を選択するように。通常1日5,000IU~10,000IUですが、インフルエンザにかかった時には、15,000IUがすすめられます(妊娠中は、一日10,000IUを越えないこと)。
ビタミンD:
自然免疫と獲得免疫の両方を調整する重要な役割をもちます。ビタミンDが不足すると感染症にかかりやすくなることが知られています。魚(サケやサバ)や卵黄、キノコ類にふくまれるほか、日光を浴びることで、体内で合成されるため、適度な日光浴も推奨されます。サプリメントを摂取する場合は、ビタミンA同様、非活性型を。
亜鉛:
免疫細胞の生成や機能を助けるミネラルで、不足すると感染リスクが高まります。特に風邪やインフルエンザの予防として注目されています。通常の1日摂取量は、15㎎から30㎎程度です。
インフルエンザが流行っているときなどには、亜鉛トローチを身近に用意しておき、初期症状が出はじめたら、1粒15㎎のトローチを2日間、2時間おきに舐めます。その後は、症状に応じて1日80㎎以下に減らします。
なお、亜鉛を摂取するときには一緒に柑橘系のフルーツやジュースを飲まないでください。亜鉛の効果を軽減してしまいます。
注意!感染時には、鉄サプリの摂取はNG。
プロバイオティクス:
免疫細胞の60~70%は腸内にあり、その働きは腸内フローラによって大きな影響をうけます。したがって、腸内環境を整え、腸内フローラを健全に保つことも、体全体の免疫力を高めるうえで欠かせません。ヨーグルトや発酵食品(納豆、味噌、キムチなど)、プロバイオティクスなどを積極的にとることで、腸内の善玉菌を増やすことが期待できます。
腸内環境に関しては、下記の記事もご参考に。
⇒腸内環境を改善する具体的アプローチ
⇒腸内環境の悪化で腸もれ!?~
栄養面から免疫力をサポートすることは、インフルエンザ予防や早期回復のために非常に効果的です。ただ、ここにあげた栄養素の何か1つ、2つとればいい、ということではないのは、いうまでもありません。栄養素はお互い影響しあいながら効果を発揮するものです。
毎日の食事でこれらの栄養素を意識的に摂取するとともに、サプリでの摂取も考慮することで、身体の防御機能を強化し、ウイルスに対する備えを万全にすることができるのです。
生活習慣の改善で免疫力をサポート
免疫系はウイルスをはじめとする外部からのインベーダーと戦い、私たちの身体を守っています。でも、そのパワーはつねに良好に維持されているわけではなく、さまざまな要因で低下します。
免疫力の維持、または、高めるためには、適切な栄養摂取だけでなく、生活習慣全体を整えることが重要です。ストレス管理、睡眠、運動をはじめとする日常の要素が免疫機能に大きな影響をあたえるので、一つ一つ意識的に改善していくことが、インフルエンザ予防にもつながります。
ストレスを管理する
慢性的なストレスは、免疫機能を抑制するホルモンであるコルチゾールの分泌を促進します。その結果、感染症に対する抵抗力が低下し、インフルエンザなどの感染リスクが高まります。
ストレスを適切に管理するためには、日々のリラクセーションの時間を確保することが大切です。深呼吸や瞑想、趣味に没頭する時間を作ることがストレスの軽減に役立ちます。適度な運動も、ストレス軽減に役立ち、新進の健康を維持する助けとなります。
★適度な運動をとりいれる
運動は血液循環を促進し、免疫細胞を全身に効率よく運んでくれます。適度な運動は免疫機能を高める効果がある一方で、過度の運動は逆にストレスを生じさせ、免疫を低下させます。ウォーキングやヨガ、ストレッチといった軽い運動を日常にとりいれることで、身体の防御機能をサポートできます。
⇒運動でストレス解消!身体と心/メンタルに効果的な運動の種類、適切な強度や継続時間
★十分な睡眠を確保する
睡眠は、免疫システムを正常に機能させるための基本です。睡眠中には、免疫細胞の活動をサポートするホルモンや物質が分泌され、感染症に対する防御力が高まります。睡眠不足は免疫力を低下させる要因となり、インフルエンザや風邪にかかりやすくなるため、1日7~8時間の質の良い睡眠を確保することが理想です。就寝前に、スマホやパソコンを避け、リラックスできる環境を整えるなどの工夫が効果的です。
⇒睡眠の質をあげるための習慣、睡眠環境、食べ物/飲み物&ストレスケア
★規則正しい生活を心がける
生活リズムの乱れも身体にとってはストレスで、免疫力低下の一因です。一定の時間に起床し、食事や睡眠のリズムを整えることで、体内時計が正常に機能し、免疫システムの働きも安定します。夜更かしや不規則な生活習慣を避け、毎日のルーティンを意識することからはじめてみましょう。
生活習慣を見直し、改善していくことは、ストレスケアにもなりますし、全体的な健康状態は向上。白血球(免疫細胞)もフルパワーで働けるようになります♪
身体を冷やさない
インフルエンザの症状が軽くすむか、重症化するかは、白血球のパワー次第。そして、そのパワーに大きく影響するのが体温です。身体を冷やさないことは、免疫力の維持/向上において重要なポイントです。
体温が1℃下がると免疫力が30%低下するといわれています。
逆に体温が上がると、免疫機能に重要な役割を果たし、細胞の修復作用もあり、すべての細胞に存在する「ヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)が増えることもわかっています。
日常生活のなかで、身体を冷やさないように意識することで、感染症予防に大きな効果が期待できます。
インフルエンザにかかった場合の対処
自宅療養中の注意ポイント
なんといっても予防が一番ですが、万が一インフルエンザに感染してしまった場合、早期の対応が症状の悪化を防ぎ、回復を早める鍵となります。発熱、倦怠感、筋肉痛や関節痛といった典型的なインフルエンザの症状があらわれたら、まず、無理をせず安静にし、体温の測定や、症状の記録をするようにしましょう。
十分な休息:
身体を休めることで、免疫システムがウイルスと戦いやすくなります。無理をして日常生活をつづけると、病状が悪化する可能性大です。
十分な水分補給:
発熱による脱水を防ぎ、体内の浄化を助けるために、十分な水分補給をしましょう。とくに、生ジュース、ハーブティー、スープ、浄化した水をしっかりとるように。インフルエンザの期間短縮のためには、1~2日間の「液体絶食」がおすすめ。この期間は、温かなハーブティーとブロス(たっぷりの水で骨付き肉、野菜を煮込んでつくった液体)のみで過ごします。
インフルエンザにおすすめのハーブティーとしては、定番のペパーミントティー、ジンジャーティー、ローズヒップティーのほか、エルダーフラワーティー、ヤロウティー、タイムティー、リコリスルートティーなどがあります。1日数回、温かい状態でゆっくり飲むように・・・。
栄養補給:
食欲がない場合でも、消化の良い食事を少量ずつ摂るようにします。とくにチキンスープは、できるだけ食べるようにしましょう。少し赤唐辛子を加えることで、鼻づまりを和らげてくれますし、痰や粘液を緩めるのを助けてくれます。
解熱剤の服用には注意:
熱が高くなるのは、身体を守るための一過程ですので、解熱剤はむやみに使わないこと。かならず、医師や薬剤師に相談してからにしてください。
医療機関の受診
インフルエンザ患者の急増で、医療機関はひっ迫状態。軽い症状で受診は控えるべきでしょうが、下記の症状がでている場合は、早急に医療機関の受診が必要です:
・38℃以上の高熱がつづいている
・息苦しさや呼吸困難がある
・意識レベルの低下や混濁がある
医療機関を受診する際には、事前にかならず電話をして、入り口などの確認を。また、周囲への感染を防ぐためにマスクを着用し、できるだけ公共交通機関を避けます。体温測定、症状の記録の持参も忘れずに。
まとめ
インフルエンザは毎年多くの人に影響を及ぼす感染症ですが、適切な知識と予防策を実践することで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
- 高熱や全身の倦怠感を伴うインフルエンザは、風邪とは異なり、重症化するリスクが高いため、早期の認識が重要。
- 手洗い、マスク着用、適切な湿度管理といった基本的な衛生習慣/予防策の徹底が感染リスクを低減する。
- 免疫力の維持/向上がウイルス防御の基盤となる。栄養面では、感染対策に必須の栄養素を食事とサプリメントなどから確保。ストレス管理、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、身体を冷やさないことも重要。
- 自宅療養中は、十分な休息と水分&栄養素を補給。高熱がつづく、呼吸困難、意識障害などがでた場合は、すぐに医療機関の受診を。
インフルエンザに対する対策は、一人ひとりの意識と行動が鍵となります。日常生活の中で予防策をとりいれ、体調を整えることで、ウイルスに対する備えを万全にすることが可能です。家族や社会全体の健康を守るためにも、これらの情報を活用し、インフルエンザシーズンを健やかに過ごしましょう!
あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。