ホリスティック栄養学とストレスケア

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夏の疲れに抗酸化力が効く!細胞から若返ろう!!

夏の疲れに抗酸化力が効く!細胞から若返ろう!!

10月にはいり、やっと秋らしくなりましたね。記録的な暑さにつづいての、思いのほか長かった残暑。この夏、無防備に3倍速で老化を促進させてしまったのでは?

前回の記事で、コラーゲンは活性酸素によって分解されると書きましたが、強い紫外線を浴びると、活性酸素の発生により、シワやたるみ、シミなど、皮膚の老化に拍車をかけます。でも影響をうけるのは皮膚だけではありません。

夏の暑さや厳しい残暑、そして、季節の変わり目の寒暖差は、あなたが思っている以上に、身体にとっては大きなストレス。ストレス時には、活性酸素が暴れまわり、体内に深刻なダメージをもたらします。夏から秋にかけては、ほかの季節以上に、皮膚の老化とともに、体内の老化が加速しているといってもいいのです。一日も早く、細胞レベルから若返りを図りましょう!

 

ダメージの主犯は、「活性酸素」

ダメージの主犯は、「活性酸素」

ストレス時ほか、さまざまなシチュエーションにおいて、あなたの体内で凶悪な物質が暴れまわります。その物質とは、「活性酸素」。過食やアルコール摂取、激しい運動などでも発生する活性酸素は、体中の細胞膜をさびつかせるばかりか、細胞内の遺伝子DNAまで傷つけます。

活性酸素はこんな時に発生

まず、どんなときに活性酸素が発生するのかを見ておきましょう

1. 細胞内でエネルギーがつくられるとき
2. 細菌やウイルスに感染したとき
3. 身体のどこかに炎症をおこしているとき
4. 薬物代謝がおこなわれるとき (医薬品ばかりでなく、食品添加物や残留農薬、環境汚染物質ほかも)
5. 手術などで、血液が一時的に遮断され、再び流れはじめたとき 
6. 怒り、悲しみ、恐怖、不安などのストレスをうけたとき
7. ステロイドホルモンの合成時/分解時
8. 紫外線、放射線(レントゲン)、電磁波を浴びたとき
9. コレステロール合成、胆汁酸の合成時
10. 過剰な食事、アルコール摂取、喫煙したとき
11. 激しい運動をしたとき
12. ジェット機で飛行するとき
13. こげた肉や魚、くん製食品、魚の干物、インスタントラーメン、マーガリンなどの食品を食べたとき
14. 車の排気ガス、粉塵、アスベスト、光化学スモッグ、パラコート(除草剤)トリハロメタン(水道水にふくまれる)に接したとき

などなど・・・。

こうみてくると、わかるとおり、生きているかぎり、体内では活性酸素が発生しつづけるのです。

活性酸素には、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、スーパーオキサイド、過酸化水素などの総称で、大きくわけて4種類あります。

さらに枠をひろげると、自動車の排出ガスなどにふくまれる一酸化窒素や、光や空気などにさらされて劣化した油にふくまれる過酸化脂質なども活性酸素の仲間といえます。

活性酸素には、ウイルスや細菌などの病原体が侵入してきたときに、それらを強い酸化力で攻撃する重要な役割があります。

ところが、細胞が活性酸素に長時間さらされると、鉄くぎがさびつくのと同じように酸化(老化)が進み、シミやシワができるなどの目に見える老化現象のほか、膝など関節が痛んだり、体内のあちこちにガタがでてきます。

活性酸素の怖さはそれだけではありません。日本人の3大死因の、ガン、心筋梗塞、脳卒中などのほか、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病も、活性酸素が関わっていることが知られています。

身体のなかも、さびるの?

「活性」とは、「活発な」ということですが、酸素が活発ということは、強い酸化力をもっているということ。切ってからしばらくするとリンゴが茶色くなるのも、油が酸化したり、放置してある鉄製品が空気中の酸素に触れてさびるのも、酸素が「酸化」というイタズラをするから。

同様に、私たちの体内も活性酸素の悪業によって酸化します。酸化=さびるということで、「活性酸素は体内をさびさせる」という表現がよくつかわれます。鉄がさびるのは理解できても、人間がさびるなんて、ピンとこないでしょうね。活性酸素の破壊活動はミクロの世界のできごと。直接目に見えるわけではないので当然です。

もっとも活性酸素の攻撃をうけやすい細胞膜

ダメージの主犯は、「活性酸素」

つかい古して時間のたったテンプラ油(調理用油)は、酸化することで黒ずみ、日に日にドロドロになり、イヤな臭いがでてきます。活性酸素は体内の脂質にも同じような影響をおよぼします。

人間は細胞がたくさん集まってできていますが、その細胞膜は、なんと!テンプラ油と同様の不飽和脂肪酸でできています。実は、体内でもっとも活性酸素の攻撃対象となりやすいのが、この細胞膜を構成する不飽和脂肪酸なのです。活性酸素に攻撃されると、不飽和脂肪酸は、悪玉酸素の仲間入りをして、次から次へと脂質を酸化させていきます。

活性酸素の悪行

活性酸素は脂質だけではあきたらず、細胞のタンパク質や酵素を傷つけたり、結合繊維をクロスリンクします。クロスリンクというのは、タンパク質の分子がたがいに結合して、がんじがらめの構造にすること。細胞本来の働きがそこなわれ、体全体の老化がすすみます。健康はもとより、生命維持は一つ一つの細胞の働きに依存しているので、細胞が酸化されれば、生命が根底から揺さぶられることになるわけです。

酵素が酸化したら、生体内の重要な働きがストップ、あるいは代謝に問題がでてくるでしょう。遺伝子DNAが酸化/ダメージをうければ、遺伝情報が狂ってしまい、本来の仕事と違うこと、つまり本来つくるべきタンパク質ではないものをつくりはじめ、突然異変をおこしたりします。これが、ガンなどの発生につながるのです。年齢とともに容ぼうが衰え、病気にかかりやすくなるのも、活性酸素が深くかかわっているのです。

脂質の酸化を代表とする活性酸素によるあらゆる反応は、細胞を破壊し、組織や器官をサビつかせ、遺伝子を傷つけ、血管障害、心臓病、脳疾患など、それこそ全身の細胞に連続的にダメージをあたえます。ダメージをうけた細胞は生まれ変わるときにミスコピーがおきやすくなり、老化に拍車がかかることに…。

四六時中体内で発生する活性酸素の害から自分の遺伝子、そして細胞を守るには、活性酸素の酸化過程にうまくブレーキをかけていくしかありません。それができれば、さびついていく臓器、固くなっていく組織の被害を最小限にくいとめることができます。老化のスピードは確実にスローダウンし、人によっては若返り現象を経験することになります。

活性酸素防御システムが身体を守ってくれる

ダメージの主犯は、「活性酸素」

活性酸素は、四六時中、私たちの細胞を襲いつづけています。凶暴な活性酸素を体内にのさばらせておくことは、生命体にとって極めて危険です。そのため、私たちの身体には、活性酸素防御システムが備わっており、活性酸素を除去するさまざまな物質が用意されています。

活性酸素の悪事は「酸化」ですから、酸化を防ぐ物質ということで、すべてひっくるめて「抗酸化物質」とよびます。

私たちの身体の37.2兆におよぶすべての細胞に用意されている活性酸素を除去する代表的な抗酸化物質といえば、SOD (Super Oxide Dismutase) という酵素。SODはスーパーオキサイドという常に体内で発生している活性酸素を多少酸化力の弱い別の活性酸素に変えます。それを今度は、別の酵素(カタラーゼおよびグルタチオンペルオキターゼ)が完全に無毒化してくれます。

もっとも強力な一重項酸素やヒドロキシルラジカルをやっつけてくれるのは尿酸ビリルビン。これら生理的生産物は、総力をあげて私たちの身体を活性酸素から守るため、身体に常備されています。

抗酸化物質は、さまざまな酵素やタンパク質、ビタミンやミネラルを総動員して、活性酸素が発生するとたちまちこれを消してしまうように働いてくれます。でも、これらだけでは、万全といえません。 

ストレス時など、活性酸素が急激に多量発生すれば、抗酸化物質の生産は追いつきません。さらに、40歳を過ぎると抗酸化物質の体内での生産力は半減するといわれます。ですから、なるべく自分の生活のなかで活性酸素が発生しないように心がけると同時に、食品やサプリメントから抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取する必要があるのです。

体内防衛力を高める栄養条件を整える

体内でつくられる活性酸素除去物質を外部から直接補うことはできません。しかし、体内でつくられる抗酸化物質の働きを強めたり、体内での合成が滞ることがないよう、栄養条件を整えることは可能です。

いずれの活性酸素除去酵素の基礎となる部分はタンパク質なので、普段から良質のタンパク質を十分に摂取していることが大切です。また、加齢とともに消化能力は衰えますから、確実な吸収のために消化酵素の補助も必要でしょう。

十分なタンパク質摂取とともに、活性酸素除去物質を体内で必要なだけつくりだすには、酵素と一緒に働く、マンガン、銅、亜鉛、鉄などのミネラル類も必要です。こうした補酵素(ミネラル)が不足すると、活性酸素除去の効率は著しくダウンします。ちなみに、これら補酵素を兼ね備えた食材には、かき(貝)、ごぼう、サツマイモ、ジャガイモ、ホウレン草、海藻などがあります。

外部からとりいれる抗酸化栄養素 

ダメージの主犯は、「活性酸素」

活性酸素に対する防衛システム(体内でつくる抗酸化物質)があるとはいえ、それだけで活性酸素の攻撃から完全に身を守ることはできません。そこで、外部、つまり、食品やサプリメントから抗酸化栄養素を補う必要がでてくるのです。

外部から積極的に補うことができる抗酸化物質もいろいろあります。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、セレニウム、核酸、さらに、カロテノイド、ポリフェノールなどのフィトケミカル(植物成分)です。健康的な食生活とともに、これら栄養素をサプリメントで補うことは、若さを保つだけにとどまらず、細胞からの若返りを図ることにもつながります。

ビタミンCの多量摂取で活性酸素をやっつけろ!

抗酸化栄養素として、まっ先に確保を考えるべきビタミンといえば、ビタミンCです。体内で多量に発生するスーパーオキサイドを消去するだけでなく、毒性の強い活性酸素が生成されるのを阻止してくれます。また、ビタミンEの効力をよみがえらせ、活性化させるという重要な役割をもっています。

厚労省は男女とも1日100㎎の、ビタミンCを推奨しています。しかし、大気汚染、水質の問題、電磁波、紫外線量の増加、ストレスなど活性酸素が発生する要素があふれている現代社会では、このビタミンC量では、あまりにも少なすぎます。

ビタミンCは抗ストレスビタミンとしても知られていて、非常に高い抗酸化力をもっているばかりか、コラーゲンづくりほか、多くの代謝に関わっているため、ホリスティック栄養学では、1日1000mg~3000mgの摂取をすすめています。活性酸素の発生が多いとき、ストレスなどで消耗度が高いときには、この何倍も摂取すべきケースもあります。ビタミンCの多いくだものや野菜を摂取するだけでは、これだけのビタミンCを確保するのは絶対に無理です。だからこそ、ビタミンCサプリは、“必須”といえるのです。

ビタミンCは、一度に大量にとっても吸収されずに排泄されてしまいます。体内のビタミンCを高いレベルで体内に保持するためには、3~4時間おきに500~1000㎎の摂取が効果的です。ケガをしたとき、風邪をひいたときなど、活性酸素が暴れまわる事態が発生したときには、1時間おきの摂取がすすめられます。
私のおすすめのビタミンC

ビタミンEも、かならず一緒に

ビタミンEは、とびきり狂暴な、一重項酸素およびヒドロキシルラジカルに対し、消去剤として働きます。ビタミンCが水溶性で、体液中で働くのに対し、ビタミンEは脂溶性で、生体膜中に局在して、生体膜中の活性酸素消去にあたります。

活性酸素は細胞膜の脂質を攻撃。つぎつぎに過酸化脂質をつくりだしていきますが、ビタミンEは油層で過酸化脂質の連鎖反応に素早くストップをかけてくれます。

ビタミンEは、日常の食品でいえば、アーモンドと小麦胚芽油に多くふくまれます。サプリメントでとる場合は、かならずラベルを確認し、天然のビタミンE(d-αトコフェロール)を選ぶようにしましょう。また、αトコフェロールだけでなく、ガンマ、デルタ、ベータ、それぞれのトコフェロールがふくまれている製品を選べればベストです。なお、サプリメントには、合成のビタミンE(dl-αトコフェロール)がつかわれているケースも多いので要注意です。
私のおすすめ

ユビキノン(CoQ10)-ビタミンEに負けない抗酸化力

ミトコンドリアでのエネルギーづくりにおける酵素チームの重要な一員でありながら、抗酸化作用もあります。それもビタミンEに劣らない抗酸化力をもっています。生体膜に入れるので、ビタミンCが入りこめない場所でのビタミンE救済もうけもちます。CoQ10は体内で合成できますが、状況によっては不足します。供給源は、肉類や魚、卵、大豆などですが、サプリメントも多くでまわっています。

抗酸化に重要な役割をもつミネラル

◆セレニウム
抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼはセレニウムを抱えこんでいます。十分なセレニウムがないと、この抗酸化酵素の活性も低下し、過酸化脂質の量が増加してしまいます。セレニウムはビタミンEの有効活用もたすけます。

◆亜鉛
亜鉛の抗酸化物質としての主たる働きは、過酸化脂質の産生防止です。そのほかにも、抗酸化作用、抗酸化物質のサポート作用があります。それらは、① SODと一緒に活性酸素の除去剤として働く、② タンパク質の一種であるメタロチオネインを体内でつくる(これが活性酸素を除去する)、③ 血液中のビタミンEのレベルの維持、④ ビタミンAの吸収促進。

亜鉛は、体内で何百という代謝に関わっていますので、決して不足させてはいけないミネラルの一つ。サプリメントで摂取する場合、通常1日、15㎎~30㎎を補うようにします。どんなに多くとったとしても、100㎎を超えないように。

抗酸化+ダメージの回復にDNA核酸

遺伝子DNA(タンパク質づくりのための設計図)が活性酸素などによってある程度傷つくと、細胞自体は死に、その分、新陳代謝によって新しい細胞がつくりだされます。損傷が少ない場合は修復がおこなわれますが、この新陳代謝や修復のために必要なのが、核酸です。

核酸は体内で生成できることから、長年、食事やサプリメントで補う必要はないとされてきました。ところが、食品から核酸をとることで、肝臓に負担をかけることなく、不足しがちな核酸を補い、新陳代謝を活発にできることが解明されました。核酸には非常に強い抗酸化力があり、活性酸素の害から遺伝子を守るばかりか、ダメージをうけた遺伝子の修復にも役立つといわれます。

核酸食品のなかでも、とびぬけて核酸の含有量が多いのがサケの白子で、フグの白子ビール酵母がそれにつづきます。とはいえ、日常でこれらを毎日食べることはできないので、サプリメントをうまく活用したいですね。

フィトケミカル(植物成分)は、頼もしい抗酸化物質

おもに植物にふくまれ、さまざまな生理作用がある化学物質で、野菜や豆、芋類、海藻類などの色素やアク、香、苦みなどの成分を、まとめてフィトケミカルといいます。

植物の多くは、強い日光を浴びて生きていかなければなりませんが、紫外線は大気中の酸素を活性化して活性酸素をつくります。また、植物体内での代謝でも、活性酸素の発生をともなうものがいくつもあります。植物は常に活性酸素に脅かされているので、みずから活性酸素除去に働く抗酸化栄養素を多くつくりだしています。

カロテノイド・キサントフィル類やポリフェノール類などは、植物が用意している生理活性物質。その種類は、とてつもなく多いのですが、そのなかには各種活性酸素に対するスカベンジャーもあり、過酸化脂質を分解する物質もあり、そうした作用とは関係のない物質もあります。フィトケミカルのなかでも、カロテノイド一族の強い抗酸化力はよく知られます。

もちろんポリフェノールの抗酸化力も有名ですね。たとえば、ぶどうの種子エキスにふくまれるポリフェノールの一種、プロアントシアニジンは、活性酸素除去作用がビタミンEの50倍、ビタミンCの20倍といわれます!

フィトケミカルの摂取は、あまり難しく考えず、食卓をなるべくカラフルにすること。つまり、色あざやかなくだものや野菜類を多くとりいれたメニューを考えるようにすれば、さまざまなフィト栄養素の恩恵をうけることができます。

フィトケミカルについては、こちらの記事をお読みくださいね。

jhna-stresscare.info

最後に

この夏、これまでお話ししてきた抗酸化栄養素の摂取が少なかったあなたは、お肌はもちろん、体内の老化が進んでしまっているかもしれません。夏バテ症状もでていることでしょう。でも、今からでも遅くありません。適切な抗酸化ケアをすることで、時間を巻きもどすことができるのですから…♪

生きている以上、活性酸素が発生することを完全に防ぐことは不可能です。しかし、極力発生しないように気をつけていくことは、誰にでもできます。

紫外線を極力さける、激しい運動をさける、暴飲暴食やアルコール摂取をひかえる、睡眠をしっかりとる、なるべく平常心をたもち、怒ったり、イライラしないようにするなどは普段から心がけられること。

そして、酵素、ビタミン、ミネラル、核酸などの抗酸化栄養素の摂取につねに気をくばり、細胞破壊や遺伝子の損傷を未然に防ぐことです。運動をするなど、活性酸素多量発生の可能性があるときには、まえもって抗酸化栄養素を通常の2~3倍量とるようにするといいでしょう。

それでも損傷を防ぎきれなかったら、核酸+ビタミンCの多量摂取で遺伝子の修復をしていく・・お肌はもちろん、体内から若返るために、細胞レベルからのケアがおすすめです。

あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーでいられますように (^^♪