パラベンは
気にすることないの?
健康情報は歪められている 第一弾
PART 2
食品にしろ、肌につけるものにしろ、製品にどのような添加物が含まれているかを常に意識し、チェックすることは大変重要なことです。ただ、それぞれのメーカーがそれぞれの立場で好き勝手なことをいいますので、何が良く、何が悪いのかを正確に知るのは難しく、情報も入り乱れ、多くの方が混乱なさっていると思います。化粧品類によく使われ、誤解も多い「パラベン」について、見ていくことにしましょう。
天然素材は腐りやすい
パラベンは、化粧品やシャンプーばかりでなく、ドリンク剤、食品などにも使われている防腐剤です。安全性が高いとはいえ、口に入れるものでの使用は首を傾げてしまいますが、皮膚に塗る、あるいは洗い流すものの使用に関しては、あまり神経質になる必要はありません。
防腐剤である以上、そこに発生する雑菌を殺すものですから毒性は当然あります。防腐剤を使わずに製品を作れればそれに越したことはありません。しかし、生のジュースをテーブルに置いておけばすぐに腐るように、天然素材にこだわれば、「腐りやすい」という事実に直面します。法律上、化粧品(シャンプーなども含む)は3年間の品質保証期間が必要です。なんらかの保存料、防腐剤を使わざるを得ないわけです。そこで変質や劣化を防ぐため、防腐剤として何を選ぶかが問題になってきます。
パラベンは、非常に広範囲の微生物に有効であり、他の防腐剤に比べ、はるかに毒性が低く、皮膚刺激や過敏症なども少ないとされています。現時点では、もっとも安全な防腐剤でもあるため、多くの化粧品類に使われています。パラベンを使っていなければ、たとえ表示されていなくても、それに変わる抗菌剤、防腐剤が必ず使われているということでもあります。
薬事法で表示が義務づけられている指定成分は102種類あり、パラベンもこの一つです。しかし、「指定成分だから危ない」「指定成分以外なら安全」とはいえません。
刺激がなく安全性も高いという成分は、抗菌力が弱いというマイナスがあります。
パラベンより刺激が少なくても、抗菌力が3分の1では、雑菌の繁殖を抑えるためにパラベンの3倍量配合する必要が出てきます。すると、逆に刺激はパラベンより強くなってしまいます。
「無添加」は無添加ではない
「無添加の化粧品を作ることに成功しているメーカーがあることを考えれば、(パラベンを使っているメーカーは)真面目に取り組んでいない言い訳」をしていると、あるホームページに書いてありました。多くの消費者が、指定成分を使っていなければ「無添加」。表示成分が少なければ、無添加に近い「安全性が高い、いい製品」と思っているでしょう。ところがどっこいなんですヨ。
「無添加」が本当に無添加であるはずがなく、単純に「指定成分が入っていない」ということにすぎません。指定成分(102種類)以外に化粧品に使用が許可されている成分は2千7百品目もあり、そのなかには、アレルギーや皮膚障害を起こす可能性のあるものや発ガン性が疑われているものもあります。それらを使っても、指定成分さえ使っていなければ、表示義務はなし。指定成分以外の添加物を目一杯使っても、「無添加」と宣伝し、販売できるわけです。
今年の10月1日以降製造の化粧品に関しては、化粧品の添加物はすべて表示しなければならなくなりました。とはいえ、これが徹底されるまでには、まだまだ時間がかかります。
というのも、全成分の表示義務は法律的には2001年4月からと決まりましたが、1年半の猶予期間があったから。今年の9月末までに工場で化粧品類を製造していれば、これまでどおりの表示でOKなんです。極端な話、9月末までに3年間の出荷分をつくっていれば、いくら添加物を使っていようと(これまでの指定成分さえ含んでいなければ)、あと3年間は「無添加」として、販売し続けられるということなんです。
とんでもないでしょう。こういった法律の穴に業者はつけ込んで儲けようとするし、消費者は平気で騙されてしまうわけですネ。
界面活性剤が添加物を道連れにする
ところで、パラベンが化粧品で使用許可されているのは1%までです。一般流通で販売される製品の場合、何がなんでも「変質」という事態は避けなければなりません。たった1つでもそのようなクレームがあれば、全製品回収の大騒ぎになってしまいます。このため一般に販売されている製品は、0.3%〜0.7%程度のパラベンを使っているのが一般的です。
シャンプーなどには比較的多く使われますが、すぐに洗い流すため、問題になることが少ないからでしょう。フィティカル・エスティシャンプーの場合、肌にトラブルがある方、超過敏肌の方でもお使いいただけるよう、0.1%に抑えてあります。
「一つの製品には微量でも、何種類もの化粧品を同時に使用すれば総使用量は多量に、体内に吸収される量も多くなる」ともいわれます。パラベンがどうのこうのではなく、確かに一度に皮膚の上にいろいろな化粧品を重ね合わせて塗ればトラブルの原因になります。皮膚の上で様々な物質が化学反応を起こし、さらに紫外線を浴びるようなことがあれば、ダメージは致命的…。化粧品は必要最小限に止め、極力重ね塗りをしないことは、肌を美しく保つための鉄則です。ただ、「体内に吸収され〜」というのは、ちょっと違います。
皮膚には外部から異物が入り込まないように防御しているバリアーゾーンがあります。パラベンは分子が大きいため、パラベンそのものがバリアーゾーンを通過して皮膚内に入って蓄積したり、トラブルを起こすということはありません。問題は、一緒に界面活性剤が含まれている時です。これは水と油を混ぜるためのもので、乳液やクリーム類、シャンプー&リンス類に多量に使われます。
皮膚につけるもので何を一番警戒しなければならないかといったら、この界面活性剤です。バリアーゾーンを壊し皮膚に浸入するからです。しかも、強い界面活性剤は、パラベン、発ガン性物質である色素、そのほか毒性の強い添加物をすべて道連れにして、バリアーゾーンを通過してしまうのです。これがとんでもない反応を起こし、あらゆるトラブルの元になるわけです。
ちなみにフィティカル・エスティシャンプーが100%自然派界面活性剤使用にこだわるのは、こうしたトラブルを一切発生させない為の配慮です。
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