健康も、ウエイトコントロールも、体内バランスが悪ければ手に入りません。
では、体内バランスを良い状態に調整にするには、どうしたらいいの?
そのカギを握るのは、なんと脂肪酸のバランスなのです!
体に必要な脂肪をとっていないのかも
過ごしやすい季節なのに、体がだるい。ダイエットをしても、なかなか成果が出ない。このような悩みを持つ人はけっこういるものです。
その他にも、肌荒れや大人のニキビ、アレルギー症状、むくみ、重い生理痛やPMS(月経前症候群)、高血圧ぎみ、高脂血症ぎみなど、病気ではないけれど決して体調が良いとはいえないような状況ではないですか?
上記の悩みに「思い当たる!」というあなた。もしかして食の好みは、「スナック菓子やジャンクフード、ハンバーグや唐揚げ、フライ、ホワイトソースやチーズを使ったクリーミーなもの」ではないでしょうか。もしくは、本当はこうした食べ物が大好きだけど、ダイエットのために我慢しているとか…。
これらはみんな脂肪の多い食べもの。このような食べ物が好き、あるいは食べたくなるということは、体が脂肪を欲しているという証拠です。
脂肪も体に必要な栄養素だからこそ、体はそれを要求します。しかし、やみくもに食べたところで体に必要な脂肪が入ってこなければ、あなたの体は満たされず、さらに脂っこい物が食べたくなります。逆に、脂肪の種類を選んで食べることで、体に必要な脂肪が確保できれば、脂肪への欲求もおさまるはず。適切に摂取すれば「脂肪で太る」ことはないというわけ。脂肪の【質・種類・バランス】でダイエットも健康維持も思いのままなのです。
体内バランスを調整する脂肪酸
そうはいっても、「生活習慣病の引き金になる」など、脂肪にまつわる悪いイメージは払拭しきれないかもしれません。しかし、脂肪は効率的エネルギー源である一方、脂溶性ビタミン吸収を助けたり、体を構成する細胞膜の材料や、体内バランスの微調整を受けもつ物質の材料になるなど、私たちにとって、なくてはならない大切な成分です。
脂肪を構成するパーツである「脂肪酸」のなかでも、リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン酸の3種類は、食事からの摂取が必須です。これらが特に重要なのは、生体内のバランス調整に働く、ホルモンに似た物質(エイコサノイド)をつくる材料になるため。これら脂肪酸の微妙なバランスが、血圧、体温、血糖値、水分量、酸とアルカリバランスなどを調整。そのおかげで細胞環境が安定し、タンパク質づくりや代謝活動がスムーズに遂行され、最高に健康な、スリムなナイスボディづくりが可能になるのです。
体に必要な脂肪をバランスよく摂ろう!
「でも、動物性脂肪は控えるべきよね?」たしかに摂りすぎはよくありません。
しかし、右図のとおり、植物油にはエイコサノイドの原材料となるリノール酸やαリノレン酸は含まれているものの、アラキドン酸はほとんど含まれません。アラキドン酸は肉類などに多いのです。私たちの脳細胞の膜に多く存在し、記憶や学習にも重要な働きをしますから、体や脳の健康そして若さの維持にも、適切な摂取は不可欠です。
ちなみに、グループ1とグループ3のエイコノサイドは同じ働きを、グループ2はその正反対の働きをして、デリケートな生体内のバランス制御に働きます。3種類の脂肪酸の摂取バランスが悪ければ、生体機能の調整ボタンが誤った方向へ押されつづけることになり、血液が固まりやすくなったり、異常にむくみやすくなったり、体のあちらこちらに支障が出てくることになります。

現代人が脂肪過多だといわれるワケ
「現代人はリノール酸を摂りすぎているので、EPAの摂取にだけ気をつければいい」とよくいわれます。EPAは不可欠な脂肪酸ですが、それだけに気をつけていればOKというわけではありません。EPAは第3グループのエイコサイドの原料となる脂肪酸で、アジ、サバ、イワシ、マグロなどに多く含まれます。イワシなら中ぐらいの大きさを2尾、サンマなら大きめを1尾、マグロトロなら50g程度は日々食べるようにしましょう。
魚が苦手であれば、シソ油やアマニ油を1日大さじ1杯の摂取を。ただし、これらの油は、とても酸化しやすいので加熱料理に使わないこと。購入するときには、すぐに使い切れる小さな黒いボトル(日光遮断)で、生産日の新しいものを選びましょう。
第2グループの原料となるアラキドン酸は、厳密にはリノール酸を材料にして人間の体内でつくり出すことができます。しかし、その量が限られているため、食事から摂取し、補う必要があります。動物性の脂肪は酸化しにくく、アラキドン酸の大切な供給源ですので敬遠せず、適量の摂取を心がけてください。
現代人がリノール酸を摂りすぎているのは、たしかです。ところが、体内で、特定の代謝過程を経て第1グループのエイコサイドの原料となる最初のステップで、つまずいてしまうため、肝心の体内バランス調整の役割を果たせません。阻害因子は、トランス型脂肪酸や、飽和脂肪酸、ストレス、活性酸素、加齢など。ガンマリノレン酸への変換がうまくいかないため、単なる高エネルギーで、あなたを太らせるだけの悪い脂肪になってしまうのです。

ガンマリノレン酸をどう確保するかが問題
そこで、ガンマリノレン酸(GLA)そのものを直接とれば効率がいい、ということになります。ただ、GLAの供給源といえば、母乳、ヤギ乳、ブラックカーラント油、ボーレッジ油、月見草油くらいしかありません。
リノール酸からの変換はむずかしい、GLAを含む食品はほとんどなし、となれば、サプリメントに頼るしかありません。なかでも月見草油(イブニング・プリムローズ・オイル)にはGLAが豊富に含まれるので、サプリメントとしては最適です。
一昔前、プリムローズ・オイルにダイエット効果があるということで大ブームになりました。ところが、ダイエットだけに注目していたため、ブームが過ぎれば、誰も見向きもしなくなりました。ホルモンをはじめ、体内のさまざまなバランスを調整することで、ダイエット以外にも、あらゆる効果を発揮するとは、当時、誰も気づいていなかったのです。
食生活&月見草油(プリムローズ)で体もお肌も快調!
脂肪に関して食生活で気をつけることは次の5つ。
1.1日1食は魚を食べる。
加熱しないシソ油かアマニ油を1日大さじ1でもOK
2.GLAをサプリメントで補給
3.加熱調理に使う油は良質なオリーブ油かゴマ油
4.食事はできるだけ4:3:3バランスで
5.鶏、豚、牛肉なども適度な摂取を
こうして脂肪の適切な摂取に気をつかいはじめると、だんだんと食事の好みが変わり、大好きだったスナック菓子やハンバーガーなどが自然と食べたくなくなります。すると、ダイエットに成功、体調不良なんてサヨナラ、おまけにお肌の調子も良くなる、と、いいことづくめ。あなたも脂肪と仲良くなって、ナイスボディを手に入れましょう!
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