"正常値"→高血糖の疾病リスク |
◆心疾患:心臓血管トラブルや心疾患による死亡率は、血糖値の上昇(正常値範囲内であっても)と直接関係していることが、いくつもの研究で確かめられている。ある研究によると、(特定の範囲内で)血糖値が低いほど心疾患のリスクは低下するとしている。食後血糖値が144mg/dL以下の場合に比べ、157から189mg/dLでは、冠状動脈疾患のリスクは倍以上!ある研究チームによると、空腹時血糖値が83mg/dLを越えると心臓発作のリスクは急上昇。83mg/dL以上では、18mg/dL 上がる毎に、心臓発作で死亡するリスクが27%増加するという。 ◆認識機能障害(ボケなど):血糖値が正常範囲であろうと、糖尿病あるいはその予備軍のレベルであろうと、血糖値の上昇に伴い軽い認識障害や痴呆の傾向が進むことが明らかになっている。 ◆腎臓病:血糖値の急上昇は、腎臓病に関わる腎組織の線維化を促進。また、ヘモグロビンA1c(1〜3ヶ月の血糖値を反映している)の上昇が、慢性腎臓病の増加と直接結びついているとの研究発表も! ◆膵機能障害:膵臓にあるB細胞が血糖をさげるインスリンをつくっているが、高血糖はこれら細胞の機能を低下させ、II型糖尿病のリスクを上昇させる。研究者達によると、医学的に「異常なし(正常)」の範囲内であっても、食事2時間後に血糖値の急上昇が見られる人のB細胞には、すでに軽い機能低下をおこしているという。 ◆網膜症:高血糖は失明につながる網膜へのダメージを誘発。ある研究では、網膜症と診断された人のうち13%は後に糖尿病になり、8%は糖尿病には進まなかったと報告している。 ◆神経系疾患:食後血糖値が200mg/dL以上の神経系疾患の患者においては、太い神経線維にダメージがみられた。しかし、食後血糖値が、“正常”レベルの患者においても、末梢神経線維に損傷がみられた。どのような血糖値レベルであろうと、血糖が高くなればなるほど、神経線維への悪影響が高まると、2003年のアメリカ神経学会の公式ジャーナルで発表され、2006年の別の研究で、この結果が裏付けられている。 |