ホリスティック栄養学とストレスケア

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簡単デトックス法で有害物質を追い出し、体調不良スッキリ!!

有害物質をデトックス

有害物質をデトックス

体調不良は、単純に疲れのせいと片づけがちですが、本当に原因はそれだけ?

「昔の患者さんは栄養失調で体調を崩し、痩せた方ばかりでした。でも、今の患者さんに痩せた方はいません。そのかわり原因はハッキリしないけど、なんだか体調が悪いと訴える。デトックスの必要な方ばかりです」

こう話すのは、ソウル市内で開業する韓国の伝統医療「韓方」医。体内にたまった毒素の影響で体調を崩してしまうのは、日本人に限らないようで、この韓方医のもとには大勢の方が訪れています。

今回はデトックスについてみていきましょう。

 デトックスとは?

ホリスティック栄養学では、健康レベル向上のための重要な要素として、「栄養摂取」「消化吸収」と同様にデトックスを重視します。デトックスとは、de- なくす、toxin- 毒ということで、「解毒」を意味します。

日々体内に運び込まれてくる汚染物質や添加物、その他の毒物(生体異物)、そして、体内で生じる代謝産物や老廃物などのいわゆる「ゴミ」は、速やかに処理され、排泄されなければなりません。

身体には、こうした好ましくない物質を処理して体外に捨てる自然の解毒/排泄の仕組みが備わっています。しかし、ストレスの影響をはじめ、さまざまな要因で正常な解毒/浄化→排出/排泄力は失われます。こうした毒物/毒素が体内にとどまれば、代謝酵素は働けなくなり、肌あれ、便秘、むくみ、冷えをはじめ、さまざまな健康上の問題、体調不良を引きおこすことになります。

身体に備わっている解毒/排出/排泄の仕組みを支えるデトックス器官(肝臓・腎臓・腸・皮膚・肺)が最善な状態で働き、体内の「ゴミ」を滞りなく体外に捨てられるようにサポートすることを、ホリスティック栄養学では、「デトックス」とよんでいます。

 見渡せば周囲は化学物質だらけ

外から体内に運び込まれてくる有害物質といえば、食品添加物(化学物質)を含む食品、クスリ、タバコ、汚染大気、各種の洗剤、化粧品、殺虫剤などに由来します。

たとえば、着色料や保存料に代表される加工食品に含まれる添加物。天然由来のものもありますが、多くは化学合成されたものです。これらはすべて身体にとって異物であり、有害物質です。

生鮮食品であっても油断できません。農産物には農薬がたっぷり。魚介類には水銀やダイオキシンが蓄積され、妊婦さんに対して魚の食べ過ぎを警告するほど。

国がおこなった海洋調査では、大都市に近い海ほど汚染が進み、日本沿岸では東京湾、大阪湾、瀬戸内海がとくに深刻な状態です。また海外から輸入されたマグロからも、かなり高い値で水銀が検出されています。

さらに、最近は中国大陸からの黄砂の問題も。黄砂に工場から吐き出された化学物質が含まれているのは周知の事実。化学物質が喘息などの原因になることは、「四日市ぜんそく」で証明済みです。

空気、水、食べ物、シャンプー剤や台所洗浄剤などの日用品…。書きだしたらキリがないほど、私たちは有害物質と“共生”しているのです。そしてそれらが、あなたの体調不良の原因になっているかもしれないのです。

 デトックスが必要なワケ

有害物質を極力避ける工夫やとり込まないよう注意をはらっていても、有害物質は否応無しに体内に入ってきます。細胞が働けば老廃物や毒素も間違いなく発生します。つまり、デトックスは誰にでも必要ということです。

野菜や果物の残留農薬はいうにおよばず、あらゆる食品、水・空気にまで多くの化学物質/汚染物質が含まれています。ちなみに、食品添加物は身体に害がないとされる安全基準量が設定されていますが、日本では5万種の化学物質が流通し、そのうち約1500種類が食品添加物として使用されているのです。

さまざまな形で体内に侵入してくる化学物質の量は、なんと、1人あたり年間8キロともいわれています。1キログラム入りの砂糖袋が8個分と考えると、ゾッとする話です。

身体はこれらの運び込まれてきた有害物質を一刻も早く処理して排泄しなければなりません。肝臓で処理された物質は、胆汁を通じて腸管内に捨てられたり、血液にのって全身を巡りながら腎臓や肺、皮膚などの排泄器官に届けられ、尿として排泄されたり、汗となって皮膚から、あるいは呼吸を通じて体外に出ていきます。

このように、身体には体内の毒物/毒素を排泄する機能が備わっています。でも、運び込まれる有害物質があまりにも多いと、肝臓の処理能力は追いつかず、組織内に溜まっていくことに…。

その悪影響はすぐには現れません。体外から運びこまれてくる多種多様な有害物質は、身体の微小環境の「土壌」(細胞・血液・リンパ液)を汚染し、ダメージを与え、あるいは、その機能を邪魔し、身体のホメオスタシスを脅かし、時間をかけて徐々に体内を蝕んでいきます。ちょっとした体調不良から、ホルモンバランスを崩し、アレルギー、肝機能障害、腎機能障害、皮膚疾患、がんなどを誘発する原因にもなるのです。

ラットに複数の化学物質を与えたところ、運動機能に異常がみられ、運動や情動にかかわるドーパミン作動性神経が減少していたという国立環境研究所の実験報告もあります。

この結果をそのまま人間にあてはめることはできませんが、中高年に発症するパーキンソン病では、神経の減少にともなう神経伝達物質ドーパミンの欠乏がみられます。

健康的なスリムボディを維持するためにも、簡単なデトックス方法をいくつかご紹介しておきましょう。

 デトックス法① 食べ物を以て化学物質を制す

  • 加工食品やコンビニ・デパートなどの弁当や総菜をさける。(大量調理の野菜は次亜塩素酸ナトリウム、つまり漂白剤で殺菌処理。保存料など添加物も使用)
  • 米や野菜などの農産物はできるだけ無農薬のものを選ぶ
  • 新鮮な野菜や果物、納豆や漬物など発酵食品をしっかりとり、腸内環境を整えて、毎日の快便を目指す。
  • ビタミンやミネラルをしっかりとる。とくに抗酸化栄養素はたっぷりと。デトックスの過程では、多くの栄養素が必要になりますが、活性酸素による二次的ダメージにも目をむける必要があります。サプリメントを活用して、食事からの不足分を補いましょう。
  • デトックスに欠かせないアミノ酸バランスのいい良質タンパク質をしっかりとる。タンパク質を食べるときには、タンパク質分解酵素の含まれる酵素サプリメントを併用できればベスト。

  • もっとも効果的なデトックス法といえば「絶食(ファスティング)」。月1回、3日程度のファスティングを実行しましょう。水のみでの断食は避け、生ジュース+サプリメントでのファスティングがおすすめです。それが難しいようであれば、週に1回のプチ断食を。
    こちらを、ご参考に↓↓
    細胞から若返るファスティンの効果!正しいやり方、準備から復職まで
  • なお、デトックスには「チャ-コール/炭のサプリが効果的」とばかりに、日々常用している人がいますが、これは絶対に避けるべきです。身体に必要な栄養素まで吸着して排泄してしまいます。

 デトックス法② 排泄/血液浄化を促す

デトックスの基本は水

 デトックスの基本中の基本は、“水”!

水の摂取はもっとも安あがりで即効性のあるデトックス法です。「水太りするから」といって水分摂取をひかえると、外部から運び込まれてくる有害物質や体内で発生する老廃物/毒素を体外に運び出すことができません。その結果、むくみや、体脂肪の蓄積、皮膚や筋肉のたるみ、代謝機能低下、頭痛など不快症状のオンパレードになってしまいます。

水道水をそのまま飲むことは避け、ミネラルウォーター、アルカリイオン水、波動還元水など良質な水を、起きている時間帯は、1時間にグラス1杯、1日1.5~2リットル程度飲むように。カフェインの含まれるお茶やコーヒー、甘味料の多い清涼飲料水などはやめ、氷の入った冷たい飲み物も避けます。

朝は、最高のデトックスタイム。
寝ている間に体内にたまった老廃物のスムーズな排泄を促すため200ml程度の水(白湯)にレモン半分~1個を絞り入れて、ゆっくり飲むようにすれば、効果大です。

 デトックス効果のあるハーブティーを1日2杯飲む

ハーブティでデトックス

リラクゼーションや美容のために飲む人が多いハーブティー。1日1~2杯程度は、デトックス効果のあるティーを選びましょう。

バードック(ゴボウ)やダンデライオン、レッドクローバー、パウダルコなどは、デトックス系ハーブティーの定番です。単独のティーとしても、おいしく飲めますが、これらをミックスして、「デトックス・ティー」として販売されているようなものもありますので、ご自分の好きな味をみつけてくださいね。

 デトックス効果の高い精油を活用する

植物の花や葉、果実から抽出した精油(エッセンシャルオイル)をうまく活用するのも1つの方法。エッセンシャルオイルの種類は何百種類とありますが、それぞれ異なった効能があり、デトックス効果の高いものもあります。あなたのデトックス習慣に活用しない手はありません。

たとえば、毒素・老廃物の排出を助けるジェニパー、リンパの流れを促進するグレープフルーツやアトランティック・セダー、血行促進作用のあるサイプレスやローズマリー、デトックス効果の高いユーカリなどをキャリアオイルで希釈してマッサージにつかったり、バスソルトをつくって入浴時に使用。また、ラベンダーのようなリラックス系アロマバスにゆっくりつかるのも、血流をよくし、発汗を促がすのに効果的です。

 深い胸式呼吸でデトックス

胸式呼吸でデトックス

呼吸法には大きく、腹式呼吸と胸式呼吸があります。腹式呼吸は身体をリラックスさせるのに最適ですが、デトックスに最適なのは「胸式呼吸」

ゆっくりとした深い胸式呼吸は、肺のクリーニングを進めます。そればかりか、胸式呼吸は「呼吸ポンプ」として働き、リンパ液を静脈へ戻したり、静脈血を心臓へと戻します。老廃物の運び出しもスムーズになり、血液の浄化も進みます。

毎朝起きたら、お腹を引っこめ、胸をふくらませるよう意識しながら鼻から空気をゆっくり6秒間吸い込み、2~3秒間静止、6秒かけてゆっくり口から息を吐きます。この呼吸法を毎朝5セットおこなうように。

 自然素材のボディブラシで、ドライブラッシング

皮膚は最大の排泄器官。皮膚が活発に老廃物を排泄できる状況を整えるとともに、リンパの流れや血流をよくすることで組織内に閉じこめられた水分や毒素の運び出しを促すには、乾いたブラシで体をこする、ドライブラッシングが大きな効果を発揮します。

ブラッシングをはじめる前には、鎖骨のくぼみを指2本使って、首に向かってやさしくマッサージ。たったこれだけで、全身のリンパ節が目覚め、体全体にたまった老廃物などをリンパへ流れやすくします。

ブラッシングは顔以外の全身おこないます。手と足の指先から、リンパ節に向け、また、心臓に向けておこないます。全身をブラッシングしても、所要時間は5~6分程度。朝起きて着替える前、風呂に入る前など、日々の生活のなかにドライブラッシングを習慣として根づかせましょう。

なお、ナイロンなどの合成繊維のブラシは絶対使わないこと。動物性や植物性の自然素材を選びます。デトックスには植物性のブラシが最適です。

このほかにもデトックス方法はいろいろあるので、自分にできそうなことからはじめ、三日坊主で終わらせないことが大事です。継続は力なり、ですね。

なお、さまざまな検査を通じて、どのような有害物質があなたの体調不良に関与しているかを特定し、その物質に応じてデトックスしていくことが必要になるケースもあります。これについては専門的な話しになってしまうので、今回は触れませんでしたが、今後少しずつ伝授していきますね。

 まとめ

  • 体内にたまる毒素は、有害な化学物質を含む食品、クスリ、タバコ、汚染大気、各種の洗剤、化粧品、殺虫剤などに由来する。
  • 農産物には農薬が、魚介類には水銀やダイオキシンが蓄積し、中国大陸からの黄砂には工場から吐き出された化学物質が含まれている。その他、さまざまなルートから、ありとあらゆる有害物質が体内に運び込まれてくる。
  • 体内に侵入してくる化学物質の量は、なんと、1人あたり年間8キロともいわれている。
  • 解毒/排泄が間に合わずに体内に居座る化学物質は、身体の微小環境を汚染し、ダメージを与え、あるいは、その機能を邪魔し、さまざまなトラブルを引きおこす。
  • 食生活に気をつけることはもちろん、解毒/排泄をサポートするデトックス習慣を日ごろから心がけることが重要。


あなたが最高の健康を手にいれ、いつもハッピーでありますように・・。

j-hna.org