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卵は超良質タンパク質。でも、生卵にはご用心!怖いぞビオチン不足!!

 

卵は超良質タンパク質だけど、生食にはご用心!怖いぞビオチン不足!

卵は超良質タンパク質だけど、生食にはご用心!


100点満点のタンパク質である卵は、毎日の食生活にうまくとり入れたいもの。でも、ちょっと食べ方に気をつけないと、意外な落とし穴が…。

 えっ~!1日たまご7個??

 森光子さんという女優さんがいたのをご存じでしょうか?主演を続けた「放浪記」という舞台を、なんと2000回以上(史上最長)も演じ、84歳で、舞台上で、 “でんぐりがえし”までやってのけるほど、若々しさを維持していいました。

まだ森光子さんが生きていた時、テレビの健康番組に出ているのをみたことがあります。84歳すぎても筋力を衰えさせないため、彼女はヒンズースクワットを毎日行っているとのことでしたが、何よりも彼女の食生活は、まさにエイジングケアとしてふさわしいものでした。肉や魚をよく食べ、卵は1日かなら3~4個、多いときには7個も食べることもあるといっていたのです!

インタビューアーは目を丸くして驚いていましたが、私は、「やっぱりな~」と、一人納得しながら、テレビに向かって頷いていました。

 卵は100点満点のタンパク質

 ダイエット志向やヘルスコンシャスな人たちにとって、「動物性食品は控えるべき」というのが常識でしょう。スリムになるためにも、健康ボディや長寿の秘訣は「植物性食品中心がベスト」と思いこんでいる人も多いと思います。

しかし実際には、肉や魚、乳製品や卵などの動物性食品をしっかり食べている人の方が元気で長生きということは、裏づけられています。卵・肉類をしっかり食べたところで、太ったり、生活習慣病でイエローカード!なんていうことはありません。それどころか、賢く摂取すれば、健康的なナイスボディが手にはいるのです!

動物性食品、とりわけ、卵は理想的なエイジングケア食品です。卵には生命体をつくりだすための貴重な栄養素がギュッと凝縮されています。

なによりも、アミノ酸バランスが完璧。さまざまな実験から、卵は、体内での利用効率がもっとも高いタンパク質であることが知られています。卵が100点満点の良質タンパク質であることが、若返りファクターを決定的なものにしています。

日々食事から摂取するタンパク質は、量はもとより、そのアミノ酸バランスがとても重要。完璧なアミノ酸バランスを持つ卵は、美容・健康のために最優先すべきミラクル・フードといえるのです。

 生卵のぶっかけご飯は、ちょっと待った~~!!

 卵は100点満点、超良質タンパク質ではあるのですが、卵を生で食べるのは、ちょっと考えなおしたほうが良さそうです。生卵のぶっかけご飯や納豆に生卵を混ぜて食べるのは、日本の朝食の定番ですが、生の卵白に含まれる物質には、健康上うれしくない問題が隠されているのです。その問題のいくつかをみておきましょう。

 問題 1 アビジン

生の卵白には"アビジン"という物質がふくまれています。アビジンは腸内で、身体にとって重要な栄養素であるビオチンの吸収を阻害します。ビオチンはビタミンB群の重要な仲間で、ビタミンHとも呼ばれます。

ビオチンは卵黄をはじめ、牛乳や牛のレバー、大豆、ビール酵母などに含まれており、腸内細菌もビオチンを作っています。でも、これら腸内にあるビオチンは、生の卵白に含まれるアビジンにつかまって、根こそぎ排泄されてしまうことになります。

生卵を一度に10個も飲めば、顔が青ざめて気持ち悪くなりますが、1つや2つ生卵を食べたからといって、すぐに具合が悪くなるようなことはありません。しかし、毎日、生卵を常食していれば、潜在的なビオチン不足に陥るリスクがないとはいえないのです。

 怖いぞ、ビオチン不足

しばらく前になりますが、女優の奈美悦子さんが「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)関節炎」を患ったことがありました。

手の平と足の裏の発疹からはじまり、骨(鎖骨、胸骨、肋骨、脊椎、骨盤)の変形や破壊、硬化などから激痛が全身を24時間襲いつづけ、その痛みは「ナイフを刺してグルグル回すような」すさまじいもので、「拷問みたい」だそうです。

掌蹠膿疱症は、まさに、ビオチンの欠乏により免疫力が低下することから起こる病気といわれているのです。

ビオチンは、細胞の成長を助けるほか、糖新生、アミノ酸代謝、脂質の正常な代謝などに必要で、ビタミンB群の有効利用やビタミンCの合成にも不可欠な、とても重要な栄養素です。欠乏すると、エネルギーづくりに支障がでるばかりでなく、

  • 顔や体の湿疹はじめとする皮膚のトラブル
  • 疲労の激化
  • 筋肉の痙攣、筋肉痛
  • 脂肪の代謝障害
  • 血糖値の上昇
  • 不眠症
  • 貧血
  • 抜け毛

などの問題を引きおこします。

ビオチン不足の原因になりうる卵の生食は、避けたいですね。

 問題 2 オボムコイド

卵白にはオボムコイドという糖タンパクも含まれています。オボムコイドはアレルギーをおこす問題物質。鶏卵アレルゲンの大部分は卵白に含まれるタンパク成分ですが、オボムコイドは他の卵白タンパク質に比較してアレルゲン活性が最も高いのです。

それだけではありません。オボムコイドは、タンパク質の消化酵素であるトリプトシンの作用を阻害する、トリプトシン・インヒビターでもあります。つまり、タンパク質の消化が妨げられてしまうという、大きなデメリットもあるのです。

タンパク質が腸管から吸収され、体内で役立つためには、消化の過程でアミノ酸にまで分解されなければなりません。その過程が妨げられれば、貴重な栄養素は体内に取り込まれず、身体はその栄養素を活用することができません。せっかくの超良質タンパク質である卵を食べても、「意味な~し!」と、なってしまうことに…!!


さらにいえば、吸収されなかった未消化のタンパク質は腸内環境を悪化させ、さまざまな健康上のトラブルを引き起こすことにもつながります。

 卵白部分が不透明になるまでの加熱を

 生卵を食べないほうがいい理由は他にもありますが、まず気をつけるべきは、アビジンやオボムコイドが含まれる卵白といえるでしょう。

卵白は熱を加えるとタンパク質の分子の立体構造が変わり、白く不透明になります。このような状態になれば、アビジンはビオチンと結合できなくなりますし、オボムコイドも加熱により変性して、その働きをなくします。

いくら生卵を食べるのが好きでも、卵白は加熱。黄身だけ生感を楽しむ、目玉焼き、ポーチドエッグ、半熟卵、温泉卵など工夫して食べるようにしましょう。

 まとめ

  • 動物性食品のなかでも卵は、アミノ酸バランスが大変すぐれており、体内での利用効率が最も高い、100点満点の理想的なエイジングケア食品。

  • 卵白には、アビジンやオボムコイドなどの問題物質が含まれる。

  • 問題物質は加熱することで問題がなくなる。したがって、生卵を食べることはせず、少なくとも卵白が不透明になる程度に加熱した調理法で…。


あなたが最高の健康を手にいれ、いつもハッピーでありますように・・。

j-hna.org