ホエイ(乳清)プロテインが |
代謝低下を防ぐために必要なタンパク質を確保できるばかりか、超低カロリーを実現しながら空腹感なしに筋肉を落とすことなく、“体脂肪が減る”という科学的根拠があるからです。 ホエイプロテインの食欲抑制作用空腹感や満腹感は、とても複雑なフィードバックシステムによって調整されています。食欲をコントロールするホルモンは、インスリン、レプチンをはじめいくつかありますが、ホエイはコレシストキニンとグルカゴン様ペプチド1の作用で摂食行動に影響をあたえます。 多量栄養素のなかでタンパク質が一番満腹感を生じやすいのですが、すべてのタンパク源が同様ではありません。さまざまなタンパク源のなかでも、十分な満足感(満腹感)を得ることで食欲や摂食コントロールがラクにできるのが、ホエイプロテインであることが、いくつかの研究で確認されています。 たとえば、ホエイとカゼイン(他の乳タンパク)を比べた英国の研究では、ホエイをとったグループはアミノ酸の血漿レベルが3時間で28%上昇し、満腹感と関連する2つのホルモンが60〜65%も増えました。つまり、食事前にホエイを摂取しておけば食べ過ぎが防げ、著しいカロリーカットで減量につながるということです。 ホエイはセロトニンのレベルを高めることも知られます。精神的に落ちこんで、「甘いものが食べたい!」と思ったときにホエイをとれば、ストレスなしに甘いものや高糖質食品への思いを断ち切れるので、ダイエットの足を引っぱられずにすみます。 インスリン感受性の向上で体脂肪減少高タンパク質ダイエットには減量効果とインスリン感受性向上効果があることが知られます。 牛肉とホエイプロテインを使ったある研究では、いずれのグループにおいても体脂肪量の減少がみられました。ホエイをあたえられたグループはインスリンの感受性も向上。さらに、血中のインスリンが牛肉グループに比べ40%も減っていました。 これは、ホエイプロテインを摂取することで良好な血糖コントロールがおこなわれ、蓄積した体脂肪が減っていくということです。 食事でホエイの比率を増やすことで体重増が抑えられることも確かめられています。 脂肪の燃焼と筋肉増加エクササイズ前にホエイをとると、エネルギー源として脂肪が使われることが確認されています。つまり、体脂肪からどんどん燃焼するということ。 エクササイズの1時間前にグルコース、全乳、ホエイのいずれかを加えた食事をとり、毎日2時間のエクササイズを5週間つづけた研究があります。 いずれのグループも体重増がみられたのですが、興味深いのは、エクササイズ前に全乳タンパクまたはグルコースを与えられたグループの体重増が体脂肪によるものだったのに対し、ホエイのグループだけは体脂肪が減少、逆に筋肉量が増えていたのです! サルコペニア肥満の解消にもエクササイズなしでも同様の効果があることが、サルコペニアに対する研究で実証されています。 一見やせてはみえるけれど、筋肉が減少して体脂肪が大幅にふえる“サルコペニア肥満”。下半身の筋肉減少は上半身に比べ9倍以上とされ、階段の上り下りが困難になる他、生活の質が著しく低下します。年配者ばかりでなく、無理なダイエットを実践している若い世代にもサルコペニア肥満が、最近増えているといわれます。 ホエイには、サルコペニアを逆転させる効果があることが証明されています。この研究では、31人の更年期の女性が2つのグループにわけられ、両グループとも1日1400kcal制限食をとりながら、1つのグループは1日50gのホエイプロテイン、もう一方のグループには同量のマルトデキストリン(糖質)が与えられました。 同カロリーの摂取でありながら、ホエイのグループはもう一方のグループに比べ、3.9%も多くの体重減がみられたばかりか、5.8%の筋肉増(太もも)が確認されたのです!(その分大幅に脂肪が減っている!)
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