第5回
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最近では、トクホ(特定保健用食品)に指定された、体脂肪が気になる人向けのお茶などもいくつも発売されています。こうしたペットボトルや缶入りお茶は本当大丈夫なのでしょうか? お茶の添加物ラベルを見ると、「緑茶抽出物」と書かれているものがあります。お茶葉を使って急須でお茶をいれたときには底に粉のようなものが沈殿しますが、これに栄養素が豊富にふくまれています。ところが、缶やペットボトルのお茶は日もちをよくするため、カテキンやビタミンCなどが豊富にふくまれるこの沈殿物をこして、とりのぞきます。そこで、お茶の栄養素や香りを補うために加えられる添加物が、「緑茶抽出物」。香料が加えられているものもあります。 驚くのは、カテキン濃度を高めたトクホのお茶には「環状オリゴ糖」が加えられているということ。これには3種類ありますが、日本で主に使われているβ−シクロデキストリンは、胃腸障害腎臓障害をおこす恐れのあるものとして、諸外国では添加の上限を定めています。でも、日本ではまったく天井なし。医薬品安全情報のなかには、β−シクロデキストリンの腎臓障害の恐れは明記されているのに…です。 【緑茶飲料に含まれるビタミンCやカフェイン】また、ほとんどのお茶飲料にはビタミンCが配合されています。もともと緑茶にはビタミンCが含まれているのは有名な話ですが、あえて加えるのはなぜでしょう。緑茶にはもともとビタミンCが豊富に含有されているのですが、ペットボトルや缶入りの緑茶飲料を製造する時点で破壊されてしまうからです。 とはいっても、緑茶飲料にビタミンCが加えられているのは、壊れたCを補うためというより、酸化防止剤として。もちろん、加えているのは合成ビタミンC。緑茶のもつ天然のビタミンCではありません。 「あら?ビタミンCも入ってて、なんだかお得♪」と思ったあなた、このビタミンCには栄養素的役割は、期待しないほうがいいですよ! また、これは自宅で入れるお茶でもそうですが、トクホ商品をはじめとする緑茶や烏龍茶には、カフェインがふくまれています。カフェインは体内の酵素の働きや鉄分の吸収を阻害したり、ミネラル・ビタミンCやB群を奪ってしまいます。このためエネルギー代謝や水分代謝をはじめ、多くの体内の働きに支障がでてくるので、とりすぎは禁物です。 【産地も気になる】お茶というのは、季節によって品質や価格が大きく変わるもの。にもかかわずペットボトルや缶s入りのお茶は、年中同じ価格で販売できるのは、大きなプールで製造されているから。そのときに、茶葉を少なめにするのは間違いないでしょう。だからこそ、香料や緑茶抽出物が必要になるのです。 |