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サラサラ血液でピカピカボディ

PART2

健康も美しさも、まず消化から

体内の毒素や老廃物がうまく浄化・排泄されなかったり、食べたものがきちんと消化分解されずに「未消化物質」として血液中に増えると、血液はドロドロになり、代謝が低下する一因になると、前回お話ししました。代謝が低下すれば、痩せるのも、肌を美しく保ったり、健康維持、病気快復なども難しくなります。食べたものがキチンと消化分解されて血液中に取り込まれるかどうかは体にとって重大問題。今回は、もう少し詳しく、「消化吸収」と「代謝」の関係についてみていくことにしましょう。

吸収を妨げれば太らない??

「消化」「吸収」などという言葉をきくと、「太りそう」と感じる方が多いはず。市場に氾濫するダイエット食品は、「糖の吸収阻害」だの、「脂肪が吸収されるのを妨げる」等、本来私たちの体にとって、必要な栄養素をカットすることを考えたものばかりです。

「栄養=太る」と思いこんでいるから、太る元をカットさえすればいいという発想になるのでしょうが、太るということは、必要な栄養素の摂取量が足りていないか、うまく消化吸収されていないか、有効利用されていないか、排泄などに問題があるから。いずれの場合でも、体内の酵素がキチンと働けなくなり、代謝機能の低下に陥り、体内で行われる作業がすべてスローダウンしてしまうからです。減量に限らず、ピカピカボディを保つには体内の代謝酵素を最大限に働かせる必要がありますが、それには、栄養素を「阻害」するのではなく、まず確実に「消化分解」して、「吸収」させることが重要です。

すべては消化から

食物を食べれば、体に入ったと思っている方がほとんどだと思いますが、これは大きな勘違い。口から肛門までは、まだ体の外。噛むことから始まって、多くの消化酵素が胃腸管の中で分泌され、食べたものに働きかけ、分解し、小腸で吸収されて初めて、栄養素は血液を通じて体のなかに運び込まれます。この重要な「消化吸収」というステップでつまずけば、体に必要な栄養素が不足するばかりか、未消化物質が増えて血液がドロドロになり、酸素やただでさえ少ない栄養素が細胞に届かなくなってしまいます。

食物は大きく分けると、糖質、たんぱく質、脂肪の3つの成分になりますが、たんぱく質は、いくつものアミノ酸という「玉」がネックレスのように一列につながってできているもの。通常は、それが糸くずのように丸められた構造になって存在しています。

糖質も基本的にはたんぱく質とよく似た構造ですが、アミノ酸の「玉」の変わりに、単糖体がつながっています。糖がいくつつながっているかによって、砂糖、麦芽糖、デンプンなど、その糖質の種類が決まります。

脂肪は、若干構造が違います。いくつかのタイプの脂肪がありますが、最も一般的な中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールという2種類の分子からできていて、細長い棒状をした脂肪酸が3本、グリセロールに止められた形になっています。

消化とは、このような栄養素の構造上のつなぎ目を「切る」作業です(図2参照)。たんぱく質や糖質は、ネックレスのつなぎ目を1つ1つ切って、玉であるアミノ酸や単糖をバラバラにすることだし、中性脂肪の場合は、グリセロールと脂肪酸を結んでいる留め金を外してやるのが消化です。この作業が中途半端だと、栄養素は体内に吸収されないまま、排泄されるか、腸の壁が漏れやすい人であれば(図1)、血液がドロドロに…。

このつなぎ目を切るナイフの役目をしているのが消化酵素。これが食べたものに働きかけ、体がうまく利用できるように分解してくれます。消化酵素の働きが悪ければ、どんなにいい栄養素を一生懸命摂取したところで、体はそれらを有効に使うことが出来ないのです。

消化は体にとって大きな負担

下の図にはすべての消化酵素は表示していませんが、食べたものが消化分解、吸収されるまでには、二十五種類以上もの消化酵素が使われ、それぞれの酵素を作るためにもさらに多くの酵素が必要です。

消化活動のすべてを体内の酵素で賄おうとすると、体には大きな負担がかかります。体内で酵素を生産するための材料は限られています。体は最優先で消化酵素を作るので、消化に使われる酵素が多いと、体内に行き渡るだけ他の酵素を作れなくなり、代謝機能の低下が起こります。

そうならぬよう神様は、私たちが口にする食物に「食物酵素」を用意してくれました。食物に含まれる酵素はその食物そのものを消化してくれます。例えば、青いバナナは固くて甘味もありません。これをしばらく置いておくと、そこに含まれる酵素が自分を分解しはじめ、やわらかく、甘くなり、ベタベタになり、ドロドロになってきます。私たちはこのことを熟すといいますが、バナナにふくまれる酵素が自分自身を消化したわけです。

酵素が豊富な食物を食べると、胃の上部で休んでいる間に、その食べ物自体が持つ消化酵素によって事前消化が進みます。体は消化に自分の大切な酵素を使う必要がなくなり、その分体全体を機能させるための他の何千もの酵素作りに振り分けることが出来るようになります。

逆に酵素がないものを食べた場合、事前消化は行なわれず、体は多くの消化酵素を作らなければならないため負担がかかり、それでも消化されない物質によって血液は汚れ、あらゆる深刻な問題が発生してきます。

消化酵素を極力節約

自分の消化酵素の無駄使いを防ぐには、食物酵素がふんだんに含まれている食品を選ぶことが不可欠。野菜でも肉でも、自然のままの食物はどれも多量に酵素を含んでいますが、煮たり、焼いたり、チンしたり等、熱を加えて料理をすると酵素はほぼすべて破壊されてしまいます。食物酵素の恩恵を受けるためには、食事の50%〜75%を生食にする必要があります。

とはいっても、現代人の食生活は調理していないものや加工品抜きではなりたちません。酵素が破壊された食品を口にしても、生食同様、胃の上部で事前消化してくれるものとして消化酵素サプリメントが欧米では絶対的な支持を受けています。日本人にとっても、外部から消化酵素を補わなければ、健康を維持できない時代になっています。

自分の消化酵素の無駄使いを抑えながら、主たる栄養素であるたんぱく質・糖質・脂質がしっかり消化分解され、食物に含まれるビタミン・ミネラルとともにきちんと吸収され、なおかつ有効利用される状態をつくる…。そうした条件が揃うことでのみ、代謝は順調に行われ、いつも健康で、美しく、スリムなボディを維持することが可能になるのです。

毎日口にした食べ物は、主に小腸で吸収されるが、小腸の壁は何でもフリーパスで通しているわけではない。食べたものの中には、体にとって大切な栄養源も含まれるが、有害な成分も紛れ込んでいる。腸の壁はそれをより分けて必要な物だけを吸収する検問所の役目も果たしている。

ところが不健康な腸壁は、本来なら小腸の壁を通過するはずのない未消化の物質までスイスイ通り抜けられる状態になってしまっている。

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