脂肪分解酵素リパーゼを阻害すればやせる??健康情報は歪められている 第6弾 |
こんなサプリは避けよう本格的な夏に向い、「速く、簡単にやせた〜い」と、とんでもないダイエットサプリに飛びつく女性の急増が心配です。 ダイエットにサプリメントをうまく使うのは、おおいに結構。でも、「〇〇の吸収を阻害」、「〇〇分解酵素の働きを抑制」など、無理な食欲抑制や食べたものを吸収せずに排泄させ、必須栄養素まで体に入らないようにしてしまうサプリにだけは手を出して欲しくないな〜。自然の理に逆らえば、必ずそのツケは自分の体に戻ってくるのだから…。 リパーゼ阻害は健康的?先日、某医者から届いたメールマガジンに、「脂肪の吸収を抑えるダイエット法は健康的。リパーゼ(脂肪分解酵素)を阻害すれば、余分な脂肪やカロリーを簡単に減らせる」なんて書いてあり、思わず、「なんじゃこりゃ〜!」って、叫んでしまいました。こんな情報を医者が平気で発信するから、体をボロボロにする人が増えるんだョ〜! もっとも、これが典型的な医師の思考回路なんでしょうね。 コレステロールが高ければ、降下剤を使ってコレステロールを追いだせばいい。副作用があると分かれば、次は、肝臓でコレステロールを作っている酵素を阻害する薬を使えばいい…。コレステロールそのものが悪さをするわけなく、むしろ体にとって重要な物質なのに、医者はとにかくコレステロールを減らすことしか眼中にない…。 栄養学の意味や仕組みを知らないから、薬という安易な方法に走ってしまうのでしょうけど、リパーゼについても全く同じ考え方―カロリーカットには食べた脂肪を消化吸収させずに体外に排泄すればいい、リパーゼの働きを抑えればいい。そのためにはリパーゼ阻害剤…。とんでもないことです。 目先のカロリーカットは意味なしリパーゼを阻害すれば、脂肪は消化吸収されず、当然カロリーカットにはなります。でもこれって目先だけのこと。こんなことしてカロリーカットする意味なんて、ありゃしません。 消化酵素の阻害因子を含むエサを与え続けると、ラットの膵臓は肥大するといいます。膵臓は消化酵素を分泌しているところ。阻害因子の作用で食べものが分解できないと、膵臓は一層頑張って働かなければならず、どんどんオーバーワークになって肥大。こんな状態が健康であるはずないでしょう。 それに何よりも、脂肪を食事から摂りすぎている人はリパーゼ不足が根底にあるのです(先月のエンザイムトピックス参照)。 脂肪をたくさん食べるからお腹の周りに脂肪たっぷりついたり、中性脂肪値やコレステロール値が高くなるわけではありません。むしろ、食事に含まれる脂肪を分解するための酵素不足で、脂肪酸、アミノ酸、ビタミンB群などが有効利用できず、代謝がうまくいかない結果なのです。 もともとリパーゼ不足の人がリパーゼ阻害サプリを使ったらどうなるでしょう。目先はよくても根本的な改善の逆をやるわけですから、将来的に様々なトラブルに悩まされることは必至です。 リパーゼはもちろん、アミラーゼ(糖質分解酵素)もプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)も、体内に栄養素を取り込むために不可欠だからわざわざ膵臓で作られ、分泌されているのです。食べたものが適切に消化吸収され、必要な栄養素が十分に揃っていればこそ、スムーズな代謝が可能になるのです。リパーゼなどの消化酵素の阻害を考えるなんて論外です! 適切な栄養素摂取+消化吸収で健康ナイスボディ健康的なスリムボディのためには、代謝酵素がマキシムに働いていることが絶対条件。そのためには十分なタンパク質(不足したらキレイに痩せられない!)、サポーター役のビタミン・ミネラル、細胞壁や体内調整役の材料となる各種脂肪酸、食物酵素など、日々しっかり食べる(不足ならサプリメントで補う)とともに、摂取した栄養素が確実に消化・分解・吸収されるよう心がけること。それこそ生命の原理原則であり、それができてこそ、体はつねに自分の一番いい状態に自分自身を調整してくれるのです。 |