巷では、「酵素ダイエット」が大流行。この人気に便乗して一儲けしようと、各種酵素メーカーばかりか酵素のことを全く理解していない健康食品業者までもが、ここぞとばかりに“売り”に走り、ワケのわからない情報が飛び交い、「酵素を飲みゃ〜痩せる〜!」と、みんなが飛びついている…。そんな図式ができあがっているようです。
そもそも、“酵素飲料”は、「酵素」ではありませんし、事前消化に必要な分解酵素は、ほとんど含まれていないんですけどね〜。
本来の酵素ダイエットなら・・
ホリスティック栄養学でいう「酵素ダイエット」はローフード・ダイエットを指すことが多く、酵素の多い生食を中心とした食生活を心がけつつ、自分のボディタイプにとって消化が苦手な栄養素を分解するための食べあわせや適切な酵素サプリを補っていくことで、健康になりながら、キレイにやせるというもの。
某テレビ番組でこのダイエットに挑戦したモニターさんは、たった1ヶ月で、しかも、ほとんど体脂肪のみで、10キロ以上の減量に成功!
ちょっとした食事の改善とあわせて酵素サプリをとりいれれば、信じられないような効果を発揮します。でも、今流行っている酵素ダイエットは…??“酵素飲料”は、ビタミンやミネラルなど吸収されやすくなっているので、絶食時にうまく使っていくには理想的な飲みものでは、あるのですが…。
太っている人は、糖質分解酵素と
タンパク質分解酵素が少ない
理想的な酵素サプリ(酵素飲料ではなく)とは、私たちが食べる食品に含まれる栄養素をそれぞれきっちり分解する消化酵素が含まれていること。それにより、栄養素がしっかり体内に吸収され、全身の細胞に届けられ、代謝アップが図れるからです。
消化吸収がよくなり、栄養素が体内にとり込まれたら、かえって太ってしまう!と心配する人も多いかもしれませんね。でも、実際には逆。太っている人は余分なカロリーはとりすぎていても、代謝に必要な栄養素は不足しているからです。
肥満者とやせた人の膵臓の酵素量を比べると、太っている人は、やせている人に比べ、糖質分解酵素とタンパク質分解酵素量が非常〜に少ないということがわかっています。つまり必要な栄養素がうまく消化吸収されていないということ。これらの酵素を補い消化力をアップすれば、やせやすくなります。不思議に思えるかもしれませんが、考えてみれば当然のことなのです。
キチンと消化・吸収すれば
体内はフル操業を開始
私たちは、体をつくったり、修復したり、動かすための「栄養素」を食事から調達しなければなりません。体に随時必要な栄養素が入ってきてこそ、体内の酵素はしっかり働き、あらゆる代謝がスムーズに進んでいきます。
食事をしても、消化吸収がうまくいかなければ必要な栄養素が十分に体内に運びこまれません。栄養素が不足すれば、体内の酵素はまともに働けなくなり、代謝はダウン。体内は、“開店休業”のような状態におちいります。
体内での消費カロリーは減り、糖や脂肪の代謝にも支障がでてきます。本来エネルギーとして使われるはずの材料はそのまま脂肪に形をかえて、どんどん蓄積されていくことに…。さらに、栄養素がたりなくなると、脳は「もっと食べろ〜!」と指令をだすので、食欲は増します。
食べても栄養素が吸収されなければ体内酵素も働けず、代謝アップも望めない。さらに食欲を抑えることも難しくなり、やせるどころか、どんどん太ることに…。
その悪循環を断ちきり、やせやすく太りにくい体をつくるには、まず、完全消化をめざすこと。そのためには、消化に負担がかからない食べ物を選んだり、食べ方を工夫し、よく噛んで食べることが大切。そして何より、糖質分解酵素、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素をはじめ、消化に関わる酵素を含む酵素サプリを補っていくことです。
タンパク質分解と脂肪分解
タンパク質の分解を受けもつ酵素が[プロテアーゼ]です。肉や魚、大豆などのタンパク質を分解するだけでなく、グルテン(小麦のタンパク質)、カゼイン(牛乳のタンパク質)などによる不耐性反応を軽減するという重要な働きがあります。
タンパク質がきちんと消化されないまま小腸に到達すると、炎症をひきおこしたり、過度の粘液を分泌したり、多くのトラブルのもとに…。これではダイエットどころではありません。プロテアーゼを高含有する酵素をとれば、こうした不快感とも、おさらばです。
タンパク質食品は、かならずといっていいほど脂肪と抱き合わせになっています。そこで必要になるのが[リパーゼ]。リパーゼは、脂肪を分解する酵素ですが、オメガ–3系脂肪酸をはじめ、ビタミンD、ビタミンK、ルテイン、γトコフェロールなど、重要な脂溶性栄養素の吸収にも貢献してくれます。
炭水化物や糖の分解にかかわる酵素たち
ブドウ糖分子が鎖のようにつながっているデンプン質のつながり部分を切断するのが[アミラーゼ]。糖質の消化分解プロセスでは、ブドウ糖と果糖がくっついてる蔗糖(砂糖)の接続部分を切断する[スクラーゼ(蔗糖分解酵素)]や、麦芽糖を分解する[マルターゼ]とともに、チームプレイで挑みます。
私たちは体内で食物繊維を分解する[セルラーゼ]という酵素をつくれません。そのため、野菜類などを食べると繊維が消化されないまま腸内を流れていき、腸内細菌がこれを分解→発酵します。このプロセスは腸内に水分を引き寄せ、膨満感やガスなどを発生させるので、お腹が張ったり、不快な症状が…。
野菜や穀物などを食べるときにセルラーゼが含まれる酵素サプリをとれば、よりスムーズな消化が可能となり、そこに含まれる多くの貴重な栄養素も引きだして吸収できるようにしてくれます。
日本人の80%が乳製品に含まれる乳糖が分解できないとされますが、乳糖分解酵素[ラクターゼ]をとれば、そのための不快感や代謝の乱れを予防できます。
こうみると一連の消化活動には、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、スクラーゼ、マルターゼ、セルラーゼ、ラクターゼという7つの消化酵素が必須ということがわかります。
酵素飲料には残念ながら、こうした消化酵素類が含まれません。これらを含む酵素サプリをしっかり補い、最善の消化吸収を実現して、スリムなナイスボディを手にいれてください。 |