膣炎・外陰炎女性に多い悩み改善講座 第5回膣炎に悩む女性は予想以上に多いもの。性的に活発な20代〜40代や妊婦に多いとはいえ、抵抗力の弱っている子供や老人にも発症。体内の常在細菌の自然なバランスが崩れ、伝染性の微生物が増えることで、かゆみ、痛み、おりものなどの不快症状が引き起こされます。 原因はいろいろ通常、女性の膣の中には、デーデルライン桿菌という善玉菌が住んでいます。この菌が作り出す乳酸によって膣内が守られているため、他の微生物が増殖して病気を起こすようなことは、滅多にありません。ところが、ホルモン・バランスの乱れ、糖尿病、抗生物質の使用、過労、偏食、ビタミンB群不足などにより、デーデルライン桿菌の働きが低下すると、膣内で他の微生物(真菌や細菌)が増殖して膣炎がおこります。 デーデルライン桿菌などの乳酸菌類は抗生物質に超〜弱い性質。カゼを治そうと抗生物質を服用したら、肝心のカゼには効かず、膣内の守り神であるデーデルライン桿菌が死んで、抑えられていたカンジダ菌などが増殖。「カゼひいたら、膣炎になった」なんていう羽目になりかねません。 ちなみにカンジダ菌というカビの一種が増殖するカンジダ性膣炎は最も一般的な膣炎。外陰部が猛烈に痒く、カッテージチーズのような白いポロポロのおりものがでます。 萎縮性膣炎は閉経後や手術で卵巣を摘出した女性に発症。女性ホルモンの分泌量の低下の影響で膣内がアルカリ性に傾いて微生物が増殖しやすい環境になっているところに、感染を防御する機能も低下。雑多な細菌やカビが増殖して膣炎が起きます。かゆみに加えて痛みが伴い、白色、黄色、時にはウミや血液を含むおりものがみられます。 ヨーグルトを入れる?塗る?病院での治療としては、発症の原因に応じての洗浄、抗生物質の投与(膣座薬)、軟膏の塗布が一般的。症状は一応すぐにおさまりますが、再発したり、慢性化するケースは非常に多く、いったん症状にとりつかれた女性達を悩ましし続けます。 ホリスティック栄養学では、免疫力アップのための栄養素摂取や常在細菌の正常バランスを取り戻すための食事法以外に、膣内にヨーグルトを入れる。外陰部のかゆみにはヨーグルトを塗るというアドバイスをします。日本で一般的に認知されている療法ではありませんが、最近の健康雑誌に著名な医師が、簡単に実践できる自宅療法として同様のアドバイスを書いていましたので、皆さまにもお伝えしましょう。 膣内がカンジダ菌などの悪玉菌に占領されたら、膣内の乳酸菌を増やして悪玉菌の勢力を弱めるのがベスト。それにはヨーグルトが打ってつけ。かゆみの範囲に応じて、膣内にヨーグルトを入れるか、外陰部に塗りつけます。これを1日2回、入浴後と起床時に行うと、たいていは一晩でかゆみがおさまります。ヨーグルトは無糖で、寒天などで増量していない純粋なものを選び、量的には小さじ1杯で十分です。 ヨーグルト療法を試して改善が見られないようなら、専門医で受診を。特にトリコモナス、淋菌などの特異的な病原菌による膣炎は、きちんとした早期治療が必要です。 食べるものの注意は?乳酸菌の生きているヨーグルトを常食しつつ、フルーツぬき、砂糖抜き、イースト抜きが基本です。避けるものは、チーズ、アルコール、ドライフルーツ、発酵食品、グルテンの含まれる穀物、ハム、ハチミツ、ピクルス、生の茸類、しょうゆ、酢、砂糖を含むもの、イーストを含むもの(パンなど)。また、かゆみがなくなるまでは、柑橘類、酸味の強いフルーツ(グレープフルーツ、レモン、オレンジ、パイナップル、トマト)も避けます。 悪玉菌は砂糖や未消化物質をエサにして増えます。よく噛んで食べると同時に消化分解がスムーズに行く食べ合わせも考えるべきでしょう。 サプリメントは、消化酵素、治癒を助けるプリムローズ(月見草油)、抗菌作用のあるガールライト(ニンニク粒)、膣炎発症者に不足しているビタミンB群、免疫力をアップするビタミンC などが必要。カンジダ症の場合、これらにカプリル酸(カプリシン)を加えるとより効果的です。 他に気をつけること、有効なことは?
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