ホリスティック栄養学とストレスケア

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冷え性の原因を知り、根本から改善!温かな身体への道

温活+αで冷え性を根本から解消!巡りをよくしよう!!

昨年(2023年)おこなわれた、冷え性に関する意識調査によると、30~50 代女性の 70%が、「冷え性だと自覚」していると答えています。温活女子が増えているのも、うなずけます。

冷え性は、さまざまな要因が複雑にからみあっておこってきます。免疫力の低下はもちろん、疲労感やだるさ、肩こり、むくみ、肌荒れほか、あらゆる身体の不調を招くので、「たかが、冷え」とはいっていられません。

冷え性を解消して、巡りのよい健康で若々しいナイスボディをつくるには、『温活』が必要でしょう。でも、単に身体を温めて基礎代謝をあげるだけでなく、冷えを招いている根本原因にアプローチし、適切に対応することも忘れてはなりません。

今回の記事では、多くの女性を悩ます冷え性にスポットをあて、その根底にある問題をさぐりつつ、冷え知らずの温かい身体を手にいれるためのポイントを伝授します。

冷え性の症状は?

手足が冷たくなり、寒いからと厚着をしてもいっこうに改善されない冷え性。この時期、つらい思いをしている人は想像以上に多いでしょう。

冷え性の人は、寒冷な環境において体温を維持しにくい傾向があります。身体が冷える(とくに手足)、ゾクゾクした寒さや冷えを感じる、ほかの人よりも寒さを感じやすいなどの症状のほか、疲れやすさや、だるさを訴える人も多いようです。

一般的に冷え性は一時的なものではなく、慢性的な問題として捉えられます。

冷え性の症状には、さまざまなタイプがある

冷え性の症状には、手足の先のみが冷える、下半身だけ冷える、お腹が冷える、全身が冷えるなど、いくつかのタイプがあり、それぞれ異なる生理的なトラブルがあります。とはいえ、冷え性そのものは、西洋医学的には病気と定義されていません。

病気が隠れている場合も

貧血をはじめ、なんらかの病気によって冷え性が誘発されることもあります。アテローム性動脈硬化症、動脈血栓症、レイノール病、膠原病のほか、糖尿病、腎炎、心臓病、卵巣機能障害、心不全、粘液水腫などにより、冷えの症状が発生することもあります。

また、服用している薬(化学療法薬、免疫抑制薬、スタチンなど)によっては、末端に到達する血液量を減少させたり、寒さを感じさせるものもあります。

たとえ薬を服用していなくても、一般の検査で異常はみつからなくても、冷え性の症状が発生しているということは、かならず何らかのトラブルが体内に潜んでいるはずです。

冷え性を発生させている原因を探ってみよう

冷え性の根本的な原因としては、慢性ストレスや食生活をはじめとする生活習慣、腸内環境、体内に蓄積する毒素などの問題が考えられます。

こうしたことが根底にあることで、炎症やタンパク質異化、血行不良やエネルギー不足、低体温、代謝機能の低下をはじめ、さまざまな問題が発生。これらが複合的に絡みあって、冷え性の症状が発生してきます。

温かいものを身に着ける、カイロや湯たんぽなどで外部から温める、温かい飲み物や身体を温める作用のある根菜類を料理につかうなど、内外から身体を温めていく『温活』はとても大切です。

でも、それだけでは、根底から冷え性を改善し、代謝アップをはかることはできません。温活を継続しつつ、あなたの身体が冷えている根本原因を探り、その原因をとり除いていかなければ、くり返し冷え性に悩まされることになりかねません。

ここで、血行不良やエネルギー不足、低体温など、冷え性に陥る要因をみておきましょう。

血行不良/血液循環が悪い

血行不良/血液循環が悪い

血行不良により血液中の酸素や栄養素の運搬が滞ると、組織の正常な機能に問題が生じます。血液の流れが滞れば、とくに手足の末梢部に十分な血液が供給されず、冷えがひきおこされます。

健康で若々しいナイスボディの維持には、体内の酵素がしっかり働いてくれなければなりません。酵素の働きのためには、血液をつうじて酸素や栄養素が各細胞に十分に供給されると同時に、酵素の働きを邪魔する老廃物や毒素がスムーズに運び去られることが必須です。

ところが、血液の流れが悪くなると酸素・栄養素の供給はもとより、老廃物や毒素の除去に支障がでてきます。リンパ液の流れも滞り、むくみや冷えが発生してきます。

身体が冷えれば酵素の働きは低下するので、代謝は著しくダウン。疲れがとれない、体調が悪くなる、脂肪が蓄積されやすくなるなど、さまざまなありがたくない症状があらわれてきます。しかも、血液の流れは、ますます悪くなっていきます。

血流が悪くなる理由はいろいろありますが、一般的には、慢性ストレス(自律神経の過緊張やホルモン系の影響)、水分不足や不適切な食生活、消化力の低下、腸内環境の悪化)、寝不足や運動不足、悪い姿勢、身体を締めつける下着や服装の着用などがあげられます。生活習慣から見直していくことが、非常に重要です。

血行/血液循環が悪ければ冷えるのは、あたり前。血流を阻害する原因をとり除き、身体の巡りをよくしましょう!

血行不良/血液循環の問題、その改善法について、詳しくは↓↓
【ドロドロ血液をサラサラに改善~】

エネルギー不足―ミトコンドリア機能の低下

エネルギー不足、ミトコンドリアの機能低下

私たちの身体の37.2兆すべての細胞は、十分なエネルギーのたえまない供給なしには生きつづけられません。エネルギー供給のために体内に送電線を張りめぐらせたり、各細胞のバッテリーチャージができればいいのですが、生体内ではそのようなことはできません。

体内で必要なエネルギー供給のため、燃料を燃やしてエネルギーをつくりだす自家発電所のような「ミトコンドリア」という小器官が、各細胞内に300個~数千個設置されています(ミトコンドリアの総重量は、私たちの体重の、なんと約10%!)。

ミトコンドリアでは、身体に必要なほぼすべてのエネルギーがつくられ、体温は理想的な範囲に維持され、活発な代謝も可能になります。

なんらかの理由で、ミトコンドリアの機能が低下したり、その数が減るようなことがあれば、エネルギーの産出は減り、代謝は低下。体温維持も難しくなってしまいます。

ミトコンドリア機能が低下する原因としては、栄養素不足(エネルギーを生みだすために必要な燃料や、ビタミン・ミネラルなどの補酵素不足)、重金属・化学物質の干渉、活性酸素の大量発生、小胞体ストレスなどなど…。

ミトコンドリアを活性化してエネルギー不足を解消し、冷え知らずの温かボディをつくるには、①ミトコンドリアの機能を低下させている要因をとりのぞいて、質をあげること、そして、②ミトコンドリアの数を増やすことです。

これらの方法については、この記事の後半で簡単にふれますが、くわしくは以前の記事に書いているので、ご参考に。↓↓
【ミトコンドリアの機能をあげて「疲れ」を解消!~】

低体温―甲状腺ホルモンの機能低下?

低体温―甲状腺ホルモンの機能低下

日本人の平均体温は摂氏36.89度とされます。しかし、実際に病院の外来で患者さんの体温を測ると、高い人で36.2~36.3℃、ほとんどの人が35℃台と、50年前より1℃近く低体温化しているといいます。

かならずしも、冷え性=低体温ではありませんが、身体が冷え、体温がさがると、身体にさまざまなマイナスの影響が発生してきます。

身体が冷えている=体内の環境温度が低いということは、37℃~40℃の環境で活性度が高くなる代謝酵素の働きが鈍くなるということでもあります。

体内でおこなわれるすべての代謝は、酵素の働きに依存しています。体温が低くなればなるほど代謝酵素の活性度は低下。体内のさまざまな代謝経路でトラブルが発生する可能性があり、各細胞はまともに働けなくなってしまいます。

酵素づくりに必要な栄養素がすべて揃っていることを前提に、酵素活性は、水分、pH、そして温度(体温)の影響をうけます。体内の酵素が正常に働くためには、37℃前後の体温が必須条件なのです。

たった1℃体温が低下するだけで、基礎代謝率は約12%低下。免疫力にいたっては、なんと30%以上減衰することが科学的に証明されているのです!

熱づくりの命令がうまく伝わっている?  

私たちの身体は、外部環境がどのように変化しても内部環境が維持されるようにコントロールされています。

寒さを感じた瞬間から、私たちの体内では、いくつもの神経物資やホルモンがつくられ、それぞれの見事な連携プレイによって体温の低下を防ぎ、適温を維持するように働きます。

甲状腺ホルモンはメッセンジャーとして、基礎代謝の増加、発熱の促進、代謝の活性化などをつうじて、体温を維持するために機能しています。

甲状腺ホルモンは、甲状腺でつくられるので、甲状腺の機能が低下していれば、当然、最終目的の甲状腺ホルモンが十分につくれず、体温維持に問題が生じてきます。

甲状腺機能そのものが低下していなくても、たとえば、慢性ストレスによるコルチゾールの過剰分泌によって、活性の弱い甲状腺ホルモンから強い甲状腺ホルモンへの変換が邪魔されれば、熱づくりの命令がきちんと伝わりません

また、甲状腺ホルモンづくりの各ステップで要求される材料、酵素や補酵素が不足すれば、細胞にメッセージは伝わらず、エネルギー生産の増量も期待できません。

脳から各細胞へのメッセージがしっかり伝えられ、体温維持システムが正常に機能するためには、適切なストレスマネージメントとともに、栄養的条件を整えることが必要です。
【ストレスと関係深い甲状腺機能低下症。~】

根底に慢性ストレス?

冷え性の根底にも慢性ストレス?

ストレスは、自律神経系とストレスホルモン両方のバランスを崩し、身体に大きな影響をおよぼします。血行不良やエネルギー不足、体温の低下などに関与し、さまざまなタイプの冷え性をひきおこします。

ここでいうストレスとは、心理的なストレスのみならず、寝不足や栄養素不足、温度や湿度、毒素、感染や炎症などをふくむ、広い意味でのストレスです。水分不足、喫煙習慣、睡眠不足、カフェインやアルコールの多量摂取なども、ストレス応答をひきおこし、冷え性に大きく関与します。

自律神経系の影響

自律神経は、自分の意志ではコントロールできない心臓の拍動頻度や血管の収縮/拡張、呼吸、発汗、体内の組織、器官の働きをコントロールしている神経です。

(闘争と逃走の)交感神経と(リラックスさせる)副交感神経があります。それぞれ身体の隅々まではりめぐらされており、臓器/器官だけでなく、末端の血管にまで、からみつくように存在しています。

ストレスは交感神経を刺激し、血管を収縮させます。これにより、末端部分の血流が低下し、手足の冷えが強くでてきます。

交感神経の過緊張は、血行障害をひきおこすばかりか、消化力を著しく低下させます。これにより腸内環境の悪化や栄養素が体内に吸収されないという事態が発生。栄養素不足状態では、代謝の低下⇔身体の冷えがおこってきても不思議ではありません。

コルチゾールの影響

コルチゾールは私たちをストレスから守ってくれる大切なホルモンですが、慢性ストレスによって過剰に分泌がつづくと、多くの問題をひきおこします。

★高血糖
コルチゾールは血糖値をあげるホルモン。慢性ストレスで高血糖状態がつづくと、余分な血糖を抱える血管へのダメージだけでなく、糖をとり込むことができなくなる細胞側のトラブル(酸化ストレスやミトコンドリアの機能低下など)も発生。血行不良だけでなく、エネルギー産生が妨げられ、冷え性につながります。

★低血糖
慢性ストレスが長期間継続し、コルチゾールが十分につくれなくなると、低血糖をおこしやすくなります。低血糖が持続すると身体のエネルギー供給が不足し、冷えやすい/冷えを感じやすい身体になります。

★血流が悪くなる
コルチゾールの過剰分泌がつづくと、血液が凝固しやすくなるため、血液はドロドロになり、血液の流れは悪くなります。

★タンパク質異化(体内でタンパク質が分解されるプロセス)
筋肉が分解されると、ミトコンドリアの数が減り、体温を維持するための代謝活動が低下します。筋肉量の減少は、冷え性の症状を悪化させる要因となります。

タンパク質異化が進行すると栄養素不足のリスクが高まり、代謝の低下ばかりでなく、免疫システムの弱体化などをひきおこし、全身の冷えにつながります。

★甲状腺ホルモンに対する影響 
体温調整に働く甲状腺ホルモンの働きが低下し、体温調整はうまくいかなくなり、低体温⇒身体が冷えるということがおこってきます。

活性酸素の影響/酸化ストレス

ストレス時には、多くの活性酸素が体内で暴れまわります。活性酸素によりミトコンドリアがダメージを受ければエネルギーづくりに支障がでてきますし、赤血球がダメージをうけたり、血流内の脂質が攻撃されれば、血液の流れが悪くなるなどの悪影響が…。

このようにストレスは、さまざまな形で冷え性に関与しています。自分にとってのストレス要因(ストレッサー)を特定し、その排除を試みることが、冷え性解消のためのファーストステップです。

そして、適切なストレスマネージメント/ストレスケア/自分なりのリラクゼーション術を身につけ、ストレスをためこまない工夫が必須です。

【ストレスってなに?ストレス対策におすすめの栄養素と日課】

 温活の基本原則―外側からのアプローチ

温活の基本原則ー外側からのアプローチ

これまで見てきたように、冷え性をひきおこす原因/要因はさまざま。これら原因/要因にアプローチしていくことで、冷え体質から抜けだすことができます。

ただ、そのためには、ある程度の時間/期間が必要になります。その間、冷え性の症状の軽減/改善をはかるため、身体を効率よく温めていきたいもの。

そこで、外部からのケア、身に着けるものや、外部から物理的に温める方法、基礎代謝をあげるためにも適した運動などについて、みていきましょう。

身に着けるものから考えよう

きつめの下着、きついジーンズやストッキング、靴下などの身体を締めつけるものは、身体の血液の循環を悪くし、冷えのもとになります。

できるだけ、身体を締めつけない、保温性のあるゆったりとした衣類を選ぶのがポイントです。きつめの靴も、足の血流を悪くしますので、避けましょう。

吸湿性のよい下着は、冬場は冷気が直接肌に触れるのを防ぎ、体温をキープしてくれます。ショーツはお腹が隠れる大きめサイズか、2枚重ねにして、お腹を冷やさないように気をつけましょう。お腹まわりが温かいと交感神経の緊張がゆるみ、身体の末端の血流が増えて温かくなります。

首が冷えると全身が冷えるので外出時にはマフラーを。手先足先は手袋や靴下、レッグウォーマーなどで保護しましょう。

外部から物理的にあたためる

冷えを予防するには、衣服などによる保温につとめるとともに、外部から使い捨てカイロや湯たんぽなどをつかって物理的にあたためることも大切です。首の後ろやお腹を温めるだけでも、全身の保温が可能になります。

★大きな筋肉を温める

効率よく血流を改善して身体を温めるには、手足の冷えを感じる末端部分よりも、大きな筋肉を温めるのがベスト。湯たんぽやペットボトル(1.5~2L)に50~60℃のお湯を入れ、太もも前面、お尻、お腹、そして二の腕を温めましょう。

内蔵があるお腹は冷えの弊害がもっとも深刻にあらわれるところ。内蔵を支える筋肉を心地よく温めるようにします。

また、全身の筋肉の70~80%は、膝からお尻についているので、太ももとお尻は、冷え撃退の最強加熱ポイント。太ももの筋肉の4分の3は前面に集中しているので、加熱は前面だけでオーケーです。

二の腕にも太い筋肉がはしっていますが、普段はあまりつかうことがなく、冷えやすいといえます。あわせて加熱すれば、足先、手先までポカポカです。

入浴前にあらかじめ、これらのポイントを温めておくと、入浴による温活効果が、グ~ンとアップします。

ゆっくり入浴―薬湯もおすすめ

ゆっくり入浴―薬湯もおすすめ

全身を温めるには、なんといっても入浴が一番でしょう。

寝る1時間~1時間半程度前に、熱すぎない(38~40度)お湯をはった湯船にゆっくりつかりましょう。

乾燥させたみかんの皮やすりおろしたショウガなどをお湯に混ぜる薬湯は、血行促進&保温効果が抜群に高まり、身体の芯から温まります。植物にふくまれる香り成分により、気分もリラックスし、自律神経系、ホルモン系のバランス改善にやくだちます。

なお、入浴前に、白湯などの温かい飲み物を飲むと効率よく身体が温まります。

薬湯のレシピ 気軽に試してみよう

※冬は入浴後の保温効果が高い塩風呂、夏は発汗作用が高くて入浴後はさっぱりするショウガ湯が、とくにおすすめです。

適度な運動は、冷え性解消にも必須

運動で筋肉が活発に動けば、血行は促進されます。良好な血行は末梢部に十分な酸素や栄養を供給し、冷え性の症状を緩和してくれます。

適度な運動が慢性ストレスによる、高コルチゾールレベルを低下させる効果があることも証明されています。また、適度な運動は免疫機能を向上/強化するので、体内の炎症や感染による冷え性に対する抵抗力の向上が期待できます。

身体を鍛えて筋肉量を増やせば、エネルギー生産工場であるミトコンドリアの数が増え、細胞はより多くの酸素を利用して効率的にエネルギーを生成できるようになります。このプロセスにより基礎代謝が向上し、体温の維持に必要なエネルギー供給が増加。寒冷環境においても体温を一定に保つ助けとなり、冷え性の緩和に寄与します。

スクワットで太ももを鍛える

★スクワットで太ももを鍛える

身体のなかで一番大きな筋肉といえば、「太もも」。太ももの前と後ろ、ふくらはぎを鍛えるにはスクワットがおすすめです。

「トイレに行くたびに、スクワット10回」など、生活に無理なく組みこむようにして、つづけましょう。

★足首の曲げ伸ばしで、ふくらはぎポンプを作動させる

足は第二の心臓といわれますが、ふくらはぎは、末端の血液を心臓に戻すポンプ作用を担っています。

足先、足首をよく曲げ、ふくらはぎの筋肉をしっかり動かすことが血行促進につながります。

とくに足先が冷える人は、足首エクササイズを…。やり方は、簡単です。

1.イスに座り、片足を床と平行にあげます。かかとをグーっと突きだして、6秒キープ。

2.今度は足先をグーっと伸ばして、6秒キープ。

1と2を3回くり返します。その後、反対側も同様にします。

イスに座らず立ったまま何かにつかまり、かかとを目いっぱいあげて、6秒キープしてから、かかとをおろすという上下運動も、いいですね。

★とにかく、歩こう!

ウォーキングなどの有酸素運動は、いつでも誰でも手軽にできる効果的な運動で、血行をよくするには効果的です。

わざわざフィットネスジムなどでマシーンを利用する必要はありません。買い物のときなど、ダラダラ歩くのではなく、姿勢を正し、歩幅を大きく早足で歩いたり、エレベーターやエスカレーターを利用するのを減らして階段でのぼりおりするなどを心がけるといいでしょう。

寒くて外に出るのが億劫であれば、室内でテレビを見ながらでもいいので、大きく足をあげ、手を振ってその場での足踏みを50~100回を1時間ごとに…。

日中は姿勢をただし、できるだけこまめに身体を動かすように心がけましょう。正しい姿勢でいるだけでインナーマッスルが刺激され、基礎代謝が20%もアップするとされます。

運動の効果、適した運動など法などについては、↓↓
【運動でストレス解消!~】

簡単マッサージやストレッチも効果バツグン

★アロマをつかったマッサージは、とくにおすすめ

血液の循環をよくし、自律神経を安定させる効果があるのがマッサージ。
血流アップのためのマッサージは難しく考えず、手のひら(ボディブラシやタオルをつかってもOK)で全身をさすりあげるだけ。かならず末端から心臓方向にむけて、1カ所30秒程度トータル10分程度の目安で、全身の血流がアップします。

リンパ液の流れをよくするリンパドレナージュやアロマテラピーをおこなえば、全身がぽかぽかしてきて、冷たく、だるかった足も軽やかになります。

参考まで、冷え性改善におすすめの精油(エッセンシャルオイル)をご紹介しておきましょう。

冷え性を改善するエッセンシャルオイル

※精油は必ずキャリアオイルで希釈してつかいます。
※スパイス系の精油は冷え性改善に効果的ですが、刺激が強いので、単独でつかうのは避けたほうがベター。スパイス系の精油1に対して、リラックス効果、血行促進効果のあるスイート系(マジョラム、オレンジなど)の精油2の割合でブレンドするのがおすすめ。

★ストレッチだけでも、冷えの軽減に効果的

エネルギーを産生するミトコンドリアは、基本的にすべての細胞にありますが、とくに筋肉に多く存在します。筋肉組織がかたいと、筋肉細胞に脂肪や糖、酸素などを届ける毛細血管が収縮。血液はバイパス経路に入って筋肉細胞を素通りしてしまいます。これでは、ミトコンドリアは働けません。

ストレッチだけでも、冷えの改善に効果的

てっとり早く筋肉をゆるめるには、ストレッチ。毛細血管の巡りがよくなり、酸素や栄養素がミトコンドリアに届きます。筋肉がかたくなっている現代人の多くは、ストレッチするだけでも、冷え性の改善に大きく貢献してくれます!

ストレッチでしっかりと筋肉をほぐしたうえで、日頃から動かす機会が少なくて運動不足に陥っている股関節まわりや肩胛骨まわりの筋肉をターゲットとした運動を心がければ、効率よく冷えない身体がつくれます。

とくに股関節の筋肉はミトコンドリアが多い部分。股関節は大腿骨と骨盤の間の関節であり、多くの筋肉がこの領域を制御し、動かす役割をはたしています。

股関節の筋肉をターゲットにする四股ストレッチなどをすれば、効率よく代謝アップにつながります。大股歩きや階段の2段あがりなども、日々の生活にうまくとりいれましょう。

温活の基本原則―内側からのアプローチ

冷え性解消のためには、スムーズな血流にのって、各細胞で必要な栄養素が滞りなく届けられ、エネルギーがしっかりつくられる状況をつくるのが重要です。

良質タンパク質の確保を

冷え性にも良質タンパク質の確保は必須

まちがったダイエットや偏食、レトルトや冷凍食品など加工食品ばかりの食生活では、体内の酵素はまともに働けません。また、このような食生活は、身体にとっては、大きなストレスです。

食生活で体温をあげるには、なんといっても良質タンパク質の確保が第一条件です。

動物性タンパク質は、糖や脂肪にくらべ食後に体熱を高める作用が3倍以上も強く、肉類を多食する欧米人は、穀物・菜食の民族よりも体温が高いことが知られます。

動物性タンパク質は、私たち人間のアミノ酸組成に近いため、植物性タンパク質よりも良質度が高いといえます。良質タンパク質の確保により、酵素をふくむ体内の物質づくりもスムーズにいき、代謝もアップ。動物性食品を嫌ってはいられません。
※動物性と植物性タンパク質をあわせてとるのがベスト。それぞれに不足するアミノ酸を補いあって、より良質度が高くなります。

食事からタンパク質を十分にとれない場合は、プロテイン(ホエイアイソレート)や、フルブレンドのアミノ酸をうまく利用するといいでしょう。

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熱を産みだす栄養素をしっかりとろう

ミトコンドリアで利用される燃料の中心的な役割をはたすのはブドウ糖。ブドウ糖は食品から炭水化物の形でとりいれられ、小腸から吸収され、体中を循環する血液へと送りだされます。細胞は必要に応じてそれをとり込みます。

細胞内にとり込まれたブドウ糖は、エネルギーをつくる過程で徐々に分解され、次から次へと違う物質に変わっていき、途中からミトコンドリアに受けつがれ、ここで完全燃焼して、多量のエネルギーがつくりだされます。

とはいえ、ブドウ糖だけ摂取しても、自然に発電所でエネルギーが産出されるわけではありません。細胞内で、ある物質から別の物質へとつくりかえられていくステップ毎に、それぞれ違った酵素、そして補酵素/サポーターが必要になります。

1つの酵素は1種類の反応しか受けもてないので、エネルギー合成システムを回すには、多くの酵素が必要になります。もしその一つでも足りなければ、流れ作業はストップ。先には進めず、エネルギーづくりは失敗に終わります。

さらに、各ステップでは、酵素の働きをサポートするビタミンB群が必要になります。B群のビタミンはそれぞれ体内で受けもつ仕事は違いますが、エネルギーづくりは共同作業になります。

エネルギーづくりには、さらに、マグネシウムや鉄、マンガンなども必要になります。また、エネルギーづくりを邪魔する活性酸素対策として、抗酸化栄養素も必要になるでしょう。しっかり"燃える身体"をつくり、代謝アップをはかるには、多くの栄養素が必要なのです。

ミトコンドリアにしっかり働いてもらうための栄養素について詳しくは↓
【ミトコンドリアの機能をあげて「疲れ」を解消!~】

血流の改善のためには

血流をよくするには、質のいいサラサラ血液をめざすことが必要です。質のいい血液が血管内をスムーズに流れてこそ全身の各細胞に酸素や栄養素がきっちり届けられ、代謝酵素もマクシマムに働けるようになるのです。冷え性の改善には重要です。

★消化に目をむけよう
サラサラ血液のためには、まず、食事の完全消化が必須です。

酵素の多い食物や発酵食品を意識してとり、よく噛んで食べること、食べあわせや食べる順序、食べ過ぎに気をつけるなど、良好な消化を意識した食生活を心がけましょう。場合によっては、消化酵素サプリメントやベタインHClの追加が必要かもしれません。

★十分な水分摂取を
サラサラ血液⇒血行改善のためには常に十分な水分補給が必要です。汗をかかない季節は、どうしても水分補給がおろそかになりがちです。1日8杯程度の水&2杯程度のハーブティーを飲むようにしましょう。生ジュースを飲むのもおすすめです。

★血行をよくする栄養素
血流改善に積極的にとりたい栄養素としては、

  • オメガ3系脂肪酸(EPA+DHA) 血管を拡張させ、血液の流れを改善することが知られています。とくに、青魚や亜麻仁油に豊富にふくまれています。
  • ビタミンE: 血管の柔軟性を高め、血行を改善するのにやくだちます。ナッツ類や種子、植物油に多くふくまれます。(サプリの場合: d-αトコフェロールを1日200~400IU)
  • ビタミンC: 血管の健康を維持し、血流を改善するのにやくだちます。とくに、柑橘類やイチゴ、ピーマンなどに多くふくまれます。(サプリの場合: 1日1000㎎~3000㎎)
  • マグネシウム 血管の収縮を緩和し、血行を改善する助けになります。大豆やほうれん草、ナッツ類に豊富にふくまれます。(サプリの場合: 1日750-1000㎎。クエン酸マグネシウムまたは、グリシン酸マグネシウムを)
  • フラボノイド: 抗酸化作用があり、血管の健康を保ち、血行を改善するのにやくだちます。

身体を温める食材や飲み物は?

身体を温める飲み物―ほうじ茶にショウガを

身体を内側から温める作用がよく知られる食べ物といえば根菜類。地面や水面下で育つもの、寒い地域や寒い季節にとれるものが身体を温める食べ物で、ネギ、ニラ、ショウガ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、レンコン、ゴボウ、里芋、切り干し大根、納豆など。

ほうじ茶+ショウガ汁、ハチミツ+ショウガ汁をお湯で薄めたホット・ジンジャー・ドリンクや生ニンジンジュース+ショウガ汁を一日何回か飲むようにすると、冷え性の改善に効果的です。

冷えが強い場合は、血液循環をよくするニラがおすすめ。ニラを刻んで、すり鉢でついてからガーゼで絞って汁をとります。この絞り汁、おちょこ1杯分をお湯で割って、1日3回飲みます。

★これだけは、気をつけて!

・熱すぎる飲み物は、交感神経を刺激して血管を収縮させてしまうため、身体が温まりません。身体を温めたいときは、50~60℃程度(沸騰した湯から10分程度放置)の飲み物がベストです。

・カラシ、エスニック料理(カレーライスをふくむ)など強い香辛料をつかった料理は食べると身体が熱くなるので冷え性によさそうですが、実際には逆。刺激物は身体を冷やすので避けましょう!

・コーヒーやお茶にふくまれるカフェイン、タバコにふくまれるニコチンピルや頭痛薬などは血管を収縮させ、血液循環を悪くします。できるかぎり、避けるようにしてください。

まとめ

  • 冷え性は、血行不良、エネルギー不足、低体温などが引き金となり発生してくるが、その根底には、寝不足や栄養素不足などをふくめた慢性ストレスや食生活をはじめとする生活習慣、腸内環境、体内に蓄積する毒素などの問題が潜んでいる。
  • きつめの下着や衣服は血液循環を悪くし冷えのもとになるので避ける。
  • 効率よく身体を温めるには、足先など冷えを感じる部分ではなく、湯たんぽなどで大きな筋肉を温めるようにする。
  • 全身の血液循環を改善には、全身の筋をのばすストレッチや軽い運動を毎日心がける。マッサージや完封摩擦も効果的。
  • 寝る1時間半くらい前に36度~40度くらいのぬるめのお湯につかる。
  • 適切な睡眠時間/良質な睡眠を確保する。
  • ストレスケアは、とくに重要。ストレス要因を見つけてその排除を試みるとともに、自分にとって有効なリラクセーション術を身につけ、ストレスをためこまない工夫を。
  • 日々の食事で、タンパク質や糖質、脂質はもちろん、ビタミン&ミネラルをしっかり確保するように心がける。とくに、ビタミンCやビタミンE、ビタミンB群、亜鉛やマグネシウム、(鉄不足があれば)鉄、オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)などは、冷え性対策に必須です。
  • カラシ、エスニック料理など強い香辛料をつかった料理は避ける。
  • 1日、グラス8杯程度の水+カップ2杯のハーブティーを。カフェインのふくまれる飲み物、アルコール飲料は極力避ける。
  • 冷え性を根底から解消するには、ある程度の時間がかかります。

身体を物理的に温かく保つことを心がけつつ、生活習慣の改善に着手しましょう。日々の生活をみなおし、一つ一つ良い習慣にかえていくことで、冷え知らずの身体に生まれ変わることは、可能なのです♪

あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。

 

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