年末年始についてしまった余分な“お肉"。あなたも体重計に乗って、肩を落としているのではありませんか。
じつは短期間についてしまった脂肪をそのまま放置しておくと、脂肪が落ちにくくなるといわれています。ですから余分な“お肉"は、できるだけすみやかに落とすのが、ダイエッターの心得。お正月明けからの1ヵ月間をダイエット強化月間とするくらいの気持ちが必要かもしれません。
でも、なぜ時間の経過とともに脂肪が落ちにくくなるのでしょう?
余ったブドウ糖が
脂肪となってまとわりつく
私はよく、こんな例え話をしています。
「雪は、降りはじめたときは積もってもすぐに溶けるけど、次から次に降って時間がたった雪は、ガチガチに固まって、ちょっとやそっとでは溶けなくなるでしょ?脂肪だって同じよ」って。
もちろん、体脂肪と雪の溶けるメカニズムは同じではありませんが、イメージ的に理解できるでしょう?実際になぜ時間の経過とともに脂肪が落ちにくくなるかは、あとに譲るとして、まず、基本的なところからお話しをはじめましょう。
私たちが口にした食べ物は、消化吸収され、「血となり、肉となる」わけですが、体内でさまざまな物質をつくったり、壊したりするにも、体内がまともに働き、私たちが元気に動きまわるためにも、「エネルギー」が必要です。実際、私たちの60兆を超えるすべての細胞でエネルギーづくりがおこなわれています。
体内でつくられたエネルギーの大半は生命を維持するために使われ(基礎代謝)、残りは体を動かす(運動)ために使われます。
エネルギーづくりに必要な栄養素が不足した、カロリーばかりが高い食事やスイーツを好んで食べていたら、エネルギーづくりに支障がでてきます。しかも、外出時は自分の車で移動。オフィスではデスクの前に座ったまま。家でもテレビの前でゴロゴロ。こんな生活スタイルをつづけていれば、効率よくエネルギーを消費することもできなくなってしまいます。
もし、あなたの体が貯金箱ならたまるのはお金ですが、あなたの体は酸素や水素などでできた有機化合物。エネルギーづくりに有効に使われなかった“原材料"や余ったエネルギーは脂肪に姿を変え、肝臓や皮下、あるいは内臓のまわりに白っぽい固まりとなってたまっていきます。
糖質が肥満の原因に……
エネルギーをつくりだすもとになるのは、主にごはん・麺類・パン・いも類などの主食や油を使った食べものです。前者は糖質を多く含み、後者は脂質を多く含みます。
日本の女優やモデルは、カロリーを気にして、ロケ地で用意される通称「ロケ弁」の揚げものを食べなかったり、衣をとり除いて食べるといいます。たしかに揚げものは高カロリーなので食べ過ぎれば太ることに…。
でも、太る一番の原因は糖質のとりすぎ。1日あたり、最低でも自分の体重の1000分の1グラムはとるべき良質タンパク質をキチンととらず、その穴を埋めるが如く、ごはんや甘い物を食べすぎることで糖質の摂取が過剰になっている人がとても多いのです。
糖質を必要以上にとりすぎると、糖化による老化促進に加え、あっという間に糖質が脂肪に姿を変えて蓄積されてしまいます。もちろん飲み会の最後に食べたラーメンや、鍋の最後に食べた雑炊も!
しかもアルコールには、糖を脂肪化させる働きがあり、肥満の手助けをしてしまうのです。ですから、お酒を飲むときは、ご飯や麺類などの糖質はできるだけ避けるのが賢いダイエッターのとるべき行動です。
もう一つの落とし穴
不完全燃焼ボディ
脂肪をつけにくい燃焼ボディの決め手は酵素といってもいいのですが、酵素の原料はタンパク質。そして、酵素がしっかり働き、糖質や脂肪を燃焼させていくには、ビタミンやミネラルが欠かせません(特にビタミンB群は重要)。
これらの栄養成分を多く含むのは野菜・果物・海藻類ですが、多くの人たちは、国が推奨している1日の野菜量350g、果物200gすら食べていないのが現状です。そのため、体は不完全燃焼状態に……。そうして“太るサイクル”にはいりこんでしまうのです。
電化製品や車が普及する以前の私たちの生活は、無意識のうちに体を動かす機会が多く、肥満よりもむしろ、食料事情の悪さから栄養失調が問題となっていました。わずか50年くらい前までの話です。
ところが今は、便利さや豊かさを享受するかわりに、肥満とそれにともなう糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病におびやかされるように。そんな時代に生きる私たちにとって、ダイエットを意識するのが健康への第一歩といえるのです。
セットポイントが
肥満時代を記憶する?
私たちの体には遺伝的にセットされた適正体重というものがあって、これを「セットポイント」といいます。
体内に蓄積されているエネルギー量は脳が把握し、脳はエネルギー量の増減に応じて基礎代謝量のバランスを調整していると考えられています。
つまり、セットポイントの体重よりやせると、エネルギーを節約するために基礎代謝量がさがり、逆に、セットポイントより体重が多くなると基礎代謝量があがって、体にたまっている余分な脂肪(エネルギー)が減りやすくなるというわけです。
仮にあなたが今60sだとして、10s落として50sになったとしても、セットポイントが60sだと、基礎代謝量がさがって脂肪がたまりやすくなり、自分の努力や意思とは無関係に、司令塔である脳は体重を60sに戻そうとします。
しかも、体重が増えた状態が長くつづくと、セットポイントもそれに応じて高くなり、おいそれとはさがってくれなくなります。以前減量に成功したダイエットを実践しても、まったく効果がでない、ということが起こるのです。
記事の冒頭で、年末年始についてしまった余分な“お肉”はできるだけ早く落としたほうがよいとお話した理由が、これでおわかりいただけたでしょうか。
しかし、だからといって無茶なダイエットに走ると、筋肉を落とし、その結果、リバウンドすることに…。
ではこのセットポイントを念頭において、確実に脂肪を落としていくにはどうしたらよいのでしょう?
プチ絶食や夕食置きかえで
スピーディ&自然にリセット
リバウンドしないようにダイエットする方法はいろいろありますが、おすすめは、なんといってもNS式。普通の食事を1〜3日間だけ断つことで、糖質や脂質をほぼ完全にカットし、その代わりに、超良質タンパク質、ビタミン・ミネラルなどのサプリメントで摂取します。代謝に必要な栄養素はきちんと確保するので、代謝を落とすことなく、蓄積されている体脂肪を燃焼させていきます。
この方法だと1日の摂取カロリーは300キロカロリー程度。カレーパン1個分、ビール中瓶1本半分に相当します。そんな量ではお腹が空いてもたない!?と思う方も多いかもしれません。でも、実際にチャレンジしてみると、意外に空腹感はありません。それどころか、気分はすっきり。毎日いかに食べ過ぎていたかを自覚し、食生活を見直すきっかけにもなるはずです。
NS式の基本は3日間ですが、1日だけの絶食でも週1回ペースでくり返すことで、数日間つづける絶食と同じ効果が得られます。 「1日でも食事しないなんて考えられない!」という人は、夕食だけサプリメントに置きかえる方法から、まずチャレンジしてみましょう。「こんな楽ちんだったら、もう少し長くできる!」と自信をつけてから、少しずつ絶食時間や日数を増やしていけばOKです。
1年のスタートから《ぼってりボディ》なんてNG!つけてしまった脂肪は、健康的に効率よく、なるべく早く脱ぎ捨てるのが◎
今日からさっそくリセットして、新たな年を楽しみましょう。 |