| 前回は、安い輸入牛肉の品質アップの秘密をお伝えしました。タンパク質分解酵素を用いて肉をやわらかくし、牛脂や牛乳タンパクを注入してコクを出し、霜降り肉のように見せかけるのでしたね。
でも、それだけではまだ少し高め。食べ放題の焼き肉やファミリーレストラン、牛丼チェーンなどでは、さらにコストのかからないこんな肉を提供しているのです。
もっと安い部位を使う
安価のアメリカ産牛肉。輸入が再開されて牛丼チェーンに牛丼が戻ってきたときには、行列ができました。あれだけ安く提供しても外食産業が利益を上げられるということは、それ以上に安く仕入れているということですよね。
安さの秘密は、「くず肉を使う」こと。肉をカットする際、どうしても切れ端が残ります。肉屋さんなどでは「切り落とし」「細切れ」などとして、とても安く購入できます。けれども、牛丼はともかく、ステーキや焼肉はくず肉を切り落としのまま使うことはできません。そこで登場するのが、成型肉です。
くず肉がステーキに!
くず肉をステーキにするためには、結着剤が必要になります。結着剤に使われるのは、重合リン酸塩(カゼインナトリウム)やカラゲニン(カラギーナン)、アルギル酸塩など。重合リン酸塩は牛乳由来なので、牛脂を混ぜ込むときに使われる牛乳タンパク同様、牛乳にアレルギーのある人は注意が必要ですし、カラゲニンは天然成分の増粘多糖類ですが、潰瘍性大腸炎を引き起こす可能性が示唆されています。
そして、くず肉だけではボリュームが足りないので、横隔膜の肉も使用します。横隔膜肉というのは、焼き肉屋ではおなじみの「ハラミ」。ハラミもそのままでは硬すぎるので、タンパク質分解酵素でやわらかくしてから使用します。
成型ステーキを作るには、これらのやわらかくした牛肉の切れ端を、このような流れで成型します。
結着剤をまんべんなくまぶす
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型に入れ、よくプレスして形を整える
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真空パックにする
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冷凍してしっかりと肉同士をくっつける
こうして棒状のブロック肉が出来あがります。大きさも形もお好みしだい。やわらかさも霜の降り方も、熟成させる時間や混ぜ込む牛脂の量などで調整できます。
成型肉は、ステーキだけではありません。焼肉用の肉も薄切り肉も、思いのままに作ることができます。熟練の技術のある人なら、プロでも見分けのつかないほどに巧妙な成型肉を作ることができるそうです。こうして安いくず肉やハラミから、やわらかくて大きさや形も均一の霜降り肉が作り上げられているのです。
安くてやわらかく、そこそこおいしい肉は、成型肉か、そうでなくても何らかの加工がされていると考えて、まず間違いなさそうです。 |