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老化スピードの鍵を握る

栄養素 Part II

私たちの体がたんぱく質でできており、酵素をはじめとするたんぱく質によって生命が維持され、さらにそれらたんぱく質の材料となるアミノ酸が全種類、量的にも不足なく揃っていないと、体内で特定のたんぱく質や他の物質が作れず、老化を始め、深刻な健康上の問題が発生することを前回お話ししました。

たんぱく質は何にもまして重要な栄養素ですが、その材料が揃っているだけではコーディングが進行することはなく、代謝は実現しません。サポーターが必要なのです。

材料を揃え、働ける条件を整える

私たちの体の60兆個にもおよぶ細胞一つ一つの内部ではさまざまな化学反応(代謝)がめまぐるしく進行、生体を維持しています。たんぱく質の合成、エネルギーの生産、不要物質の排泄、組織の修復や再生など、何千種類もの代謝が、ものすごいスピードで、休みなく行われています。これらの代謝のためになくてはならないのが、酵素であることはこれまで何度もお話ししましたネ。

私たちの体内では3千種類以上の酵素が働いており、人間はもちろん、すべての生きものは酵素の働きなしでは生きられません。たった一種類の酵素の働きがうまくいかないだけでも体には問題が発生。疲れやすくなる程度のものから、生命を脅かすほど深刻なケースもあります。いずれにしろ、代謝酵素の働き具合によって、私たちの健康は大きく左右されます。

酵素と協力して働く栄養素をしっかり確保

酵素が体内で働くためには、必ず一緒に作業を進めるビタミンやミネラルが必要です。ビタミンやミネラルは酵素のサポーターとして、必要に応じて酵素と一体化することで代謝を実現します。これらが不足すれば酵素は働けず、体内の代謝は実現できません。

DNAの暗号解きから化学反応を起こすまでの一連のコーディング作業(これだけでも20以上の代謝があり、酵素の種類も20を越え、それぞれの酵素がサポーターを要求)、エネルギー発生、栄養素変換などは、全細胞で休みなく行なわれている代謝です。これらの作業を行うため、すべての細胞で多種類のビタミン・ミネラルが四六時中要求されます。これらが一つでも不足すれば、全身的な不調が現れて当たり前です。

これらに加え、各細胞では個々の作業のためのビタミン・ミネラルも必要です。それぞれの細胞は、インシュリンをつくる細胞、副腎皮質ホルモンをつくる細胞というように、役割分担が決められた作業を受け持っています。受け持つ作業によって作り出す物質は違いますし、必要なビタミン・ミネラルも細胞によって違います。神経に必要なビタミン・ミネラルは、骨に必要なビタミン・ミネラルとは違うわけです。

全細胞的プラス局所的に必要なサポーターを合わせると、40種類以上のビタミン・ミネラルが日々私たちの体の中で使われます。一種類も欠けることなく、すべてが確保されないかぎり、どこかで酵素が働けなくなり、老化を始め、健康上何らかの問題が現れることになるのです。

鍵と鍵穴の関係

確保されるべき量も問題です。化学反応に使われる酵素とビタミン・ミネラルは、反応する物質とともに必要に応じて即時一体化する必要がありますが、個人差によってうまくいかないケースが出てきます。合体効率が悪いと、栄養素はより多く必要になってきます。

酵素とサポーターはよく鍵と鍵穴の関係にたとえられます。鍵穴を提供するのが酵素。反応する物質とサポーターがうまく組み合わさって一本のキーになり、このキーが鍵穴にピッタリ入ることで次の物質が作られ、代謝の次の段階に進むことができます。

ただここに問題が一つ。この代謝を担当する酵素が必ずしも万人共通とは限らないのです。誰でも遺伝的弱点を持っています。個人個人の遺伝子が同じではないので、その設計図から作られ酵素の鍵穴も全く同じではありません。鍵穴の形が少しでも狂っていれば結合のミスが起きる可能性があり、代謝が実現しないことになります。

ただ、鍵穴にはゆらぎがあるので、キーがピッタリはまる瞬間があるかもしれない。そうした結合の可能性を高めるには、3者がぶつかり合う度合いを増やす、つまりサポーターを増やす必要があるのです。どのサポーターがどこでどれだけ必要かには個人差があります。

例えば、水溶性のビタミンは最大100対1の個体差があるといわれます。つまり、Aさんが一日0.5gのビタミンCを摂れば十分でも、Bさんは5g摂らないと健康上の問題が出るということです。

また、多くの代謝のサポート役になる微量栄養素ほど必要量も多くなるのは当然です。例えば、ナイアシン(ビタミンB3) は約440種類、マグネシウムは300種類以上もの酵素反応のサポーターとして働きます。そのうち1種類の反応に不足がでても代謝のコーディング能率が低くなり、必要なホルモンが作れなかったり、免疫力がダウンすることになります。

こう考えていくと、体内のすべての代謝がスムーズに行くためには、想像以上に多くのビタミン・ミネラルが必要ということがわかります。さらに、ビタミン・ミネラルには酵素のサポーター以外にも抗酸化栄養素としての重要な役割もあります。活性酸素を抑えるための栄養素が不足するようなことになれば、老化速度がさらに加速してしまうことはいうまでもありません。

外から補うしかない

これほど重要でありながらビタミンやミネラルは、わずかの例外を除いて、体内で生産・合成することが出来ません。そのため、外から補うしかありません。でも、「1日30品目」や「バランスよく」食事をしたところで、これらの絶対必要量を確保できません。

体が要求する栄養素の絶対量を満たすには、毎日最低でも7kgもの野菜・果物を食べる必要があるといわれます。これは絶対無理な量。万が一食べられたとしても、それらが実際に消化分解・吸収され、有効利用できるかは大きな疑問。だからこそ、サプリメントや、野菜や果物のカサをなくして栄養素だけの凝縮液として飲める生ジュースなどをうまく利用して、微量栄養素を補なわなければならないのです。

一般の方々のサプリメントに対する認知度が上がるにつれ、最近スーパーや新聞紙上で低価格のものが販売されるようになりました。これはこれで歓迎すべきことなのですが、気をつけていただきたいのが含有量。日本のサプリメントのほとんどは厚生省の出している所要量をベースにしています(左下の比較表参照)が、この程度であれば、サプリメントとして摂取する意味はなし。1ヶ月分として売っているものを1日で摂取しなければ必要量を満たせないものが多いのでご注意を!!

すべてコーディングに始まる

3回にわたって「老化スピードの鍵を握る栄養素」ということでお話ししてきましたが、老化に限らず、健康を取り巻く問題はコーディング抜きにしては考えられないということだけは頭にたたき込んでおいて下さい。完全なコーディングのために、細胞内で酵素タンパクの生産が確実に行われ、さらにそれらがしっかり働くための条件を整える。これらが確実に行われない限り、若々しく健康で過ごしつづけることは不可能なのです。

あらわれては消える健康法や健康食品は多いのですが、すべては完全なコーディングからという原則にてらして考えれば、〇〇でガンが治るとか、△△で万病が治るなどという類の話を信じ込むことはなくなるのでは?

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