50年も前から分かっていた有害性
もっとも問題視されているのは、PFOA(パーフルオロオクタン酸)。
テフロンそのものはPFOAではないのですが、PFOAはテフロン製造過程で使用され、製造工場では大気中および水中に排出されます。
PFOAがアメリカ国民の90%以上の血液中に存在することがわかり、研究によってその毒性が明らかになるにしたがい、ダイオキシンやPCBと同様、世界的な環境汚染が懸念されているのです。
テフロン加工した調理器具の使用においても、一定以上の温度に熱することで2つの発ガン性物質をふくむ、15種類の有害なガスや化学物質が発生する可能性が指摘されています。
テフロンの製造元であるデュポン社は50年以上テフロンの製造にPFOAを使用しており、この化学物質そのものも製造しているのですが、「人間には害がない」「通常の調理過程ではPFOAは発生しない」と主張。
ところが、1961年当時から、PFOAの人体に対する有害性がわかっていながらその事実を隠蔽していたとして、米国では大きな訴訟問題がもちあがっています。
加熱で溶け出す化学物質
2003年5月、米国のEWG(環境ワーキンググループ)は、健康を害する危険性を明示したラベル貼付をテフロン加工製品に義務づけるべきだと米国の消費者製品安全委員会に要請。このニュースは日本にもつたわりました。
350℃度以上にならないと人体に害はないとされていたテフロンですが、EWGの調査で、たった2〜5分の短時間で380〜390℃という予測外の高温になる調理器具があることがわかり、さらに、200℃でも有毒ガスでペットの鳥が死ぬことも報告されました。
熱したフライパンでベーコンを焼けば、加熱温度は260℃。薄いフライパンでは、1分間の予熱で370℃に上昇するケースもあるといいます。
コーティングにつかわれている化学物質は、こうした加熱で溶け出したり、有害なガスや粒子を排出。このガスを吸い込めば、人の場合、のどの痛み、発熱や息切れ、頭痛、咳など、「ポリマーヒューム熱」とよばれる、インフルエンザに似た症状を引きおこすとされます。
人体への悪影響も明らかになる??
2005年に入ってEPA(米環境保護局)独立調査委員会は、テフロンに使われている化学物質の発ガン性がこれまでに考えられた以上に深刻であるとの報告をまとめました。
PFOAが実験動物に肝臓がん、膵臓がん、睾丸がんを発生させること、未熟児、奇形児、免疫力低下に関与することを明らかにし、コレステロールや中性脂肪値の上昇とも関連があるとし、結論として、「PFOAは人にとっても発ガン性物質である可能性が高く、各種ガンに対してのリスク査定を実施すべきである」と締めくくっています。
アルミ鍋はだめ、テフロン加工も問題ありとなると、調理にはなにを使えばいいのでしょう?
鉄の中華なべは私のお気に入りですが、けっこう重いので、かよわい女性が毎日使うには、ちょっとしんどいでしょうね。
ステンレス製という手はあるけど、ステンレス製品には有害なニッケルが含まれている製品も多いので注意が必要です。そこで、ステンレス製品を買う場合には簡単なテストをしてみるのが、おすすめ。
売り場に行くときに、ポケットに磁石を忍ばせていくんです。
「これ買おう!」と思ったときに磁石を近づけてみて、くっつくようであれば安心。レジに持っていって、代金払えば一件落着。くっつかなければ、ニッケルが多いということだから、買うのはパス。
テフロン加工を使う一番のメリットは、調理中に材料がへばりつかないということでしょうが、あえてテフロン加工のフライパンを使わなくても、へばり付き防止は、調理テクニックでカバーできる問題ですよね。
テフロン加工製品は調理時の問題以上に、環境にばらまく有害物質が大問題。便利さの追求が環境破壊を招き、結局自分たちの首を絞めていくことになるんですね。
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