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Part 3 減食で太りやすい体に!

痩せていようが太っていようが、私たちの体の脂肪組織には平均300億〜400億もの脂肪細胞があります。これら一つ一つの脂肪細胞中には脂肪球という白い粒子が詰め込まれており、これが私たちが目の敵にする中性脂肪。脂肪細胞内の脂肪は入れ替わりをくり返しますが、運び込まれてくる脂肪よりも、運び出される脂肪が少なければ、脂肪細胞は果てしなく膨らむことに…。想像してみてください。400億もの体内の”風船“が果てしなく膨らんでいくのを。これこそ”太る“ことの実態なのです。

体脂肪になる原料を控える

お腹でも太ももでも、体中どこをとってもそうですが、皮下脂肪はそこにずっと居座っていると思うでしょう?でも、実際にはそうではなく、皮下脂肪はつねに分解しては新しいものと入れ替わっています。それも、かなりのスピードで。

体内の物質を作る代謝を同化(建設)、体内の物質を壊す代謝を異化(分解)といいますが、脂肪組織で建設と分解がバランスしていれば、脂肪という風船は大きくなることも小さくなることもなく、太りもしないしヤセもせずにボディ状態は維持されます。分解はあまり行われていないのに、脂肪組織の建設ばかりがどんどん進めば太ります。ということは、痩せたければ、(1)脂肪組織の建設を抑えて、(2)分解を優性にすればいいということになります。

建設を抑える、つまり、脂肪細胞内に新たな脂肪球を増やさないようにするのが、ダイエット第一の基本。新たな脂肪が細胞に運び込まれてこないようにするというのは、脂肪組織の脂肪の原料となるものを控えることに尽きます。

それでは、控えるべき「体脂肪の原料」とはなんでしょうか?油脂?いいえ。実は、脂肪の原料には主にブドウ糖が使われるのです。

つまり、ごはんやパン、パスタ、ドーナツ、菓子類などの糖質類こそ中性脂肪に変化して、脂肪細胞内にどんどん蓄積する主犯であり、痩せるためにはまずこれらの食べ過ぎを防ぐことが鉄則です(甘い物を中心とする高糖質食品を食べ過ぎる人は、脳内で働く神経伝達物質の栄養不足を改善することが先決であるということは、前回お話ししたとおりです)。

ダイエッターが陥る誤り

痩せるには脂肪の原料となる糖質を控えることが必須なわけですが、これは、単純にカロリーカットすればいい、ということではありません。闇雲に減食を実行すれば、「(2)の分解を優性にする」ことができなくなってしまうからです。その結果、痩せにくく、逆に太りやすい体を作ることになります。

カロリーカットの食事をはじめると、最初のうちはおもしろいように体重が落ちます。ところが、そのうち体重計の数値はピタッと動かなくなり、普通の人の半分程度の食事しかしなくても、痩せられなくなります。しかも、ちょっとでも余分に食べようものなら、あっという間に太ってしまうことに…。実際、カロリーの摂りすぎ(食べ過ぎ)で太っている人より、通常以下のカロリーしか摂っていないのに太っている人の方が圧倒的に多いのです。

人類の歴史は飢餓との長い戦いでした。人間の体は飢餓に適応しながら進化してきました。そして、少ない食事でも、そのエネルギーを効率よく蓄えておけるような体の仕組みを作り上げてきたのです。この効率よいエネルギー備蓄方法とは、体の中で少しでもあまったエネルギーはすべて脂肪という形に変えて、皮下や内臓のまわりに蓄えるという仕組みです。飢饉などで食物からのエネルギー源の確保ができなくなったとき、備蓄脂肪を分解してエネルギーに変えれば、生き延びることができたわけです。 

痩せるためにカロリーカットをするというのは、体を飢餓状態にすることに他なりません。体は少ないカロリーで生命維持をするため、代謝活動の低下を余儀なくされます。脂肪の分解は抑制され、逆に、多少でも余分に食べたときには、脂肪細胞内への中性脂肪の取り込みが促進されます。

単純に食事を減らして痩せようとすると、結果的に、痩せるための大原則、「脂肪組織の同化(建設)を抑えて、異化(分解)を優性にする」の逆を実践することになり、太りやすい体を作ってしまうのです。

脂肪分解を優性に

では、ダイエットの第二の基本、脂肪組織の異化を優性にするにはどうしたらいいのでしょうか。

脂肪が分解すると脂肪酸が発生します。これは人体のエネルギー源として最大のものです。ですから、エネルギーがどんどん使われる状況を作れば、脂肪組織の分解が促進され、そこから発生した脂肪酸が燃えてくれることになります。消費エネルギーを増やせば、脂肪の分解が行われ、体脂肪が確実に減っていくわけですね。

でも、消費エネルギーを増やすにはどうすればいいのでしょうか?運動?どうでしょうか。例えば1kgの脂肪を落とすためのエネルギー消費には、連続して駆け足や縄跳びを20時間近くもやらなければならないんですよ!こうみると分かるとおり、運動による消費エネルギーはごくわずか。しかも、運動は糖質を燃やしてエネルギー源にしますので、脂肪の分解は進みません。

ではどうするか。代謝を活発にすればいいのです。体内では、酵素を始め、多種多様のたんぱく質が作られたり壊されたりしながら生命が保たれています。たとえ寝たきり状態で体を動かさなくても、代謝酵素が作られ、さまざまな代謝が実現し、内臓が働き、血液が全身を駆けめぐり、体温が保たれ、生き続けるための活動が、一瞬の休みもなく進行しています。これを基礎代謝といいますが、”ただ生きているためだけ“に多大なエネルギーが使われているのです。しかも、この時の主たるエネルギー源は脂肪酸!運動をしなくても、脂肪の分解は間違いなく進行するわけです。ただし、その速度は基礎代謝量にかかっています。

栄養素不足で基礎代謝ダウン

何らかの原因で代謝機能が衰えると、エネルギー消費は少なくなり、脂肪の分解も進まなくなります。ここで思い出していただきたいのは、すべての代謝には酵素がかかわっているということ。酵素はたんぱく質ですから、食事からのたんぱく質が足りなければ、原料不足で酵素は作れません。酵素が働くためには多くのビタミンやミネラルが必要ですが、これらが食事から不足すれば、当然酵素は働けません。脂肪のエネルギー化にも多くの酵素とビタミンB群が必要です。つまり、代謝機能を衰えさせ、脂肪分解を抑制してしまう最たるものが、栄養素不足なのです。

スリムなナイスボディを夢みて、食事の量を控えたり、”吸収阻害“や食べたものほとんどを排泄させてしまうようなサプリを使っていたら、代謝のための栄養素は体内に十分に運び込まれず、代謝はますます低下し、脂肪分解にブレーキがかかってしまいます。

痩せにくく、太りやすい体質になってしまった女性の多くが、爪が割れやすい、手足が冷たい、肌がくすむ、髪のツヤがなくて細い、食べても体が温かくならないなどを訴えます。基礎代謝がかなり低下している証拠です。一日も早く栄養素の不足を解消し、体内が活発に働ける状態を整えることを考えなければなりません。

食べ過ぎずに、必要な栄養摂取を

体が必要とする栄養素は想像以上に多いものです。すべての栄養素を食事から摂ろうとすると、カロリーオーバーが心配です。食事で効率よく摂れない栄養素は生ジュースやサプリメントを食生活にとり入れることでうまく補ってください。とくにたんぱく質、ビタミンB群不足には注意しましょう。

また、いくら理想的な食事をしても、栄養素が消化吸収されなければ体内で酵素を作ることも働かせることもできません。特に酵素の材料となるたんぱく質がアミノ酸として各細胞に供給されなければ、代謝は実現しません。口から取り込んだ栄養素が体内で有効に働くためには、まず、消化器官の良好な働きが必要です。完全消化を目指し、ウルトラ酵素もうまく使ってください。

くり返しますが、痩せる大原則は、「脂肪組織の同化(建設)を抑えて、異化(分解)を優性にする」こと。脂肪の原料となる糖質をカットしつつ、体内の酵素がフルパワーで働くためのたんぱく質とビタミン・ミネラルを確保することで脂肪分解・燃焼を加速させる意外ありません。この究極バージョンがNS式の3日間絶食ですが、早急に痩せる必要のない人は、じっくり酵素ダイエットに取り組んでください。

体のメカニズムに逆らったダイエットは、体を害する方向に働きます。つらい思いばかりで、体にとってのメリットは皆無。体のメカニズムを十分理解し、健康的で美しい、スリムなナイスボディを目指していただければと思います。

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