ホリスティック栄養学とストレスケア

ストレス栄養学ベースの健康管理&セルフケア情報満載!

運動効果をあげる最良の時間帯は?体内時計に合わせて効率よくトレーニング

体内時計を意識して効果的に運動を

体内時計を意識して効果的に運動を

朝早く起きて仕事前にジョギング。残業後の遅い時間にジムでトレーニング。痩せるため、健康のためにと、懸命に行っていても、その運動の時間帯のせいで期待する効果がでない、むしろ逆効果になっているということもあるのです。

 体内時計に合わせて効率よく

時計遺伝子の発見とともに、体内時計の存在が確認され、その役割や機能が急速に解明されつつあります。

地球上の生物が生まれながらにして持っている生体リズムを、体内時計と呼びます。

そのなかで、一日約24時間周期のリズミカルな変動をサーカディアンリズム(概日リズム)といい、覚醒と睡眠のリズムだけでなく、自律神経やホルモン、免疫系の働きなど、体内で起こるありとあらゆる現象のリズムを刻んでいます。

運動やトレーニングをする場合、特に重要な意味をもってくるのが、サーカディアンリズムに影響を受けるホルモン分泌、エネルギー代謝、そして深部温度です。

たとえば、運動と関係深いホルモンについて見てみましょう。

筋肉の状態やスタミナ、筋力維持に働くテストステロンも、ストレスホルモンであり筋肉の分解に働くコルチゾールも、一日のなかで変動するそれぞれの分泌リズムがあります。

この2つのホルモンの比率が筋肉づくりや運動の効果に最もプラスに作用する時間帯をみると、「昼過ぎ」と「夕方」ということを確認することができます。

 夕方がベストタイミング

サーカディアンリズムに影響されるその他のホルモン分泌やエネルギー代謝、深部温度などを総合的に見ていくと、40代以上の人の運動やトレーニングの時間帯として最適なのは、昼過ぎの12時半から夕方6時半(20~30代は午後2時半から8時半)のあいだということになります。

このなかでも、起床から11時間後に深部体温がもっとも高くなる「夕方5時~6時」(朝7~8時起床の場合)の時間帯は、ほとんどの運動/トレーニングを効率よくおこなえるベストの時間帯となります。

この時間帯は、呼吸が一番しやすく、肺と心臓の効率がもっともよくなり、筋肉の強さや柔軟性が最高潮になるときです。

ジョギングや激しい運動、ジムなどで本格的なトレーニングをする場合にはもちろん、ウォーキングや自宅でのエクササイズなどをこの時間に実施すれば、深部体温リズムをいかし、最少の努力で最大の効果が期待できます。

 睡眠にトラブルがある人は

これ以上遅い時間帯のトレーニングを習慣づけてしまうと、就寝時の体温が下がるリズムが後ろにズレ、入眠しづらくなります。睡眠時間も短くなります。また、朝の体温があがりにくくなります。

このような状態で運動をつづけると体には大きな負担がかかり、ホルモンバランスにも悪影響をおよぼします。

寝ているあいだに細胞/組織を修復し、あなたの若さをサポートしてくれる成長ホルモンの分泌も低下します。老化がすすみ、太りやすくもなってしまいます。

もともと入眠や睡眠時間に問題があるのなら、夕方の時間帯ではなく、昼頃に運動をするのがおすすめです。

睡眠障害がある人は、昼間の早い時間帯に運動することで、交感神経を積極的にあげれば、夜の時間帯での副交感神経へのバトンタッチがスムーズにいくようになるのです。

ちなみに、睡眠と覚醒のサイクルが不規則な人は、起きてから少なくとも6時間たってから運動をしたほうがいいといわれます。お昼まで寝ている人は、結局、運動するのは夕方、ということになってしまいますね。

 早朝の運動は危険がいっぱい

中高年のあなたは健康に自信があっても、午前中、とくに早朝は、深呼吸、軽いウォーキングやラジオ体操、ゆっくり全身を動かす程度の運動にとどめましょう。

朝運動/トレーニングするほうが生命のリズムにあっているとか、習慣化しやすいとか、まことしやかにいわれています。しかし、朝は休息モードから活動モードへの切り替えの時間帯で、体内は大変な状況がおこっていることを頭にいれておかなければなりません。

体の仕組みは、一気に休息モードから活動モードへ切り替わります。血圧や脈拍が急に増え、血圧を上げるために血管が締まって細くなります。その結果、血液は流れにくく、詰まりやすくなっています。

心臓や脳は活動モードに切り替えるために一気に多くのエネルギーと酸素量が必要な状況に陥りますが、需要が増えても、供給は不足。急性心筋梗塞やくも膜下出血をはじめとする脳血管の事故がおこりやすくなります。

さらに悪いことに、早朝は血液がドロドロに固まりやすく、溶けにくいという時間帯でもあります。このような時間帯が運動に適しているといえるでしょうか?

確かに、体を目覚めさせるための深呼吸や軽いウォーキングなどはプラスに働いてくれます。でも、ジョギングや筋肉アップを目指したヘビーなトレーニングやエクササイズなどは、神経活動も体力も充実してくる午後の時間帯にスケジューリングしなおしたほうがいいでしょう。

 ストレッチは、寝る1時間前に

午後の時間帯、とくに夕方の5時から6時頃の運動は、筋肉アップ&脂肪燃焼のためにも最適な時間帯です。

この時間帯に体温を高めることにより、就寝時の深部温度は下がります。眠りはじめの深部体温が下がれば下がるほど眠りは深くなり、成長ホルモンの分泌も増え、あなたを若返らせてくれます。

夕方の時間帯に運動ができず、体温を上げるタイミングを逃してしまったときには、寝る1時間くらい前にストレッチなどの軽い運動をしましょう。

体温のリズムは下がる直前に上げると勾配が急になって、その分より深く下げることができます。

激しい運動は脳を覚醒させて睡眠障害を引きおこしてしまいます。体内にしっかり酸素を送り込みながら、ゆっくりストレッチなどをするのがおすすめです。

せっかく運動するのなら、体内時計のリズムにあわせて、あなたをより健康的なスリムボディに導いてくれる時間帯を選び、効率よく、最大の効果をあげていきましょう。

 まとめ

  • 体内時計のなかでも、一日約24時間周期のリズミカルな変動をサーカディアンリズムといい、体内で起こるありとあらゆる現象のリズムを刻んでいる。
  • 運動やトレーニングをする場合、特に重要な意味をもってくるのが、サーカディアンリズムに影響を受けるホルモン分泌、エネルギー代謝、そして深部温度。
  • 総合的に見ていくと、40代以上の人の運動やトレーニングの時間帯として最適なのは、昼過ぎの12時半から夕方6時半。
  • もともと入眠や睡眠時間に問題があるのなら、夕方の時間帯ではなく、昼頃に運動をするのがおすすめ。
  • 早朝は、激しい運動は避け、ゆっくり全身を動かす程度にとどめる。


 あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。

 

j-hna.org