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大豆イソフラボンが脚光を

浴びているけど…

健康情報は歪められている 第7弾

とびついていい健康情報?

今、女性のあいだで豆乳が大人気!一昔前の「クセがあって飲みにくい」というイメージは一新され、おしゃれな飲み物に変身をとげました。

でも、「大豆にふくまれるイソフラボンが女性特有の不調に効く!」と大々的に健康番組でとりあげられ、雑誌などで特集がつぎつぎに組まれたりするのをみていると、なにかプンプン臭ってきます。

大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た構造をもっていることから、更年期障害の軽減や骨粗鬆症の軽減、さらには乳ガンの予防効果などがあると、さかんにいわれています。

食品の含有物質にスポットをあて、大々的にマスコミであおる→その物質をふくむ食材はどんどん売れるようになり、それを原材料にしている加工品も売れいきをのばし、その成分をサプリメントにしたものにもみんな飛びつくという、典型的な図式がくり広げられています。莫大な利益をもくろむ、巨大企業の市場拡大の魂胆がみえみえです。

本当にそれが健康のレベルアップにつながるならいいのですが、マスコミに登場するこうした情報は、健康に対するプラス面だけがオーバーに誇張して伝えられ、マイナス面は表にでません。つまり、「〇〇に含まれる◎◎は、△△に効果ある」という情報に飛びつけば、とんでもない健康リスクにむすびつく可能性もあるのです。

大豆食品の多食で健康害?

「日本人女性の乳がんの発生率が低いのは、大豆の摂取量が多いから」と海外で発表されたことをうけてか、「大豆食品は究極の健康食材として、今、世界中から注目されている」と伝えられています。

そこで、アメリカ事情を調べてみると、意外や意外。いいことしか表にでない日本とちがって、いい面も悪い面もディスクローズして、判断を消費者にまかせる米国では、かならずしも大豆はヘルシーフードといわれていないのです。

多食による健康障害についての記事や調査・研究データが多いのには、さすがの私もビックリ。消化器系への問題、甲状腺機能への影響、腎臓結石、不妊症、痴呆、骨粗鬆症、ガンのリスクを高める等々…。

とくに大豆に含まれるイソフラボンについては、かなりの論争が繰りひろげられていて、まったく正反対の結果を示す研究データも多いのです。

アメリカ事情に目を向けてみよう

アメリカにはベジタリアンが多いことから、菜食主義者の重要なタンパク源として大豆は長年安定した消費動向を示してきました。その消費量が大幅に増えはじめるのは2000年ごろから。

米国の厚生労働省にあたる食品医薬品局(FDA)が、「心疾患リスクを低減させる」という、健康促進効能の表示を一定の基準をみたした大豆食品にみとめたことがキッカケでした。

「大豆そのものにマジックパワーがあるわけでない」ということから、「一日25gの大豆タンパクを低飽和脂肪酸、低コレステロールの食事とともに摂取」を前提としていましたが、FDAの表示許可を、各メーカーは自分たちに都合がいいように解釈してPR作戦を大々的に展開しました。

FDAがこれら不当表示の規制にのりだそうとした矢先、イソフラボンに関する論争がもちあがり、表示規制はうやむやに…。

乳ガンのリスクが高まるという証拠あるのに…

大豆消費の大幅アップにつながった健康促進効能表示の請願を出したのは、デュポン(テフロンでも問題になった会社)に買収された大豆生産のリーディングカンパニーでした。

FDAが健康促進効能表示をみとめたのは、それを裏づける研究データがあたからでしょう。でも、FDA毒性学研究センターのダニエル・シーハン博士およびドージ博士は、大豆にふくまれるイソフラボンの「エストロゲン過敏の組織および甲状腺に対しての毒性」「大豆摂取が乳ガンの危険性を増す可能性」を指摘。公式に「摂取する人の年齢や状況によって、いい面もリスクもある」と表明していました。

にもかかわらず、大豆タンパクにコレステロールをさげる効果はあるとのことで、「〜心疾患のリスクを低減〜」という表示がみとめられ、これにより、大豆の販売は飛躍的に伸び、莫大な利益がデュポンをはじめ大豆の生産/加工企業に転がりこむことになったのです。

2匹目のどじょう狙って?

2003〜2004年には、ローカーボ・ダイエット(動物性タンパク質を多くとる高プロテインダイエット)の欧米での大流行に影響をうけ、大豆の販売は落ち込みます。

巻きかえしをはかろうとしてか、2004年2月、デュポンの合弁会社ソレイ社は、大豆タンパクが「乳ガン、前立腺ガン、大腸ガンのリスクを軽減」という効能表示を認めるよう請願をFDAに提出。しかしこの請願は、今年10月に却下されることに…。

請願を認可すべきでないと1000件を超える健康害などに関するコメントが寄せられたこと、ソレイ社の提出した臨床データをくつがえす根拠を示す膨大なデータの提出が反対派からあったこと、さらに、「イスラエルの健康省が今年7月、大豆粉ミルクを赤ちゃんにあたえないよう、子供には大豆食品を1日1回以上食べさせることを避け、週三回以内にとどめるよう、大人は乳ガンのリスクおよび受精能力への悪影響に注意をはらうよう警告を発した」…こうしたことがソレイ社の思惑をはばみました。

信憑性の低いデータでも…

時として大ニュースとして扱われる食品の効果効能を証明するデータの信憑性を判断するのは、至難のわざ。

研究資金の出所によって導きだされる結果がちがったり、企業にとって好ましい結果が出たものだけが発表され、それ以外は握りつぶされるということもあります。

たいして意味のない小規模の動物実験データや、無視されるべきバイアスがかった臨床データでさえ、大企業の息がかかると、新聞のトップを飾ります。

こうしたニュースは日本にも伝えられ、ネタ探しに躍起になっている健康番組の担当者のニーズと合致。番組がつくられます。研究データはキチンとあるので、まちがった情報をながしていることにはなりません。

ニュースになったり、健康雑誌や健康番組でとりあげられている効能のまったく正反対の研究結果も多数存在しているのに、これらは、消費者の目にふれることはありません。(健康害に関する研究データは、FDAのサイトで確認可能)

うまく食生活にとり入れよう

私は大豆食品が悪いとは思いません。健康体の人であれば、動物性食品とうまく組みあわせて食べるべきだと思うし、1日何杯かのみそ汁を飲んだり、納豆を食べることは、健康のレベルアップに大いに貢献してくれると思います。

ただ「大豆のほうが健康的」と思いこみ、理想的なアミノ酸バランスをもつ卵(プロテインスコア100。大豆は55)や動物性タンパク質を排除してまで、大豆の多食は避けるべきでしょう。また、甲状腺にトラブルをかかえる人は大豆は控えた方がいいといわれます。

大豆には多くのメリットがあります。でも、それだけに目をむけるのではなく、注意すべき点もちゃんと理解したうえで、うまく食生活にとり入れていただきたいと思います。

イソフラボンのように大豆にふくまれる特定の物質だけをサプリメントにしたものに関しては、まだ分かっていないことも多いので、安易に手をだすべきではないと、私は思います。

あなたの2006年、くれぐれも健康情報にまどわされない1年にしてくださいネ。

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