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長年の体調不良は、体内に蓄積されている有害ミネラルのせい?

長年の体調不良は、体内に蓄積されている有害ミネラルのせい?

原因不明の体調不良で長年悩んでいるということは、ありませんか?もしかしたら、有害ミネラルが蓄積しているのかも…。

私たちの体内には、さまざまな有害物質が、食品、大気、水道水、タバコなど身近なものを通じて、日々、運びこまれてきます。これらの中には有害ミネラル(重金属)がふくまれていますが、有害ミネラルは長い年月をかけて体内に蓄積し、さまざまな心身の不調をもたらします

水銀、鉛、カドミウム、アルミニウムその他の有害金属/有害ミネラルが多量に環境にばらまかれるようになって80~100年。環境汚染から、気づかないうちに体内汚染が広がり、現代人の健康レベルの低下につながっているのです。

体内にとりこまれ蓄積していく有害ミネラルがどのようなもので、どのような経路で体内に入ってくるのか、また、それらが蓄積することにより、どのような問題が発生するのか見ていきます。また、体内に蓄積した有害ミネラルの排泄を促す方法、デトックス/キレーションについてもお伝えしましょう。

有害金属/有害ミネラルの問題とは

私たちの身体を構成する成分の96パーセント強は、炭素・水素・酸素・窒素の4元素で、これら以外の元素をミネラル(無機質)と総称します。ミネラルの仲間には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムをはじめとする多量ミネラルと、鉄、亜鉛、セレニウム、銅をはじめとする微量ミネラルが存在します。

細胞内の構成成分や酵素のサポーターとして生命活動に極めて重要な役割をもつミネラル類を一般に、「必須ミネラル」とよんでいます。これら必須ミネラルに対し、環境汚染などに伴って体内にとりこまれるようになった元素を、「有害金属」または、「有害ミネラル」とよびます。

有害ミネラル/有害金属とされるもののなかには、重金属と軽金属があります。重金属の仲間は、鉛、水銀、カドミウム、ニッケル、アンチモンなど。ヒ素やアルミニウムは軽金属ですが、これらは毒性/有害性が強いことから、「有害重金属」として扱われることが多いようです。

体内に入った有害重金属(以後、有害ミネラルとします)が排泄されるまでには長い時間がかかるばかりか、次から次へと休みなく体内に運び込まれてくるため、体内に蓄積しつづけ心身にトラブルをひきおこしていきます。

それぞれの有害ミネラルによって蓄積しやすい臓器や体内にとどまる期間は異なります。半減期(量が半分にまでなる期間)が70日程度のものもあれば、30~40年ということで、一旦体内にとりこんでしまうと、その排除はほぼ不可能というものもあります。

なぜ健康上の問題をひきおこすの?

重金属/ミネラルは、非常に低濃度で、生体内のさまざまな生化学的、生理学的機能を維持するために不可欠なのですが、特定のレベルを超えると有害になります。

有害ミネラルは、私たちの身体にとって大きな脅威であることが証明されていて、それに関連する健康リスクは、いくつもあります。そして、その健康上のトラブルが長期間つづくことも認識されています。

有害ミネラルは、必須ミネラルと化学的に性質が近いため、体内の重要なミネラルの働きに悪影響をあたえます。酵素の働きや細胞の構造に不可欠なミネラルとおきかわることもあります。その金属のためにつくられたものではないタンパク質と結合して細胞が働けないようにしてしまい、最終的には毒性をひきおこすのです。

有害ミネラルは、突然変異原および発ガン性物質であるともいわれ、遺伝子DNAの構造を変化させる、あるいは遺伝子DNAの設計図どおりにタンパク質をつくるプロセスを妨げ、DNAと細胞とのコミュニケーションを混乱させます。細胞分裂を妨げることもあります。

さらに、有害ミネラルは、体内でさまざまな悪行を重ねるフリーラジカルを発生させるとともに、体内の抗酸化栄養素の枯渇をまねき、酸化ダメージを増やすことも知られます。たとえば、水銀、ヒ素、鉛はグルタチオンを不活性にし、抗酸化作用や生体異物に対する解毒作用を阻害します。また、鉛はグルタチオンのリサイクルに携わる酵素の活動を低下させるということもあります。

有害ミネラルは、体内バランスを乱すことで、さまざまな心身のトラブルを発生させ、私たちが若々しい健康なナイスボディを保つのを邪魔するわけです。

有害ミネラルには、トラブルをひきおこす共通したメカニズムがあります。しかし、それぞれの有害ミネラルには蓄積しやすい組織があるので、ひきおこされるトラブルは、まちまちです。ここからは、いくつかの有害ミネラルそれぞれについてみていきましょう。

日本人にもっとも懸念される、【水銀】

日本人にもっとも懸念される、【水銀】

水銀は、とても有毒で、生物に蓄積性が非常に高い有害ミネラルです。

日本人にもっとも懸念されるのが、この水銀の蓄積です。日本人の毛髪分析値では、ほとんどの人に水銀の高い数値がみられ(世界中でも飛びぬけて高い)、年々そのレベルが高くなっています。日本人は魚介類を多く食べますが、環境からの排出量そのものが年々増加しているため、体内への移行もそれに応じて増えているのです。

世界の水銀の排出量のうち、なんと50パーセント近くが東アジアに集中しています。この地域に火力発電所が多くあるためなのですが、石炭火力発電所から大気中に排泄される水銀が、海に落ち、魚が汚染されているのです。

水銀で、身体にどのような問題が?

水銀は、神経細胞を壊死させる
水銀は、常温で液体の重金属です。水銀は大きく分けると「金属水銀」、「無機水銀」、および、「有機水銀」の3つの種類があり、その形態によって毒性が異なります。

水銀のなかでも害になるのは、金属水銀と有機水銀です。
金属水銀は、ちょっとした刺激によって蒸発。蒸気になった水銀を吸入すると、肺から入って、脳で酸化して蓄積。脳から出られなくなり、神経障害をおこす恐れがあります。

メチル水銀(有機水銀)は、システインと結合することで腸管から吸収され、血液脳関門を通過して脳に届きます。神経細胞中のタンパク質の構造を変えることによって、神経細胞を変性、壊死させると考えられています。

では、無機水銀が安全かといえば、そうともいいきれません。というのも、無機水銀は、口腔内や腸内で、メチル水銀にかわって吸収され、やはり、脳に運ばれるからです。

★水銀は、あらゆる臓器に障害をあたえる

水銀の標的臓器は脳ですが、あらゆる臓器に障害をあたえ、神経、腎臓、筋肉の機能不全につながる可能性があります。気化した水銀は、気管支炎、喘息、一時的な呼吸器疾患をひきおこします。

微小管の破壊、ミトコンドリアの損傷、脂質の過酸化、およびセロトニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの神経毒性分子の蓄積の原因となる神経毒性化合物ともいわれます。

水銀は、腸内細菌のバランスを崩すこともあきらかになっています。水銀が蓄積しているとカンジダ菌が増殖形態になりやすいともいわれます。

水銀の微量の蓄積では、食欲不振、睡眠障害、めまい、疲労、記憶の低下、脱毛、精神的不安定、うつ症状があらわれます。蓄積量が増えると、酵素の活動が阻害され、目が見えなくなったり、全身麻痺などの症状がでるといわれます。自然流産、先天性奇形、精子生産減少、染色体異常、生殖異常など、子孫繁栄を脅かすことも・・。

水銀は、こんな身近なものから体内に…!

食物連鎖により、魚には高レベルの水銀が

水銀は、多くの食材他にふくまれているので、体内にとりこまれる確率はかなり高いといえます。前述のとおり、日本人は、とくに水銀の蓄積レベルが高いといわれますが、その源の大半は、魚介類かアマルガム経由とされます。

★魚類(特に大きな魚の水銀レベルは高い)
海水中の水銀濃度がわずかであっても、小魚、中魚、大魚というように食物連鎖をくりかえすごとに水銀は濃縮され、高い水銀濃度に達します。とくにマグロは要注意

魚を食べるときには、近海魚より回遊魚を、切り身より1匹まるまる食べられる魚(イワシやアジほか)を選ぶほうが安全ですね。

★アマルガム
マルガムは50%が水銀。25℃以上で気化するので、コーヒーなどの暖かいものを飲んだり、ガムを噛むなどの簡単な刺激で容易に水銀が気化し、微量の水銀が口に溶けだし、一部消化管に、一部は血液中にとりこまれ全身にまわります。

日本では、2016年4月まで保険適用で、歯の治療に多用されてきました。したがって、それ以前に治療をうけた人は、今でも歯に入ったままでしょう。非常に扱いやすい歯科材料であるため、未だに自費診療で使用している歯科医師もいます。

アマルガムは、「無機水銀なので血液脳関門を通過しないので安全」と主張されてきました。でも実際には、無機水銀は口腔内や腸内でメチル化し、血液脳関門を通過します。

長年、原因不明の体調不良で悩んでいた人が、アマルガムを撤去しただけで、元気をとりもどすケースは多々あります。

★ワクチン
ワクチンに水銀がふくまれているというと、ギョッとする人も多いでしょう。実は、有機水銀(チメロサール)が、ワクチンの防腐剤として使用されています。製薬会社ごとにチメロサールの含有量は異なります。

1990年代に比較して、インフルエンザワクチンに使われる量は大幅に減っているとはいえ、チメロサールのふくまれないワクチンは、ほとんどありません。

★その他
下剤、痔治療のための座薬など、木材保存料、柔軟剤、歯磨きなどの研磨剤、印刷や入れ墨に使われるインク、絵の具、除菌剤、殺菌剤、水銀体温計、蛍光灯ほか。

※食材、その他からとりこまれる水銀は極微量で、スローペースで蓄積されていきます。そのため気づきにくいのですが、確実に蓄積されつづけていることが多くの研究で証明されています。

骨にどんどん蓄積される、【鉛】

骨にどんどん蓄積される、【鉛】

体内にとりこまれた微量の鉛は、尿、汗、便などを通じ排泄されます。ところが、水、タバコ、大気汚染、食品、職業的接触を通じ、休みなしに鉛がとりこまれてくる現代社会においては、解毒/排泄が追いつきません。その結果、体内にとりこまれた鉛の90パーセントが骨に蓄積されます。

鉛は体内でどのようなイタズラをする?

骨のカルシウムが血液中に放出されるときに、鉛も同時に放出され、免疫、神経伝達、ホルモン分泌などカルシウムがおこなう生理作用を妨げます。鉛は、脳神経のグリア細胞や肝臓にも蓄積し、ほかの臓器/組織にも広く分布。酵素機能を阻害します。とくに、細胞内のセレニウムや硫黄をもつ抗酸化酵素の働きを阻害。フリーラジカルからの防衛力を弱めます

鉛は、細胞内および細胞間のシグナル伝達、タンパク質の折りたたみ、成熟、アポトーシス、イオン輸送、酵素調節、神経伝達物質の放出などのさまざまな生物学的プロセスに重大な変化をひきおこすことが知られます。

鉛の蓄積での症状は?

鉛の蓄積は、子供たちの精神的な不安定さと関係している

鉛の軽い中毒症状としては、頭痛、腹痛、貧血、慢性疲労、筋肉痛、神経障害、脳機能障害など。とくに注目されているのが、子供たちの精神的な不安定さとの関連です。

おちつきがない、イライラ、怒りぽい、根気がない、学校に行きたがらない、学習障害や多動などは、鉛の蓄積量が多いからといわれます。実際、鉛の蓄積量と知能指数、学業成績との関連性はデータ的に裏づけられています。

水銀同様、鉛も徐々に蓄積。解毒酵素を不活性にし、神経系統および動脈血管系に問題をおよぼします。もっとも一般的な症状としては、動脈硬化、高血圧、神経病、貧血、腎臓病、学習障害などですが、鉛中毒のサインは他の疾患とまちがわれやすく、便秘、食欲不振、腹痛、指や唇の麻痺、頭痛、口の中の金属的味覚、関節炎としてあらわれることもあります。

鉛は、こんな身近なものから体内に…!

 ★水道水
以前は、鉛は水道管に使われていたので、築年数の古い建物は要注意。現在でもジョイント部分のはんだ(50%が鉛)に使われ、飲み水に入りこんできます。鉛は水道水から体内に入りこむケースが多いのですが、通常の浄水器では、完全にシャットアウトするのは難しいといわれます。

★車のバッテリー、ガソリン
車に鉛除去装置が義務づけられから、著しく減少しましたが、それまで環境にぶちまかれた鉛からの影響は、今なお、つづいています。

★陶器の上薬
陶器の上薬に鉛が使われており、食品のなかにそれが溶けだす可能性があります。妊娠中の女性は、熱いコーヒーやほかの酸性の飲み物(トマトスープなど)を陶器のカップやマグカップで飲まない方が安全といわれます。

★ドロマイト (サプリに使われることが多い)
有害ミネラルの蓄積を防ぐにもカルシウムは重要とはいえ、カルシウムサプリメント、あるいはカルシウムがふくまれるサプリには、原材料としてドロマイトが使われているケースが多いといえます。カルシウムのふくまれるサプリを購入する際には、ドロマイトをつかっていない製品の選択を…。

★その他
果物(トマトふくむ)の缶詰、タバコ、農薬、ペンキ、絵の具など

骨折しやすくなる、【カドミウム】

骨折しやすくなる、カドミウム

日本は世界最大のカドミウム消費国です。カドニウムの体内での半減期は、10年~50年といわれ、一旦体内にとりこんでしまうとその排除はほぼ不可能。一生を通じて体内に蓄積しつづけます。

カドミウムは、腎臓および肝臓に蓄積されるので、過剰になると、これらの臓器に深刻なダメージをあたえることになります。腎機能障害がおこれば、カルシウム代謝に異常をきたすため、骨折しやすくなります。

カドミウムは、亜鉛と化学性質が似ているため、肝臓と腎臓に蓄えられている亜鉛とおきかわり、亜鉛欠乏症がおこりやすくなります。亜鉛は、300以上の酵素のサポーターとして働いているため、その不足は、身体のあらゆる細胞の不調とつながります。

蓄積量によりカドミウムの毒性は異なりますが、蓄積量が増えると、高血圧、嗅覚がにぶくなる、貧血、関節の痛み、脱毛、皮膚のカサカサ感、食欲不振などが発生してきます。また、カドミウムは身体の免疫力を低下させ、ガン細胞や異質細胞の破壊をうけもつT細胞の生産を減少させるともいわれます。

最近の研究では、乳がん、子宮筋腫、習慣性流産との関係や糖尿病、肥満などとの関連が報告されています。

カドミウムは、こんな身近なものから体内に…!

カドミウムは甲殻類に蓄積されている

カドミウムも、思いほか多くの食材、製品に入りこんでいます。

★タバコ
喫煙者における体内蓄積量は異常なレベルで、タバコを吸わない人にくらべかなり高くなっています。自分が喫煙していなくても、間接的に煙を吸いこめば、カドミウム蓄積量は増えます。

★甲殻類(エビ・カニなど)
カドミウムは、甲殻類に蓄積されやすいことが知られます。収穫地によって汚染度は異なります。

★そのほか
水道水、米(とくに玄米)、漂白した穀物類、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク類、インクや染料、バッテリー(携帯電話、パソコン、おもちゃに使われる)、プラスティック製品、大気汚染、土壌、肥料、殺虫剤、殺菌剤など

脳に蓄積されやすい、【アルミニウム】

脳に蓄積されやすい、【アルミニウム】

アルミニウムは空気中、水、土壌などいたるところに存在し、あらゆる経路から体内に入ってきます。食材からはもちろんですが、皮膚経由でもとりこまれてきます。

アルミニウムの体内蓄積は、骨粗鬆症の症状と似ているといわれます。また、アルミニウムの過剰蓄積が原因となり、筋肉痛や筋力低下、腹部の痙攣、胃腸障害、神経過敏症、貧血、頭痛、肝臓・腎臓機能低下などが発生することもあります。

脳への蓄積は、記憶障害、言語障害、記憶喪失など、脳機能低下をもたらします。アルツハイマー病で亡くなったかたの脳神経細胞へのアルミニウム蓄積は、通常の人の4倍もあるそうです。これは、長期間アルミニウムの蓄積がつづけば、アルツハイマーになる可能性があることを示します。

アルミニウムは、こんな身近なものから体内に…!

アルミニウムは、こんな身近なものから体内に…!

アルミニウムは、私たちが普段口にするほとんどのものにふくまれているといっていいでしょう。

★水道水
処理工程でアルミニウムが使われます。

★アルミホイルやアルミ調理器具、アルミ缶
外食産業で使われるナベの多くはアルミ製。調理器具を長く使うと傷がつき、塩や酢を入れたときに化学変化が生じてアルミニウムが、より溶けだしやすくなります(トマトを調理した場合、トマトのアルミニウム含有量は倍に!)。

★ベーキングパウダー
小さじ1杯あたり5~70mgふくまれます。

★加工食品、缶詰食品
ピクルス、タルタルソース、とろけるチーズ、パルメザンチーズなどに多くふくまれます。ケーキミックスなどに1食分5~50mg程度ふくまれています。

★制酸剤
多くの製品がアルミニウム塩をふくみます。1回の服用量に29mg~265mgもふくまれます。

★そのほか
鎮痛剤(アスピリン、バファリンなど)、下痢止め剤などの薬、デオドラント製品、制汗剤、シャンプー(多くの市販品がアルミニウムをふくみます)

※ クエン酸は、アルミニウムの体内への吸収を促します。ご用心!

有害ミネラルの蓄積を防ぎ、追い出す

有害ミネラルの蓄積を防ぎ、追い出す

どんなに素晴らしい健康法や美容法を実行しても、有害ミネラルの蓄積がある限り、思うような効果は期待できません。それどころか、身体に悪影響をもたらすことにもなりかねません。

汚染された時代に健康を維持するには、有害ミネラルをふくむ有害物質を極力遠ざけ、接触をさけること。そして、体内に入ってきてしまった、これら有害物質をいち早く解毒して出ていってもらうことです。

それには、本来私たちがもつ解毒システムを知り、強化して、デトックス体質をつくっていくことがベストです。その一環として、腸の環境を整えることが重要ですし、肝臓がしっかり働けるよう定期的な絶食(解毒・浄化プログラム)や適切な栄養素を確保することも必要になります。
デトックスの基本は、↓こちら↓で確認しましょう。
簡単デトックス法で有害物質を追い出し、体調不良スッキリ

有害ミネラル対策は、ミネラルバランスが重要

有害ミネラル対策は、ミネラルバランスが重要

現代人は有害ミネラルの蓄積が増えている一方で、深刻な必須ミネラルの不足(鉄やカルシウム、マグネシウム、亜鉛ほか)やミネラルバランスの崩れにより、さまざまな体調不良に陥っているのが現状です。

必須ミネラルは、生命活動の維持に欠かすことができない役割を担っていますが、有害ミネラルの吸収を妨げたり、排泄を促すという重要な働きもあります。

たとえば、カルシウムは鉛の吸収をおさえますし、骨からの鉛の動員を減少させます。マグネシウムは、カドミウムの吸収を鈍化させ、その毒性を弱める働きがあります。

亜鉛は、鉛、水銀、カドミウム、アルミニウムなどを追いだしてくれますし、セレニウムは、ヒ素、水銀、カドミウム、アルミニウムなどを無害化したり、排出する働きをもっています。

このように、特定の必須ミネラルと有害ミネラルのあいだには、互いに干渉しあって、一方が多くなると他方は少なくなるという関係がなりたっています。したがって、有害ミネラルの蓄積を防ぐ、あるいは、過剰な有害ミネラルの排泄のためにも、必須ミネラルをバランスよく確保する必要があるのです。

有害ミネラルを排出/排泄する方法はいくつかありますが、毛髪ミネラル検査を通じ、ご自分の有害ミネラルの排泄力や体内蓄積の可能性を探るとともに、亜鉛やセレニウムなどの必須ミネラルの状況をチェックし、これらを確保することからはじめるといいでしょう。

毛髪で体内の有害ミネラルとミネラルバランスを確認

毛髪で体内の有害ミネラルとミネラルバランスを確認

あなたの体調不良が有害ミネラルによるものなのか、また、必須ミネラルのバランスがどうなのかを調べる方法として、毛髪ミネラル検査があります。毛根に近い部分を少し(0.2グラム)カットして、検査機関に送るだけで、有害ミネラルと必須ミネラルなど26種類のミネラルを調べることが可能です。

毛髪は、もっとも早く成長する体組織であり、排泄器官でもあります。細胞外液に浸かっている毛包中の毛母細胞が成長する際には、システインがミネラルを巻きこみます。こうして排泄してくるミネラルの経時変化を、毛髪は記録してくれています。

あなたの身体が有害ミネラルを排泄しやすいのか、ため込みやすいのか、有害ミネラルの害を打ち消す、あるいは排出するためのミネラルは不足していないか、ミネラルの輸送障害がおきていないか、現在のミネラルバランスが体調にどのように影響しているのか等など、毛髪ミネラル検査によって、体内環境の“見える化”が可能になります。

やみくもに金属デトックスをすすめるのではなく、ご自分の状況をしっかり把握したうえで、適切なケアを実践するための道しるべになってくれます。

毛髪ミネラル検査は、ら・べるびぃ予防医学研究所で、お申し込みいただけます。

また、毛髪ミネラル検査の結果を最大限活かすためには、動画講座、【毛髪ミネラル検査の読み解き方】をぜひ、ご視聴ください。

体調不良の原因が有害金属の過剰蓄積なら

私たちの身体には、日々、食物や自然環境から好む、有害ミネラルをふくむ有害物質が体内に侵入してきます。有害ミネラルをスムーズに排出する方法を知っておくことは非常に重要といえます。

有害ミネラルを排出する方法の一つは、先にお話しした有害ミネラルと拮抗する必須ミネラルを十分に摂取すること。また、特定のビタミン、硫黄含有アミノ酸、抗酸化物質などの有害ミネラルに対する作用も、多くの研究で調査されているので、こうした知識をうまく活用することです。

もっとも、ドラスティックな効果、【キレーションセラピー】

もっとも、ドラスティックな効果、【キレーションセラピー】

なかなか排泄されない過剰な有害ミネラルを体外に排出する方法としてキレーションセラピー(療法)があります。

キレーションの語源は、ギリシャ語のキレ(Chelle:カニのはさみという意味)からきています。重金属に親和性の高いキレート剤(EDTA)を点滴し、体内の有害ミネラルをはさみこむ(結合する)ことで体外に排出させます。

毛髪ミネラル検査などで、有害ミネラルの過剰蓄積が確実な場合以外は、キレーションセラピーは実施すべきではありません。というのも、有害ミネラルのキレーションには、①重金属の再分布、②ミネラルの消費という2つの副作用を伴うからです。

こうした副作用を避けるため、キレーションセラピーの実施には、きちんとした準備が必要になります。
1 有害ミネラルの暴露量を減らす
2 肝機能の改善
3 腸の環境を整える (便秘はNG)
4 カンジダ菌対策
5 ミネラルの補充

などが、必須です。十分な準備なしにキレーションをおこなうことは、かえって身体にとってマイナスになり、体調の悪化を招きます。

自然な解毒経路をサポートする食品

自然な解毒経路をサポートする食品

食品のなかには、有毒ミネラルの吸収または再吸収を軽減し、自然な解毒経路をサポートするものが多くあります。キレーションセラピーほどドラスティックな方法を実践するほどではない場合には、普段の食生活で、こうした天然のキレート剤デトックスサポート食品をうまく使っていきましょう。

1 不溶性食物繊維(穀物や果物などにふくまれる
腸管再循環を中断し、腸内フローラを調節することを目的として、キレーションセラピーのかわり、または、補助として有効とされます。

2 藻類にふくまれるアルギン酸多糖類やクロレラなど
重金属の潜在的な吸着剤として注目を集めています(事例研究では、柑橘類ペクチンとアルギン酸塩製品を使用することで、鉛と水銀を軽減することに成功)。

3 硫黄が多くふくまれる野菜類
ニンニクをはじめとするネギ属の野菜やブロッコリーを代表とするアブラナ科の野菜などは、デトックスに重要な役割をもつグルタチオンに影響をあたえることが示唆されています。

4    薬用ハーブ
コリアンダー(パチュリ)、レッドクローバー、バードック、サルサパリアなどのデトックス効果はよく知られますが、これらハーブ類は、有害ミネラル/重金属の排出にも有効です。サルサパリア(ルートビアの独特の風味のもと)は、水銀中毒の薬の原料としても使われています。

デトックス/キレート作用のあるサプリメント

デトックス/キレート作用のあるサプリメントをうまくとりいれていくのも、一つの方法です。

★ N-アセチルシステイン(NAC)
経口的に利用できるシステインの前駆体であるNACは、有害ミネラルのキレート剤であり、とくにビタミンC および E の存在下でグルタチオン合成を刺激します。

★ グルタチオン
グルタチオンは重要な生理学的キレート剤であり、グルタチオンの還元型は重金属に関連する活性酸素種から細胞を保護します。

アルファリポ酸
ビタミン E や C、還元型グルタチオンなどの抗酸化物質を再生する強力な抗酸化物質であり、金属キレート活性をもっています。脂溶性と水溶性の両方があり、腸から容易に吸収され、細胞膜や血液脳膜関門を通過します。
※ ミネラル再分布のリスクがあるため、使用は慎重に…。

★ タウリン/メチオニン (硫黄含有アミノ酸)
重金属への曝露によって生じる酸化ストレスを軽減します。

★ セレニウム
水銀と拮抗し、水銀中毒の症状を軽減、また、水銀排出を促します。水銀の暴露が多いと、体内のセレニウムは枯渇します。

★ その他
コエンザイムQ10、ビタミンC/ビタミンA(βカロテン含む)/ビタミンEなどの抗酸化栄養素、アップルペクチン、アルファルファ、ニンニク粒など、また、カンジダ除菌前には、亜鉛、マグネシウム、モリブデンなど。

まとめ

  • 私たちの体内には、日々、さまざまな経路から有害ミネラルをふくむ有害物質がとりこまれてくる。
  • とりこまれる有害ミネラルによっては、長年体内にとどまり、蓄積していき、身体に深刻なトラブルをもたらすものもある。体内で必須のミネラルとおきかわる、遺伝子の構造を変化させる、タンパク質をつくるプロセスや細胞分裂を妨げる、フリーラジカルを発生させる、抗酸化栄養素を枯渇させるなどの悪行により、有害ミネラルの蓄積は、人の健康レベルを著しく低下させる。

  • 有害ミネラルがどのような経路で私たちの身体に入ってくるかを知り、それらを極力避けるとともに、入ってきた有害ミネラルを素早く追い出す方法を知っておくことが大切。

  • 有害ミネラル対策には、いくつかの方法があるが、まず、毛髪ミネラル検査などで、自分の有害ミネラルの排泄力や体内での蓄積状況、必須ミネラルバランスなどを調べるとよい。そのうえで、有害ミネラルと拮抗するミネラルの確保とともに、日々の生活のなかで、天然のキレート剤やデトックスサポート食品、サプリメントなどをうまく活用していく。

  • 有害ミネラル対策としてもっともドラスティックな方法としては、キレーションセラピーがある。ただし、実際にそこまで必要かは、各種検査などで見極める必要がある。

    あなたが、最高の健康を手に入れ、いつもハッピーで、ありますように…!

 

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